引き続き三木山です。何の木か確認し忘れましたが、その幹を歩いていたホンクロホシテントウゴミムシダマシ Derispia maculipennis です。普通種ですが、近所の公園にはいないので久しぶりの撮影でした。以前はただ(?)のクロホシテントウゴミムシダマシと呼ばれていたはずですが、いつの間にか頭に“ホン”がついていたようです。推測するに、国内の Derispia 属9種のうち本種以外の8種もすべて○○クロホシテントウゴミムシダマシという和名がついているし、“クロホシテントウゴミムシダマシ” は属の和名でもあるので、混同を避けるためでしょうか。そう言えば、子供の頃(半世紀以上前!)に買ってもらった図鑑ではオオスズメバチは単に“スズメバチ”で、ナミテントウは“テントウムシ”、ナミアゲハは“アゲハ”でした。
それはさておき、本種はこのあたりでもちょっと低山に入ると樹幹で普通に見つかりますが、地衣類などを食べているようです。同じ場所で暮らしている幼虫はこちらに出しています。
2025年5月4日日曜日
ホンクロホシテントウゴミムシダマシ
2025年5月3日土曜日
クロアシボソケバエ
引き続き三木山森林公園で撮った虫です。
何の木か忘れましたが、葉裏にとまっていた真っ黒のケバエです。ネット上には同種と思われる画像がクロアシボソケバエ Bibio holomaurus としてたくさん見られますが、おそらくよく似た種も多いだろうし、何か決め手があればと思って探すと、運よく「廊下のむし探検」でこの種が取り上げられていました。このブログでは毎回、採集した標本の各部の顕微鏡写真を示しながら、専門論文の検索表から同定のポイントを嚙み砕いて詳しく説明されていて、私のような素人には大変参考になります。今回撮影した写真をその記事に照らして調べてみると、いくつか確認できない部分は残りますが多くの特徴は一致しました。他に酷似種が存在しなければクロアシボソケバエとしてよいと思います。
2025年5月2日金曜日
コナラの葉裏で繭を紡ぐ不明幼虫
昨日の記事に続き三木山森林公園で見たガの幼虫です。
コナラの葉に黒っぽい影が見えるので裏がえしてみるとみると、繭を紡ぎはじめたばかりと思われる毛虫でした。ずいぶんずんぐりとした体形で、体長は1cmほどですが、これは蛹化に備えて平常時よりかなり前後に縮んだ状態なのではないかと思います。この体が長く伸びたところを想像しながら手持ちの図鑑やネット上の画像を探しましたが、今のところ一致するものが見つかりません。そのうちどこからか助け船が現れることを期待して、不明幼虫として出しておきます。
2025年5月1日木曜日
ヒメヤママユの中齢幼虫
先月に続いて、三木山森林公園での観察会に参加してきました。
このきれいな毛虫はネジキの葉裏についていたのですが、初めて見るものなのでなんだろうと思っていると同行の方が即座に「ヒメヤママユ(Caligula japonica)の幼虫です」と教えてくれました。成虫にもお目にかかったことはありませんが幼虫も初めてです。帰宅後調べてみるとかなり広食性の蛾のようなので、ネジキについていても不思議はないでしょう。これは2齢か3齢で、終齢ではほぼ緑一色になるようです。フラッシュの調子が悪くて何度も撮り直しをしている間に枝の方へ移動してしまいました。体長は約22mmです。
2025年4月30日水曜日
クヌギトゲマダラアブラムシとツヤコバチの一種
コナラのひこばえの、まだ柔らかい新葉を裏返してみると、白いアブラムシがたくさんついていました。他の葉を探すと黄色い有翅成虫も見つかり、背面に並んだ突起などの特徴から、クヌギトゲマダラアブラムシ Tuberculatus capitatus のようです。しばらく撮影していると、幼虫の周りを小さな黄色いハチが歩き回っているのに気がつきました。ツヤコバチの一種で、アブラムシに寄生する仲間でしょう。しきりに産卵の機会を狙っているように見えましたが、カメラで追い回したせいか産卵には至らず、やがて見失ってしまいました。アブラムシに寄生する黄色いツヤコバチは以前のブログでも2度出しています。こちらとこちらですが、前者によく似ているようで、あるいは同種かも知れません。
2025年4月27日日曜日
ニッケイトガリキジラミ・羽化の季節
アラカシのカシトガリキジラミにひと月ばかり遅れて、ヤブニッケイのニッケイトガリキジラミ Trioza vinnamomi が羽化の最盛期をむかえていました。カシトガリの場合は葉裏に寄生した幼虫が終齢まで成長しても葉の表側にはほとんど変化がなく、裏がえしてみないと存在がわかりませんが、こちらの方は寄生された葉には表面にいぼ状の突起、ニッケイハミャクイボフシという虫こぶが生じ、さらに幼虫の成長につれて葉の全体が丸まってくるので一目でわかります(こちらの記事)。この日はあちこちのヤブニッケイで羽化直後の成虫が多数見られましたが、残念ながらちょうど羽化の最中というのは見つかりませんでした。
羽化した成虫は間もなくヤブニッケイの新葉に産卵し、葉の表面には小さな虫こぶができはじめます(こちら)。
