2023年8月15日火曜日

ウスグモスズ

 先日そらさんのところにも登場したウスグモスズ Amusurugus genji です。モチノキの幹にたくさんいましたが、そらさんも書いておられたようにとても地味で目立たない虫なので、日陰の樹幹になどにいるのは注意して見ていないと気がつきません。個体数はかなり多いはずですが、なぜか昨年はほとんど見かけなかったように思います。年により変動が大きいのかも知れません。

触角が長くて細いので、薄暗い場所ではファインダーを覗いていてもどこまで伸びているのよく見えません。

産卵管がないので♂だと分かりますが、発声器官がないので翅をみても雌雄の区別がつきません。

翅の短い♂です。

♀もいました。

これも別個体ですが、雌雄の別は確認していません。ただ以前に撮りくらべてみたところでは、♂も♀も顔立ちに特に違いはないようです。

触角のお手入れ。

とげとげの脚。

(2023.08.12・明石公園)

2023年8月13日日曜日

キバラヘリカメムシ 成虫・卵・孵化幼虫

 久しぶりにキバラヘリカメムシがたくさん集まっているとの情報を貰って、公園のニシキギを見に行きました。

知らせを受けてから2,3日過ぎていたせいか数は多くなかったものの、ニシキギの果実を吸汁している成虫がちらほら。

卵も数カ所で見つかりました。

長さ1.3mm前後の美しい卵です。孵化の際は色の薄い側に穴を開けて出てくるんだろうと思います。

8日後に見に行くと、卵塊の一つで孵化が始まっていました。

1齢幼虫は体長2.3mm前後。この卵殻から出てきたとは思えない大きさなのは、こちらこちらと同じです。

上の写真にもちょっと写っていますが、他に比べて小型の幼虫が何匹か混じっていました。頭部や胸部、脚や触角は周りの連中とあまり変わらず、腹部だけ委縮したように見えます。

腹部の大きさが中間的な個体も見えるので、もしかしたら孵化後、葉からの吸汁によって腹部が膨らんでいく途中なのかとも思われます。卵殻から出てくる段階から観察できれば確認できることですが、そういう機会にはなかなか恵まれません。
2年前にマサキで見た2齢幼虫や、2齢への脱皮の様子はこちら、羽化はこちらに出しています。

(2023.08.04,08.12・明石公園)


2023年8月6日日曜日

オダカグモの子どもたち

 先日出したばかりのオダカグモですが、産卵の季節に入ったようで、あちこちの葉裏で卵嚢を守る母グモの姿が見られました。その様子は以前にも出しているので、今回の写真はイスノキの葉裏で早々に孵化していた子グモたちと母グモです。

卵嚢の名残りが見えませんが、脱落したんでしょうか。子グモもすでにある程度分散してしまったようで、孵化後だいぶ時間が経っているのかも知れません


母グモは、警戒すると体を横倒しにしてしまいます。


子グモの体長は0.8mm前後で、独特の腹部の形もまだ現れていません。

(2023.08.04・明石公園)


2023年8月2日水曜日

アオマツムシの幼虫

 イタドリの葉の上にいたアオマツムシ Truljalia hibinonis の幼虫です。
レンズを近づけるとうろうろと逃げ回るのですが、あまり遠くにも行かず、ときどき立ち止まっては触角のお手入れをしていました。





(2023.07.24・舞子墓園)


アケビコノハの幼虫とヒメコバチ科 Euplectrus sp.

 * 2023.08.03・追記 *

明石の蛾達」のYAMKENさんから、この幼虫は終齢ではなく亜終齢だろうというご指摘のメールをいただきました。ご本人の許可を得て次に転載させていただきます。

>幼虫は終齢ではなく亜終齢で脱皮のために眠状態にいるものと思われます。理由として、頭と第一胸節との境のくびれが非常に深くなっていることです。新しく大きくなる頭が古い頭から抜けて第一胸節内で育つことからこのような状態になります。これに伴って新しい胸節も胸脚を伴い後方へずれます。頭と同じように硬く同じ齢の間は大きさを変えられない部分は古いものから抜け出て大きくなれるスペースが必要なのです。これを物語っているのが3組の胸脚の先端が揃って頭方向に向いて並んでいることです。但し、胸脚については通常時でもこのようにする種もいるので総合的にみて判断する必要があります。<

ご指摘をいただいてネット上のたくさんの画像と見比べると、確かに下の画像では頭部のすぐ後ろのくびれが目立ちます。YAMKENさん、ありがとうございました。

園路わきの金網の間から延びたミツバアケビの蔓に、アケビコノハ Eudocima tyrannus の幼虫がぶら下がっていました。この姿勢なので体長の見積もりは難しいですが、1枚目の画面左右が43mmほどですから、50mmは超えていると思います。おそらく終齢でしょう。
木陰の薄暗い場所だったのでカメラブレで苦労しましたが、帰宅後パソコンのモニタで確認して驚きました。幼虫に、撮影時には気づかなかった小さなコバチが乗っています。ヒメコバチ科 Euplectrus 属の一種のようです。こちらのようにガの幼虫に寄生する種ですが、これまでこんなに大型の幼虫に寄生している場面を見たことがありませんでした。実際に産卵行動をしていたのかどうか分かりませんが、撮影時にもっと注意して見ていたらと、後の祭りながら悔やんでいます。



2枚目からの一部拡大です。

(2023.07.24・舞子墓園)

2023年7月31日月曜日

ウロレプタス

 このウロレプタス(Uroleptus sp.)は二度目の登場ですが、前回は通常の明視野照明の画像だったので今回は微分干渉で撮影しました。池の水を底の泥と一緒に採ってくるとよく見つかる繊毛虫で、ゾウリムシを細長くしたくらいの大きさ。動きが非常に速くてほとんど静止することがなく、撮影にはいつも苦労します。かといって封入する水を減らして動きを抑えようとするとすぐに弱って死んでしまうので、厚めの水で封入し、カバーガラス下面に腹面を接して動くタイミングを狙って撮影しました。





(2023.07.19・明石公園の池で採集)

2023年7月29日土曜日

ヒメシロモンドクガの幼虫

 ネジキの葉の上に乗っていたヒメシロモンドクガ Orgyia thyellina の幼虫です。中齢で、体長は約18mm。見るからに毒々しい見かけに反して毒は無いとされていまが、触れると何らかの症状が出る場合もあるそうなので、手を出さぬ方が無難でしょう。
全身長い毛に覆われていますが、色や形の変化に富んでいて、じっくり見るとなかなか面白いものです。それぞれに違った役割があるんでしょうか。
30年近くも前に撮った成虫をこちらに出しています。










(2023.07.24・舞子墓園)