2022年11月17日木曜日

ヒメコバチ科の一種(?Chrysocharis sp.)

 体長1.2mmほどの、背面が青緑色に輝くきれいなハチです。ヒメコバチ科 Eulophidae で、こちらこちらと同じ Chrysocharis 属ではないかと思いますが、このように胸部側面が黄色いものは初めてなので、別属なのかも知れません。アカメガシワの葉裏でじっとしていましたが、採集してスタック撮影もしておきました。





以下深度合成。








(2022.11.08・明石公園)

2022年11月16日水曜日

ササキリ♀

 アラカシの葉に乗っていた♀のササキリです。さすがに気温が下がってきたせいか、逃げずに撮らせてくれました。♀は10年前にも一度出していますが、その時のものは茶色っぽい体色で、今回は普通の緑色系です。

長い触角です。

体長約18mm、翅端まで25mm。

正面から撮ろうとすると葉の裏にまわってしまいました。

(2022.11.16・明石公園)

2022年11月14日月曜日

アシブトコバチ科の一種(Epitranus sp.)

 これもアラカシの葉裏にとまっていた、アシブトコバチの一種です。見つけた時後脚を拡げてお尻をぶら下げた独特の姿勢だったので一瞬ゴミかと思いましたが、葉を裏返して撮り始めると普通のハチの形になりました。
以前のブログの2014年10月11日の記事で Epitranus albipennis(ハネジロアシブトコバチ)としたものと同じだろうと思いますが、やはりこの種ではないかとした2012年11月 9日の記事の個体とは、深度合成画像を比べると微妙な違いがあるように見えます。分からなくなってきたのであらためて検索してみると、ベトナムのアシブトコバチ科に関する論文が見つかりました(こちら)。その中に Epitranus albipennis も取り上げられていて、検索表は手に負えないのでとりあえず標本画像で分かる部分だけ比べてみると、先の二つの記事や今回撮影した個体より腹柄がかなり短く、どうも別種のように見えます。実は2014年の記事で E. albipennis だろうと教えて下さったezo-aphidさんのコメントにも「腹柄の長さは、Gaster(腹柄を除く腹部)の長さの1/2ほど」とあったのが画像と合わない気がしていたのですが、測り方の違いくらいに考えていたのでした。いずれにしても以前の記事と今回の種も含めてすべて Epitranus 属であることは確かだと思うので、タイトルは Epitranus sp.としておきます。
ところで、九大のMOKUROKUには Epitranus 属の国内産3種が挙げられています。そのうち E. albipennis(ハネジロ)とE.erythrogaster が先のベトナム産の論文にも登場し、標本画像も掲載されていて、残りの E.shirakii は農業環境技術研究所 標本館所蔵タイプ標本でホロタイプの画像が見られます。以上3種の中で今回撮影した深度合成画像と見比べて腹柄の長さなど一番近そうなのはベトナムの E.erythrogaster ですが、はっきり異なる部分もあって、結局3種のどれとも一致しません。おそらく多数の未記載種が存在するのではないかと思います。

まずは生時の写真。




以下、深度合成画像です。









(2022.11.04・明石公園にて採集)

2022年11月11日金曜日

タマバチの一種

 アラカシの葉裏にいたタマバチの一種です。タマバチ科 Cynipidae だと思いますが、違うかも知れません。カラフルな色をしたものも多いコバチ類と違って、タマバチの仲間は黒一色かせいぜい少し赤っぽいくらいのものがほとんどで体形も変化に乏しく、どうにも掴みどころがありません。これも持ち帰ってスタック撮影しました。




以下深度合成です。



時間がなくて一方向から倍率を変えて撮っただけに終わりました。

(2022.11.04・明石公園)


2022年11月9日水曜日

カタビロコバチ科の一種

 イヌビワの葉裏にいたカタビロコバチ科 Eurytomidae の一種です。こちらに似ているかと思ったのですが、前翅に黒い縁紋が無いので別種、おそらく別属でしょう。




採集してスタック撮影しました。

こちらと同じように、死ぬとこんなふうに背中を丸めてしまうのはこの科の特性でしょうか。反対にナガコバチ科は死ぬと反り返ってしまいますが、おそらくそれぞれの体の構造を反映しているということでしょう。



(2022.11.04・明石公園)


2022年11月7日月曜日

トゲキジラミ

 アラカシの葉の裏に、ポツンと1匹だけトゲキジラミ Togepsylla matsumurana がいました。この公園では10年以上も前にアベマキの葉裏で、やはり1匹だけ見つけていて、その時以来です。食餌植物とされるクスノキ科のシロダモやアブラチャン、クロモジなどはこの場所にはないと思っているのですが、なにぶん植物には疎いのでどこかで発生しているのを見落としているのかも知れません。別の場所のシロダモでの発生状況はこちらにあります。面白い姿をしたキジラミなので、今回は持ち帰ってスタック撮影しました。







(2022.11.04・明石公園)

ミズムシ科の幼虫(深度合成)

 プランクトン観察のために採ってきたサンプルの中を泳ぎ回っていたミズムシ科 Corixidae の幼虫です。実は同様の幼虫を以前のブログでマツモムシ科として出していたのですが、あらためて調べてみた結果頭部や前脚の形からミズムシ科と判断しました。活発に動き回るのをカバーガラスで軽く押さえ、動きの止まった間を見計らってピントノブを回しながら連写モードでスタック撮影しています。




(2022.11.01・神戸市西区伊川にて採集)