腐朽した伐採木の樹皮をめくって見つけたイレコダニの仲間です。
ササラダニ類に属し、驚くと前体部を折り曲げボール状になることでこの名があるそうですが、イレコダニと名の付くものにはイレコダニ科・ヘソイレコダニ科・タテイレコダニ科などいくつかの科があって、今回の種がどの科に属するのかは分かりません。以前の記事の"その2"に似ているように見えますが、同種ではなさそうです。
2021年4月2日金曜日
イレコダニの一種
この状態で体長約0.7mmです。
後ろから見ると肛門板が少し覗いています。
2021年3月31日水曜日
2021年3月29日月曜日
越冬から目覚めたオオスズメバチ
この1月に越冬中のオオスズメバチを見つけたコナラの伐採木を憶えていたので、前回元に戻しておいた樹皮をそっと持ち上げてみると、まだ同じ姿勢で眠っています。安眠を妨げては気の毒なのですぐにまた樹皮を被せましたが、やはり起こしてしまったのか、その場でしばらく虫を探しているうちに大きな羽音とともに外に出てきました。そのまま飛び去るかと思えば、体温が上がるのを待っているのか出てきた場所でいつまでもうずくまっています。夏場にはあまり近づきたくない相手ですが、体長4cmもある女王バチは間近で見るとなかなかの貫禄です。
(2021.03.27・学が丘北公園)
2021年3月28日日曜日
赤いジムカデ
二つ折りになったキリの落ち葉をそっと拡げてみると、小さな赤いムカデが丸くなっていました。
ジムカデ目(Geophilomorpha)の一種で、以前に同じ場所で撮ったものと同種かも知れません。体長が測れるような状態では撮れませんでしたが、上の画像の長辺が約13mmなのでおおよそ20mmくらいでしょう。
すぐに歩き始めました。他のムカデ類のように素早い動きではないのですが小さいのでレンズで追いかけるのは大変です。
頭部のアップを撮ろうとしてピンボケを量産しました。ジムカデ類には眼がないそうです。
長い体の前部と中央部では随分太さに差があります。
やがて枯葉の破れ目を見つけて潜り込んでいきました。
マゼンタからオレンジへ、体色のグラデーションが美しいムカデです。
(2021.03.27・学が丘北公園)
2021年3月21日日曜日
2021年3月13日土曜日
光に集まるボルボックス
まだ3月のはじめというのに、いつもの公園の池ではすでにボルボックスがかなり増えています。先日の自作暗視野コンデンサのテストを兼ねて撮影してみました。
しばらく照明を消していた後で点けてみると、広く散らばっていたボルボックスが視野の中央に集まってきます。球の表面に同じタイプの細胞が等間隔で並んだだけの、前後も左右もないような群体が、光に向かって一方向に進んでいくのはちょっと不思議な感じがします。
使用した対物レンズはPlanApo 2X/0.08 で、画面長辺で約8.5mmの範囲が写っています。やはり周辺部の照度が落ちるのでそこを何とか改良したいのですが、なかなかうまく行きません。
使用した対物レンズはPlanApo 2X/0.08 で、画面長辺で約8.5mmの範囲が写っています。やはり周辺部の照度が落ちるのでそこを何とか改良したいのですが、なかなかうまく行きません。
(2021.03.12・明石公園 剛の池で採集)
2021年3月7日日曜日
暗視野コンデンサのお手軽工作
今回は気分を変えて顕微鏡関連の工作を一つ。
古い顕微鏡の本によく図の出ている、パラボロイド型というのを真似た反射式の暗視野コンデンサです。もともと2Xの対物の視野をカバーできるものが欲しくて作ったものですが、一応40X、NA=0.7のレンズでも使えます。こちらやこちらの写真や動画は最初の試作品での作例ですが、今回また新たに作り直しました。よく使用される、アッベコンデンサに中心絞りを入れたものに比べると効率が悪い(つまり暗い)のが難点ですが、眼視観察や動かないものの撮影なら問題ありません。材料費はコーヒー一杯分以下、難しい工作も必要ないので顕微鏡好きの方、コロナ自粛下の暇つぶしにいかがでしょうか。
部品はこれで全てです。凹面鏡は適当な位置で底を切り取って平らに仕上げます。今回は穴の径を15mmにしました。スライドガラス底面に接する部分なので、やすりや紙やすりを使ってなるだけ正確に水平に仕上げないといけません。前面の透明カバー(この商品は珍しくガラス製でした)の中心には黒画用紙で径17mmの中心絞りを貼り付けます。中央は円筒型のディフューザーです。
ディフューザーは無くても良い場合もありますが、そのままでは局所的な照度ムラがどうしても残るのと、視野がギラつくような見え方になりやすいのであった方が良いでしょう。材料はいろいろ考えられますが、ここでは薄くて扱いやすく、適度なシボ加工が施されているCDソフトケースの外側の透明シートを使いました。黒画用紙を巻いて作った円筒を芯にして、その上からシートを巻き付けます。上の写真ではシートは一重巻きで、OPPテープで固定しています。二重にすると拡散効果は高くなりますが光量は減ります。直径は凹面鏡に開けた穴にぴったり収まるように、高さはシートの先端が穴の縁からわずかに覗くくらい。黒画用紙の芯は外側のシートより5mmほど低くしていて、その上のシートだけの部分がディフューザーになるわけです。
間にディフューザーを入れ、凹面鏡と中心絞りを貼った透明板を固定すればひとまず完成ですが、絞りの直径やデフューザーの適否は検鏡してみないと分かりません。必要なら交換できるように縁に沿って3、4箇所、接着剤で軽く止める程度がいいのですが、瞬間接着剤は気化成分が鏡面やガラス面を白く濁らせるので使えません。
ニコンオプチフォトのコンデンサ受けにセットしたところです。単体では高さが足りないのでM42の中間リングの上に載せています。ここは単なるスペーサーなので他の何を使っても構わないのですが、M42の雄ネジの部分がコンデンサ受けの顎にうまく収まって具合がいいのです。写真では昇降装置を目一杯下げていますが、観察時はコンデンサ上端がスライドガラスに接するぎりぎりまで上げなければなりません。上げ過ぎるとぶつかるので、できればスペーサーの高さを調整してその直前で止まるようにするのがベストです。芯出しはコンデンサ受けの上を滑らせて行います。
以下、テスト撮影。被写体はMWSさんの珪藻プレパラートです。
まず最初は対物2x/0.08 PlanApo、接眼CFUW10X(視野数26.5)の視野で、コンデジを接眼レンズに押し付けて撮ったもの。視野外周部が白けていて、また周辺減光もありますが、視野数20くらいの接眼であれば気にならない程度でしょう。
これは同じ2X対物で、拡大率は35mm判換算で約2.1X。長辺で約8.5mmの範囲が写っています。
PlanApo10X/0.4。拡大率は35mm判換算で約2.7X(以下同じ)。
PlanApo20X/0.65。
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