2021年6月9日水曜日

コバネシロモンハナカメムシ(仮称)(改題)

 * 2021.12.23・追記とタイトル変更 *

翅が短いのでクロハナカメムシ属(Anthocoris)あたりの幼虫だろうと考えていたのですが、先日ある方から、これは最近新種記載された Temnostethus mirificus (仮称:コバネシロモンハナカメムシ)という種で、またこれで成虫であることを教えていただきました。これまでに栃木県、千葉県、愛知県の3か所で確認されているようです。原記載はこちらで見られます。ハナカメムシに短翅の種が存在することは知りませんでしたが、属名で検索するとT.gracilis という、よく似た種の画像が出てきました。タイトルを修正しておきます。

アラカシの幹を歩き回る小さなカメムシ幼虫がいました。ハナカメムシ科のようです。歩きながら樹皮の割れ目や地衣類の隙間に口吻を差し込んだり潜り込んだりしていました。この仲間の幼虫はネット上でも画像がほとんど見られないので種名は分かりませんが、頭部の形や触角からクロハナカメムシ属(Anthocoris)のような気がします。このアラカシでは毎年カシノアカカイガラムシが発生するので、それを餌にしているのかも知れません。周りを探すと何匹も見つかりました。体長は約2.5mmです。





(2021.06.01・明石公園)

2021年6月8日火曜日

ユードリナの細胞

すでに何度か掲載しているユードリナ(Eudorina、タマヒゲマワリ)です。
これまでは群体の運動を妨げないように水の層をたっぷりとって撮影していましたが、今回は個々の細胞がよく見えるように少しカバーグラスで押さえつけてみました。

個々の細胞が平面に並ぶところまでは圧縮していないので、多少の重なりがありますが、細胞数は32個と数えられます。

細胞の表層付近にピントを合わせています。赤い眼点が見えます。

ピントをやや奥へ移動しました。いくつかの細胞に見える楕円形はピレノイドでしょう。

(2021.05.25・神戸市西区の水田にて採集)

2021年6月7日月曜日

ハチモドキハナアブの雌雄、産卵行動

 ドロバチ類に擬態していると言われるハチモドキハナアブ Monoceromyia pleuralis です。普段見かけることの少ない種ですが、この日は樹液を流すアベマキの幹を複数の個体が訪れていました。

樹液を目当てに来たんだろうと思うのですが、あたりを歩き回るばかりであまり樹液を吸っているようには見えません。

腹部を少し曲げて上下させる動作を繰り返しているので、ひょっとして産卵行動かと勘違いしかけましたが・・・。

左右の複眼が頭頂で接しているので、♂ですね。

こちらが正真正銘の♀。産卵管を伸ばしています。

これが♀の顔です。



産卵管を差し込んでいるのは特に樹液が出ている場所でもなさそうですが、幼虫は何を食べて育つんでしょうかね。

(2021.06.01・明石公園)

2021年6月6日日曜日

フサトビコバチの一種(?Cheiloneurus sp.)深度合成

 この綺麗なトビコバチは以前のブログで2度(2014.07.01,2019.06.23)掲載したものと同種だと思います。今回は見失う前に採集して深度合成撮影してみました。



小楯板から黒色の長い毛束が後方へ伸びていますが、これは生時には直立しています。



(2021.05.26・明石公園にて採集)

2021年6月5日土曜日

コクゾウムシ

いつもの公園で園路の両側に丸太の土留めが施されている場所があって、夏場にはその丸太の上をよくコクゾウムシ Sitophilus zeamais が歩いています。わずかな距離の間で何匹も見つかることがあって、他の場所ではそれほど見かけるものでもないので不思議な気もするのですが、おそらく周囲の地面に積もった落ち葉の間にたくさんいて、それがときどき丸太の上に出てくるのが、表面が滑らかなので目につき易いだけなんでしょう。言わずと知れた有名な穀物害虫で、一昔前には家庭の米櫃などからもよく出てきたそうですが、私にはほとんど記憶がありません。

体長約3.5mm、吻の先まで約4.5mmです。

2021年6月4日金曜日

ツノテマリワムシの遊泳

 先月も出したばかりのツノテマリワムシ Conochilus unicornis ですが、この日は大漁だったのでミニ水槽で泳がせてみました。




くるくる回っている様子を見るとカザグルマワムシとでも名付けたくなります。
動画もどうぞ。



(2021.05.23・姫路市 姫山公園の池にて採集)

2021年6月3日木曜日

タケスゴモリハダニ?

白い斑入りのササを見つけたので、ちょっと覗いてみました。

以前のブログでも一度掲載していますが、これはスゴモリハダニの仲間の仕業です。ネット上ではタケスゴモリハダニ Stigmaeopsis celarius に関する情報が多く、画像を見る限りよく似ていますが、スゴモリハダニ属(Stigmaeopsis)には他にもタケ・ササ類につく種があるようなので、同属の別種かも知れません。

葉を裏返してみるとダニが吐いた糸で天幕が張られていて、中がよく見えません。

反対側から光をあててみると小さなダニが歩き回っているのが見えます。

上の画像では大型の個体が顎体部を除いて体長約0.43mm、小型の個体が0.32mmです。それぞれ♀と♂ではなかと思いますが確かではありません。



あちこちに見える丸い物体が卵でしょう。直径約0.13mm。

上と同じ場所ですが、真横から照明するといかにも卵らしく写りました。

(2021.06.01・明石公園)