2022年8月4日木曜日

マツカレハの若齢幼虫

 いつもの公園のマツの葉で、マツカレハ Dendrolimus spectabilis の幼虫を見つけました。まだ若齢で、今年2度目の世代でしょう。図鑑などで見る終齢かそれに近い幼虫とはずいぶん見かけが違いますが、毒針毛のありかを示す黒い帯が胸部に2本、腹部に1本見えるのは同じです。周囲を探すと同じくらいの大きさのものが1匹だけ見つかりました。

体長約14mm。次の2枚も同じ個体です。



これは別個体で、体長約16mm。

(2022.08.03・明石公園)

2022年8月3日水曜日

ヘクソカズラの花の腺毛(深度合成)

 以前にも一度出したヘクソカズラ Paederia foetidaの花の腺毛をスタック撮影してみました。

前回の1枚撮りの写真に比べると透明感が失われているように見えます。深度合成処理か、あるいは照明がフラット過ぎたのかも知れません。

(2022.07.18撮影)

2022年8月1日月曜日

オフリオグレナ(Ophryoglena sp.)をもう一度

 ミジンコ類の死骸と思われる殻の中にいた繊毛虫で、口部域の特徴のある形から5月に出したものと同じオフリオグレナ(Ophryoglena sp.)で間違いないと思います。動画を撮影している間に殻を出て泳ぎ始めました。細胞内が無数の食胞で充満していて、5月のものとはずいぶん様子が違って見えます。いつも参考にしている原生生物図鑑(原生生物情報サーバ)によるとこのグループは“無脊椎動物の遺体ないしは死にかけた個体の組織を食べる”ということなので、おそらく死んだミジンコの殻の中で腹一杯(?)食べたところなんでしょう。また複雑な生活環を持っていて、そのステージによりさまざまな形態をとるようですが、撮影したものがそのうちのどれに該当するのかよく分かりません。


黒っぽく見えるソーセージ状の塊が大核です。



口部域の拡大です。

動画です。


(2022.06.30・神戸市西区伊川にて採集)

2022年7月31日日曜日

チビクワガタ

 切り株の上をチビクワガタが歩いていました。左の上翅に大きな穴が開いています。どうすればこんな深い傷ができるのか想像しかねますが、羽化の際にでも何らかの外敵に襲われたんでしょうか。よく見るものより赤みが強い体色ですが、羽化後の日数が浅いのかも知れません。体長は大顎も含めて約14mmです。




(2022.07.18・明石公園)





2022年7月30日土曜日

コガネコバチ科 Acroclisoides sp.とカメムシ卵

 モチノキの幹に並んだ14個のカメムシ卵の上に、1匹のコバチがとまっていました。カメムシ卵はすでに寄生されているようです。コバチはコガネコバチ科の Acroclisoides 属の一種で、腹部の細さを見るとおそらく♀の羽化を待っている♂でしょう。体長は約2.3mm。Acroclisoides は以前のブログで何度か出していて、その中で今回の種のように翅に斑紋のある種はこちらこちらですが、斑紋の形は後者に似ています。同種かどうかは分かりません。12年前の記事にいただいたコメントではこの属は日本に2、3種いるが未記録、ということでした。現在はどうなっているのか知りません。別種の Acroclisoides がカメムシ卵から羽化してくる様子はこちらに出しています。






(2022.07.30・明石公園)

2022年7月28日木曜日

オフリディウム(Ophrydium sp.)の球状群体

 オフリディウム(Ophrydium sp.)の群体はこのブログでも一度出していますが、今回なかなか見事な群体を見つけたので再登場です。水に落ちた何かの花の蕊の上に成長していて、細胞が伸びている時は直径1mm以上の大きさになります。こういう厚みのある対象を観察する際はスライドとカバーガラスの間の隙間をどれくらいとるかが悩みどころですが、今回は約0.7mm厚のプラスチック板を挟んで撮影しました。群体を圧し潰さず、しかしある程度は圧縮して高倍率の対物も使えるくらいの厚みです。

オフリディウムはツリガネムシの仲間の繊毛虫です。

以上は暗視野照明、以下は微分干渉です。細胞の基部は透明のゲル状物質に覆われていますが、なんとなくもやもやしているのが見えるだけで境い目はよく分かりません。




動画です。


(2022.06.14・明石公園 桜堀にて採集)

2022年7月25日月曜日

アファニゾメノン(Aphanizomenon flos-aquae)

 アファニゾメノン(Aphanizomenon )はアオコの原因となる藍藻の一つで、いつもの公園の池でも度々大量に発生します。以前のブログにも一度 Aphanizomenon sp. として出していますが、おそらく世界中に分布すると言う Aphanizomenon flos-aquae だと思います。糸状藻の切れ端を束にしたような群体ですが、束の中でそれぞれの切れ端が長軸に沿って常にゆっくりと前後に動いているので、全体の形も徐々に変わっていきます。

こんな形の群体が浮遊しています。

重なり合った群体をカバーガラスで圧し拡げてみました。

細胞列の所々に黒っぽく見えるのは異質細胞で、窒素固定の役割を担っているそうです。

上の2・3枚目は微分干渉画像で、背景光でホワイトバランスをとっていますが、次の動画では明視野照明時のホワイトバランスでそのまま撮影しています。どちらにしても通常の明・暗視野照明で見る色とは全く違っていてどちらが正しいというものでもありませんが、いつもどうしたものかと迷ってしまいます。



(2022.06.28・明石公園の池にて採集)