アカメガシワの葉の上にいた小さなゾウムシです。はじめ花外蜜腺を吸っているように見えたのですが、レンズを近づけると裏に回りこんでしまいました。体長約2.8mmです。
保育社の甲虫図鑑で調べるとヒメゾウムシ亜科のどこかに入りそうなのですが、特徴が一致する種が見つかりません。そこで多少とも似ている種名でネットを検索していると、いくつかのサイトでカナムグラヒメゾウムシ Psilarthroides czerskyi という、有力候補になりそうな種が紹介されていました。こちらやこちらの標本写真を見ても違いが見つかりません。食草のカナムグラはこの場所でも少なくないし、大きさや分布情報から見てもこの種で間違いないでしょう。上記甲虫図鑑では Psilarthroides 属が亜科の検索表にだけ登場しますが、それに含まれる種は収録されていませんでした。
2023年6月29日木曜日
カナムグラヒメゾウムシ
2023年6月28日水曜日
イヌビワハマキモドキ
アカメガシワの葉にとまっていたイヌビワハマキモドキ Choreutis japonica です。近づくとすぐに逃げることが多くアップでは撮りにくい蛾ですが、この時はしばらくじっとしていてくれました。きれいな模様ですが、11年前の写真と比べると微妙に違います。
2023年6月27日火曜日
フタイロチビジョウカイ
これは以前のブログで種不明のジョウカイボン科の一種として出したものと同じ種だと思います。その記事には当時、Minoru-Tさんからフタイロチビジョウカイではないかとのコメントをいただいたのですが、同種については手元の甲虫図鑑にもごく小さな写真と簡単な説明しかなく、ネット上にも種を特定できそうな情報が見つからなかったので、タイトルはそのままにしていました。しかし今回改めて探してみると、こちらやこちらの資料が見つかり、どちらにも同種の標本画像が載せられています。それらと見比べた結果、前回の記事の個体も今回の個体も、4年前にMinoru-Tさんからいただいたコメントのとおりフタイロチビジョウカイ Malthinellus bicolor で間違いないと判断しました。
2023年6月26日月曜日
2023年6月25日日曜日
ヒメガマのガマキスイ
若いガマの穂(詳しい方に訊くとヒメガマだそうです)に小さな甲虫が集まっていました。苞の隙間にも入りこんで、交尾中のペアも多く、また♀は花穂に産卵しているように見えます。
キスイムシ科と見当をつけてネット検索すると一発でそれらしいのが出てきました。ガマにつくガマキスイ Telmatophilus orientalis Sasaji,1987. です。ところが確認のために開いた保育社の甲虫図鑑にはその名がありません。1985年の発行時にはまだ記載されていなかったのです。しかしキスイムシ科の属の検索表にはTelmatophilus 属への言及があり、函館から記録されているT.typhae という種が紹介されていました。
図鑑の検索表には Telmatophilus 属(Telmatophilinae 亜科)は「跗節第2、第3節は下前方に葉片状に伸長する」とあります。ちょっとわかりにくい説明ですが、多数のボツ写真の中に跗節の様子が分かるカットがあって、それを見て納得しました(最後の写真)。九大の目録には同属からT. orientalis とT. typhae の2種しか載っていないので、これで同定はほぼ間違いないと思います。こういうこともあるので、毎度大量に生産されるピンボケ写真もすぐに捨ててしまうわけにはいきません。
2023年6月24日土曜日
アオガネヒメサルハムシの雌雄
ノイバラの花の中で、小さなハムシが花粉を食べていました。アオガネヒメサルハムシ Nodina chalcosoma だと思います。保育社の甲虫図鑑には食草はノブドウ・テリハノイバラ・ノボタンなど、とあるので、普通のノイバラにいてもおかしくはないでしょう。体長は2~2.5mmくらいです。
2023年6月23日金曜日
クロハナボタル
コナラの葉の裏で交尾していた黒いベニボタル。こういう甲虫は葉にふれた途端ポロリと落ちたり飛んで行ってしまったりということがほとんどですが、交尾に夢中だったのか、葉をそっと引き下ろして撮影する間なんとか逃げずにいてくれました。クロハナボタル Plateros coracinus だと思います。
Plateros 属には同じように黒くてよく似た種が何種かあって、保育社の甲虫図鑑の検索表を辿ると本種かウスグロハナボタル P. nozirianus のどちらかになるのですが、両者の区別点は交尾器の形状しか記されていません。しかしウスグロの方は分布域も狭く普通種でもないようなので、ここではクロハナボタルとしておきます。