2024年9月8日日曜日

コクロヒメテントウ

 センダングサの葉を裏返すと、小さなテントウムシのペアがいました。上翅の先にオレンジ色の部分が見えることや雌雄の顔面の色の違いなどから、普通種のコクロヒメテントウ Scymnus posticalis だと思います。検索すると以前のブログにも10年以上前に出していました。特徴的な姿の幼虫はこちらにあります。






(2024.09.03・明石公園)

2024年9月5日木曜日

キイトトンボ

 普段トンボやチョウを追いかけるということはまずしないのですが、たまたま目の前にとまったので撮らせてもらいました。キイトトンボ Ceriagrion melanurum です。

このように腹部が鮮やかな黄色で先端背面が黒いのは♂だそうです。

(2024.08.27・明石公園)


2024年9月4日水曜日

キマダラカメムシの産卵と孵化幼虫

 3年前にもほぼ同じものを出していますが、サクラの葉裏で産卵していたキマダラカメムシ Erthesina fullo です。1か月近く前に撮った写真です。

ここ数年で急速に増えてきた外来種で、この公園でもいたるところで見かけますが、ちょうど産卵中に出くわす機会はなかなかありません。

反対側から。残念ながら見つけた時にはほぼ予定の数を産み終えていたようで、まもなく立ち去ってしまいました。

これは別の日に見た、セイタカアワダチソウの葉裏で孵化した幼虫たち。このカメムシは卵を産み付ける植物をあまり選ばないようです。

(2024.08.10,07.25・明石公園)


2024年9月1日日曜日

ヒラアシキバチ♂の羽化

 エノキの立ち枯れに、ヨコヅナサシガメの幼虫が集まっていました。昨年8月にヒラアシキバチ Tremex longicollis の産卵、この7月にはそれに寄生するオナガバチ類の産卵を見てきたのと同じ木です。今年のヒラアシキバチの産卵は時期を逃して見られませんでしたが、幹に突き刺さったままの産卵管の残骸を見ると、かなりの数が産卵に集まってきていたようです。
幹には今年のものと思われる脱出口が多数開いていてますが、中を覗き込むとかなり高い割合で脱出できずに死んだキバチの頭が見えます。穴が開いた途端、脱出する間もなくサシガメ幼虫に襲われたものでしょう。まだあちこちで口吻を差し込んでいる幼虫が見られました。
その中で、まだ穴の開いていない場所にサシガメ幼虫が集まっているのを見つけました。おそらく樹皮のすぐ下に脱出間近のキバチがいるのを嗅ぎつけてそれを待ち構えているものと思われます。以前にも同じ状況を見たことがあったので、邪魔なサシガメたちを追い払い、キバチが出てくるのを待つことにしました。
過去の経験からそれほど時間はかからないだろうと楽観していたのが結局3時間以上、懲りずに何度も集まってくるサシガメ幼虫を追い払いながら枯木の前に立ち尽くすことになりましたが、その甲斐あって出てきたのはかなり稀といわれる♂個体でした。
ヒラアシキバチは単為生殖とされていて、以前にも脱出した♀がそのまま同じ枯木で産卵するのを見たことがあります。ごくまれに出現する♂は繁殖には貢献しないだろうということですが、今回の♂も、同じ木で育った♀は既に羽化・産卵を済ませているはずなので、相手を見つけることは難しいと思われます。

ヒラアシキバチの脱出口に集まるヨコヅナサシガメの幼虫たち。

キバチはとっくに残骸になっています。

やがて顔を出すはずの獲物を待ち受けるサシガメ幼虫たち。気の毒ですが退去してもらいました。

サシガメを追い払ってしばらく待っても一向に変化が見られないので、ついにしびれを切らし、ポケットナイフで樹皮を薄く削ってみました。予想通り行動が表面直下まで達していて、奥の方にハチの頭が見えます。

やがて出口付近まで上がってきて、大顎で坑道の周囲を噛み砕きはじめました。

間もなく顔を出すかと期待しましたが度々作業を中断して奥の方へ退却したり、長い休止を挟んだりして仕事は遅々として捗りません。

2時間半以上かけてようやく頭が出てきました。


ここまで来て、前脚がなかなか抜けません。


反対側から。

ようやく全半身が出ると、後は順調でした。

ちょっと止まって触角をしごいています。

この後、全身が抜け出す瞬間はあっという間で撮り逃しました。

坑道から脱出すると一休みもなくどんどん幹を上っていくので、手持ちのプラ容器に身柄を一時確保し、しばらくして落ち着いたところで再び幹に戻しました。

体長は約29mm。

ちょうど羽ばたいたので腹部の色が見えました。こちらの♀とはだいぶ違いがあります。

(2024.08.23・明石公園)



2024年8月27日火曜日

ツツゾウムシのペアが沢山

 アラカシの枯れ枝で、ツツゾウムシ Carcilia strigicollis のペアを見つけました。撮影しながら周りを探すと、同じ枝にまだ何組ものペアがいて、背中の♂と交尾しながら♀が口吻で樹皮に産卵用の穴を開けていたり、♂を背負ったまま産卵中の♀もいます。この公園ではあまり見ない種ですが、集まるところには集まるもんだと感心しました。

こちらの♀は産卵中です。林の中の非常に暗い場所で、思い切ってシャッター速度を遅くしたので盛大にブレてしまいました。

こちらも産卵中ですが、♂の方が大きいペアです。

こちらでは♀がせっせと樹皮に穴を開けています。

上と同じ。

こんなペアもいました。

(2024.07.25・明石公園)

2024年8月26日月曜日

コウヤツリアブ

 これも先月撮ったものです。樹種不明の切り株の周りを2匹のコウヤツリアブ Anthrax aygulus が飛び回っていました。ときどき1匹が切り株に着地するのですが、もう1匹が近づいてくるとすぐまた飛び上がってしまい、2匹が同時にとまることがありません。縄張り争いでもしているのか、あるいは雌雄で追いかけっこでもしているんでしょうか。
カリバチやハナバチに寄生するハエで、虫孔の開いた枯木などではよく見かける種ですが、当ブログでは初登場だと思います。

上と下、別個体です。


(2024.07.20・明石公園)

2024年8月24日土曜日

産卵するヤノトラカミキリ

 一か月以上も前に撮ったものです。半分枯れたエノキの幹で、ヤノトラカミキリ Xylotrechus yanoi が産卵していました。歩き回りながらあちこちで産卵管を差し込んでいくのですが、あまり低いところまでは降りてきてくれなかったので、写真は1枚だけです。
公園内で立ち枯れになった樹木は倒れたり枝が落ちたりすると危険なので、多くはやがて伐採されることになります。エノキの枯れた幹にはいろいろな虫が集まってくるのでわれわれのような虫好きには貴重ですが、この木も来シーズンは姿を消しているかもしれません。


(2024.07.20・明石公園)