2023年8月2日水曜日

アオマツムシの幼虫

 イタドリの葉の上にいたアオマツムシ Truljalia hibinonis の幼虫です。
レンズを近づけるとうろうろと逃げ回るのですが、あまり遠くにも行かず、ときどき立ち止まっては触角のお手入れをしていました。





(2023.07.24・舞子墓園)


アケビコノハの幼虫とヒメコバチ科 Euplectrus sp.

 * 2023.08.03・追記 *

明石の蛾達」のYAMKENさんから、この幼虫は終齢ではなく亜終齢だろうというご指摘のメールをいただきました。ご本人の許可を得て次に転載させていただきます。

>幼虫は終齢ではなく亜終齢で脱皮のために眠状態にいるものと思われます。理由として、頭と第一胸節との境のくびれが非常に深くなっていることです。新しく大きくなる頭が古い頭から抜けて第一胸節内で育つことからこのような状態になります。これに伴って新しい胸節も胸脚を伴い後方へずれます。頭と同じように硬く同じ齢の間は大きさを変えられない部分は古いものから抜け出て大きくなれるスペースが必要なのです。これを物語っているのが3組の胸脚の先端が揃って頭方向に向いて並んでいることです。但し、胸脚については通常時でもこのようにする種もいるので総合的にみて判断する必要があります。<

ご指摘をいただいてネット上のたくさんの画像と見比べると、確かに下の画像では頭部のすぐ後ろのくびれが目立ちます。YAMKENさん、ありがとうございました。

園路わきの金網の間から延びたミツバアケビの蔓に、アケビコノハ Eudocima tyrannus の幼虫がぶら下がっていました。この姿勢なので体長の見積もりは難しいですが、1枚目の画面左右が43mmほどですから、50mmは超えていると思います。おそらく終齢でしょう。
木陰の薄暗い場所だったのでカメラブレで苦労しましたが、帰宅後パソコンのモニタで確認して驚きました。幼虫に、撮影時には気づかなかった小さなコバチが乗っています。ヒメコバチ科 Euplectrus 属の一種のようです。こちらのようにガの幼虫に寄生する種ですが、これまでこんなに大型の幼虫に寄生している場面を見たことがありませんでした。実際に産卵行動をしていたのかどうか分かりませんが、撮影時にもっと注意して見ていたらと、後の祭りながら悔やんでいます。



2枚目からの一部拡大です。

(2023.07.24・舞子墓園)

2023年7月31日月曜日

ウロレプタス

 このウロレプタス(Uroleptus sp.)は二度目の登場ですが、前回は通常の明視野照明の画像だったので今回は微分干渉で撮影しました。池の水を底の泥と一緒に採ってくるとよく見つかる繊毛虫で、ゾウリムシを細長くしたくらいの大きさ。動きが非常に速くてほとんど静止することがなく、撮影にはいつも苦労します。かといって封入する水を減らして動きを抑えようとするとすぐに弱って死んでしまうので、厚めの水で封入し、カバーガラス下面に腹面を接して動くタイミングを狙って撮影しました。





(2023.07.19・明石公園の池で採集)

2023年7月29日土曜日

ヒメシロモンドクガの幼虫

 ネジキの葉の上に乗っていたヒメシロモンドクガ Orgyia thyellina の幼虫です。中齢で、体長は約18mm。見るからに毒々しい見かけに反して毒は無いとされていまが、触れると何らかの症状が出る場合もあるそうなので、手を出さぬ方が無難でしょう。
全身長い毛に覆われていますが、色や形の変化に富んでいて、じっくり見るとなかなか面白いものです。それぞれに違った役割があるんでしょうか。
30年近くも前に撮った成虫をこちらに出しています。










(2023.07.24・舞子墓園)

2023年7月28日金曜日

アオバハゴロモの羽化

 アオバハゴロモ Geisha distinctissima の羽化は以前のブログでも一度掲載していて、これで2度めです。ちょうど10年ぶりですが、見比べると前回とほとんど同じような写真になってしまいました。

何気なく裏返したトウネズミモチの葉の裏で羽化していました。すでに翅が伸びはじめていて、もっと早く見つけられなかったのが残念です。





1枚目から葯16分で、翅がほぼ伸びきりました。

(2023.07.24・舞子墓園)

2023年7月27日木曜日

久しぶりに見たシリアゲコバチの産卵

 久しぶりにシリアゲコバチ Leucospis sinensis の産卵を撮影しました。
立ち枯れたモチノキに1匹の♀が来て、いかにも産卵場所を探す風情で、腹部を上下させながら幹を行ったり来たりしていました。そのうち産卵行動に移るだろうとしばらく見守っていたのですが、一向に産卵管を伸ばす様子が見られません。その日はあきらめ、翌日出直してようやく産卵を見ることが出来ました。

ちょうど産卵管を突き立てたところです。

ここまで穿孔するのに約8分。ところがこの直後、やはり産卵場所を探して上の方から降りてきたヨツスジトラカミキリに驚き、産卵管を引き抜いて飛び去ってしまいました。

しかし1分もしないうちに同じ場所に戻って来て、触角で探っています。

間もなく、再び産卵管を引き出しました。

以前のブログにも連続写真を出していますが、背中に背負っていた産卵管をぐるりと4分の3回転させて幹に突き立てるところは見ものです。


姿勢は逆向きですが、さきほど穿孔を中断した場所を正確に探り当てたようです。

ほんの数秒でここまで挿入しました。

2度めの穿孔をはじめて約6分。

ここまで約10分。

約17分後。これで目いっぱいでしょうか、腹部が穿孔をはじめる時とは逆方向に折れ曲がっています。

そのすぐ後、産卵管を引き抜きました。今度は無事、目当ての寄主に産卵することが出来たんでしょうか。

(2023.07.21・明石公園)

2023年7月26日水曜日

シベリアカタアリ・女王とワーカーたち

 細い丸太を組んだ柵の上で、シベリアカタアリ Dolichoderus sibiricus が一カ所に集まっているので近寄ってみると、女王らしき大きな個体を何匹ものワーカーがよってたかって押さえつけているところでした。ワーカーたちは女王の脚や頭に噛みついて、ほとんど攻撃しているようにも見えます。
同じような情景は以前にも見たことがあって、巣の引っ越しか何かの事情で女王を移動させようとしているのかとも想像しましたが、実のところ全く意味が理解できません。


よく見ると、同僚の触角を引っ張っているワーカーもいます。

見ている間に女王を取り巻く一団は少し右へ移動しましたが、なぜか一部のワーカーは元の場所にとどまっています。



この状態がしばらく続くのだろうと予想していましたが、少し目を離した間に、まとわりついたワーカーごと女王の姿は消えていました。

(2023.07.21・明石公園)