2023年8月25日金曜日

ウチワミミズ属の一種?(?Dero sp.)

 池の水を底の泥や水草などと一緒に掬うとよく入ってくる、ミズミミズ(Naididae)の一種です。普段ワムシや原生動物に気をとられてこういう巨大な奴は無視していることが多いのですが、他に面白いものも見つからないので拾い上げて撮影してみました。後端部に手のひらのような鰓突起があるのでウチワミミズ属(Dero)ではないかと思っていますが、よく似たスエヒロミミズ属(Aulophorus)というのもあるそうなのでそっちの方かも知れません。

これはカバーガラスの下に厚さ0.7mmほどのスペーサーを挟んで閉じ込めたもの。空間に少し余裕があるので跳ね回るように激しく運動します。2Xの対物レンズですが、体長が15mmほどもあるのでこんなふうに円くなった瞬間を捉えないと画面に収まりません。

動画です。


次は別個体。

今度はスペーサーを0.3mm厚のものに替えて動きを抑えています。

頭部です。


後端部の鰓突起。

後端から1/3くらいのところまでの体節から長い毛が生えています。


動画をもう1本。


(2023.08.08・明石公園の池で採集)


2023年8月22日火曜日

ネコゼミジンコの一種(Ceriodaphnia sp.)

 台風一過の後も相変わらずの猛暑が続いております。
ここいらで涼しげに泳ぐミジンコたちでもご覧ください。

殻をおおう亀甲模様のせいか、一部では人気があるようで、特に海外サイトではこのミジンコの美しい深度合成画像をよく目にします。



動画です。



(2023.08.08・明石公園の池にて採集)

2023年8月18日金曜日

アシナガオニゾウムシを狙うヨコヅナサシガメ幼虫

 ヤノトラカミキリがいると言って虫仲間に案内して貰ったエノキの幹で見た光景。
ヨコヅナサシガメの若齢幼虫が、♀のアシナガオニゾウムシの背中に口吻の先をつけていました。捕食中かと思ってよく見れば、口吻は刺さっているわけではなく、ゾウムシも何事もないように少しづつ移動しながら樹皮を齧っている様子です。やがてサシガメは、刺点を探すようにじわじわと口吻を動かして行き、ゾウムシのお尻のあたりまできましたが、隙が見つからないのか、攻撃に移りません。しばらく成り行きを見ていましたが、長期戦になりそうなのであきらめて引き揚げました。ゾウムシはサシガメに気づいていないのか、気づいていても脅威を感じないのか、どうなんでしょうか。そういえば以前にこんな光景を撮っていました。
因みに目当てのヤノトラカミキリは、頭上高い場所にいて降りてきてはくれませんでした。




(2023.08.12・明石公園)

2023年8月17日木曜日

葉の上に立つ蛾の蛹の抜け殻

 アメリカセンダングサの葉の先に、ハマキガ類でしょうか、小さな蛾の蛹の抜け殻が直立していました。足元の葉が2枚綴られているので、その間で蛹化していたんだろうと思いますが、その脱け殻がこんなふうに葉の上に突っ立っているのはちょっと奇妙です。蛹は自力で移動できないでしょうから、想像するに、羽化の際に半分身を乗り出した成虫が、蛹殻を引き摺ったまま葉の上に出てきたということでしょうか。機会があれば、一度羽化の様子を見たいものです。




(2023.08.12・明石公園)


2023年8月15日火曜日

ウスグモスズ

 先日そらさんのところにも登場したウスグモスズ Amusurugus genji です。モチノキの幹にたくさんいましたが、そらさんも書いておられたようにとても地味で目立たない虫なので、日陰の樹幹になどにいるのは注意して見ていないと気がつきません。個体数はかなり多いはずですが、なぜか昨年はほとんど見かけなかったように思います。年により変動が大きいのかも知れません。

触角が長くて細いので、薄暗い場所ではファインダーを覗いていてもどこまで伸びているのよく見えません。

産卵管がないので♂だと分かりますが、発声器官がないので翅をみても雌雄の区別がつきません。

翅の短い♂です。

♀もいました。

これも別個体ですが、雌雄の別は確認していません。ただ以前に撮りくらべてみたところでは、♂も♀も顔立ちに特に違いはないようです。

触角のお手入れ。

とげとげの脚。

(2023.08.12・明石公園)

2023年8月13日日曜日

キバラヘリカメムシ 成虫・卵・孵化幼虫

 久しぶりにキバラヘリカメムシがたくさん集まっているとの情報を貰って、公園のニシキギを見に行きました。

知らせを受けてから2,3日過ぎていたせいか数は多くなかったものの、ニシキギの果実を吸汁している成虫がちらほら。

卵も数カ所で見つかりました。

長さ1.3mm前後の美しい卵です。孵化の際は色の薄い側に穴を開けて出てくるんだろうと思います。

8日後に見に行くと、卵塊の一つで孵化が始まっていました。

1齢幼虫は体長2.3mm前後。この卵殻から出てきたとは思えない大きさなのは、こちらこちらと同じです。

上の写真にもちょっと写っていますが、他に比べて小型の幼虫が何匹か混じっていました。頭部や胸部、脚や触角は周りの連中とあまり変わらず、腹部だけ委縮したように見えます。

腹部の大きさが中間的な個体も見えるので、もしかしたら孵化後、葉からの吸汁によって腹部が膨らんでいく途中なのかとも思われます。卵殻から出てくる段階から観察できれば確認できることですが、そういう機会にはなかなか恵まれません。
2年前にマサキで見た2齢幼虫や、2齢への脱皮の様子はこちら、羽化はこちらに出しています。

(2023.08.04,08.12・明石公園)


2023年8月6日日曜日

オダカグモの子どもたち

 先日出したばかりのオダカグモですが、産卵の季節に入ったようで、あちこちの葉裏で卵嚢を守る母グモの姿が見られました。その様子は以前にも出しているので、今回の写真はイスノキの葉裏で早々に孵化していた子グモたちと母グモです。

卵嚢の名残りが見えませんが、脱落したんでしょうか。子グモもすでにある程度分散してしまったようで、孵化後だいぶ時間が経っているのかも知れません


母グモは、警戒すると体を横倒しにしてしまいます。


子グモの体長は0.8mm前後で、独特の腹部の形もまだ現れていません。

(2023.08.04・明石公園)