2023年5月31日水曜日

エビヅルのブドウハマチョッキリ

 花壇の周りの柵にエビヅルが絡んでいて、そこにブドウハマチョッキリ Aspidobyctiscus lacunipennis が集まっていました。

製作中かすでに完成しているのか分かりませんが、揺籃の上にいた2匹。

雌雄が仲良く、と思いながら撮ったのですが、写真をよく見ると大きさは違うもののどちらも♀です。

大きい方が揺籃の隙間に頭を突っ込んでいます。

入れ替わって、今度は小さい方が入っていきます。何をしているんでしょうか。

別の葉で。葉を巻いている♀と、♂が2匹の三角関係。

争う2匹の♂。前胸の両側に棘があるので♂だと分かります。

そんな騒ぎをよそに、一人葉を齧っている♂。

モモチョッキリなんかと比べると地味ですが、この渋い輝きも魅力的です。

食餌に夢中で、嫌がらずにお顔も撮らせてくれました。

(2023.05.25・明石公園)

2023年5月30日火曜日

マガリケムシヒキと獲物

獲物を捕えたマガリケムシヒキ Neoitamus angusticornis 2態。

マガリケムシヒキ♂を捕えたマガリケムシヒキ♂。同種だと分かっているのかどうか、ムシヒキアブでは共喰いもときどき見ます。

お尻の先が細長く伸びているのは♀です。獲物はヒロクチバエの一種(ヒゲナガヒロクチバエ?)。

 近所の公園で見られるムシヒキアブの中で、大型のシオヤアブやアオメアブが開けた場所を好むのに対してこのマガリケムシヒキはやや薄暗い、木陰の多いところで見られることが多いようです。

(2023.05.24/27・明石公園)

2023年5月29日月曜日

ツマグロハギカスミカメ

 これは以前、トウネズミモチに産卵している場面を掲載したものと同じ種でしょう。その記事ではツヤマルカスミカメ属の一種(Apolygus sp.)としましたが、体色の特徴からツマグロハギカスミカメ Apolygus subpulchellus の可能性が高そうなので、今回はその種名をタイトルにしました。日本原色カメムシ図鑑Ⅱの説明によれば、同属のウスイロツヤマルカスミカメ(ハギメクラガメ)A. pulchellus と酷似していて正確な同定には♂交尾器の検鏡が必要な場合があるが、通常ウスイロの小楯板は明るい白色で、後腿節と腹部がほとんど赤みを帯びないことで区別できる、とあります。

今回はアラカシの葉の上にいました。小楯板は大部分が淡褐色です。

少し歩き回った後、身づくろいをはじめました。頭から翅端まで4.3mmくらいです。

後脚で頭を掻く動作は犬と同じですね。
前回の記事の個体に比べると後腿節と腹部の赤色部が狭いようですが、同種の個体変異だと思います。

(2023.05.10・明石公園)

2023年5月28日日曜日

アラカシの幹のケクダアブラムシの一種(Greenidea nigra)

 4月の末のことですが、毎年ダルマカメムシが見られるので注意しているアラカシの幹を、ケクダアブラムシの一種が歩いているのを見つけました。探せば、同じ木の幹の周りのあちこちで幼虫が、また1匹だけですが有翅成虫も。約2週間後に立ち寄ったときにもやはり幼虫・有翅成虫がいましたが、同じ木の枝や葉、周囲のひこばえからは見つかりませんでした。
ケクダアブラムシの仲間は以前のブログで5種掲載していて、他と区別しやすいカシケクダアブラムシ以外の4種については、有難いことに研究者の杉本さんからそれぞれの種名や特徴を教えていただきました。その中でアラカシをホストにしているのは Greenidea nigra という種のみで、画像を比較してもこの種に間違いなさそうです。ただ、前回の記事は11月にアラカシの枝に集まっていたもので、多数の幼虫に混じってお腹の大きな無翅成虫がたくさんいました。上記4種のうち他の3種は「アブラムシ入門図鑑」に掲載されていますが、いずれも周年同じ植物で暮らし、卵越冬、とあります。この Greenidea nigra も同様であれば、今回アラカシの幹で見たものは越冬卵から孵化した最初の世代で、これから新梢に移動していくところなのかも知れません。

有翅幼虫。体長約3.5mm。

こちらの幼虫は体長約2.5mm。

この日1匹だけ見た有翅成虫。歩き回っていたのでちょっとピンボケです。体長約3.5mm。

約2週間後には有翅成虫がだいぶ増えていました。

羽化したばかりのもいました。

約8分後。

2mmほどの若齢幼虫もいました。

(2023.04.28/05.09・明石公園)

2023年5月27日土曜日

初見のきれいなチョバウエ

 アラカシの幹にとまっていたチョウバエです。初めて見る種ですが、先日出したもの(?Lepiseodina)に似ていて、近縁な種かも知れません。

それにしても白黒の翅に青く輝く縁毛、頭部を囲む黄色い毛と、チョウバエの仲間にこんなに色鮮やかな種が存在するとは知りませんでした。頭から翅の先まで約4mmです。


縁毛の青色は構造色のようで、光の当たり具合によって変化します。


チョウバエの仲間は、なかなか顔を見せてくれません。

(2023.05.11・明石公園)

2023年5月26日金曜日

アラカシの葉に集まる Trichromothrips elegans

 今年も例年通り、この美しいアザミウマ Trichromothrips elegans が姿を見せました。アオキでの発生が確認されているそうですが、この公園では毎年5月の中頃、様々な広葉樹の葉で成虫が発見されます。まだ幼虫を見たことがないのですが、気がついた時には成虫がそこいらじゅうの木の葉についているといった具合で、確かにアオキでも見られますが、発生源はそれだけではないような気がしています。中でも特にアラカシに多く、この日も多い木では1枚の葉に10匹以上集まっているのが見られました。

他の多くの微小な虫と同じく普通は葉の裏にいるのものですが、なぜか表にも多数出てきていました。

葉の表面に溜まった水滴にも集まっていました。

アブラムシの落とした甘露か、二日ほど前に降った雨の名残か、よく分かりません。

このアザミウマをはじめて撮影したのが2016年の5月、やはりこの公園でした。それ以来すっかりお馴染みになってしまいましたが、先に書いたように未だに幼虫を見ていません。成虫の数がこれほど多いことを考えると、全く別の場所か、同じ木でも葉ではなく別の部位で幼虫時代を過ごしているのではないかと想像しています。

(2023.05.11・明石公園)


2023年5月25日木曜日

トビモンオオエダシャク中齢幼虫

 アラカシのひこばえの枝をトビモンオオエダシャク Biston robusta の幼虫が歩いていました。

周りの枝が邪魔になってうまく撮れず。

ウロウロしているうちに枝を揺らしてしまい、この格好で固まってしまいました。体長は約40mm。中齢くらいでしょうか。

動かないのを幸い、お顔を撮らせてもらいました。未だに廃れないピースサインみたい。ちょっと指の数が多いですが。

(2023.05.11・明石公園)