2021年8月11日水曜日

サクラの葉裏に産卵するナシグンバイ

ナシグンバイ Stephanitis nashii の産卵、あるいはそれらしき行動はこれまでに何度か見ているのですが、葉をつまんでレンズを近づけるとすぐに中止してしまうので、満足に撮影出来たためしがありません。今回も一部始終とは行きませんでしたが、確かに産卵行動と思える場面を撮ることができました。

サクラの葉裏で、腹部を葉面につけています。後方に黒いシミのように見えるのは産卵痕で、この同じ♀によるものと思われます。


まもなく腰を上げましたが、腹端の先の葉面には新しい産卵痕が見えます。

少し移動すると、今度は口吻を突き刺しました。

しばらくして口吻を抜くと少し前進し、さきほど口吻を刺していたあたりに産卵管を突き刺しました。

どうやら多くのゾウムシなどと同じように、産卵のために前もって口吻で穴を開けるのではないかと推測されます。

そのまま産卵か、と見ていたのですが、間もなく産卵管を抜いて立ち去ってしまいました。やはりこちらが邪魔をしているせいで実際の産卵には至らなかったようです。

母虫が立ち去った後の産卵痕です。おそらくすべて同じ1匹が産み付けたものと思われますが、よく見ると画面の隅っこに小さなハチが半身を見せています(赤矢印)。昨年も見た、ナシグンバイの卵に産卵するホソハネコバチの一種でしょう。昨年の経験からこのハチが寄主の産卵している最中にも遠慮なく近づいて寄生卵を産み付けることが分かっていたので、この時もかなり注意して探していたのですが、帰宅後パソコンのモニタを見るまで全く気が付きませんでした。残念。

(2021.08.06・明石公園)

2021年8月10日火曜日

クロオビカサハラハムシ

 サクラの葉を見上げながら歩いていて見つけました。クロオビカサハラハムシ Demotina fasciata だと思います。一通り撮影した後、そっと葉をちぎって腹面も撮ろうとしたのですが、そのまま地面に落下して見失いました。体長は約3.8mmです。





(2021.08.06・明石公園)

2021年8月9日月曜日

ツボワムシ

 いつもの公園の池でツボワムシが大量に発生していました。
このツボワムシ Brachionus calyciflorus には被甲の形、特に棘状突起の位置や形の異なるいくつかの変種乃至品種が存在しますが、今回採集したものはほとんどが被甲後部の側面から1対の突起(側突起、後方側刺)が伸びているタイプです。ただその突起の長さや形には個体によってかなりばらつきがあり、手元の図鑑に掲載されている中のどの型に一致するのかはよく分かりません。以前、同じ公園の別の池でやはり大量に発生しているのを採集した際は、ほとんどがこの側突起(後方側刺)の無い型でした。







動画です。


(2021.07.28・明石公園 剛の池にて採集)

2021年8月7日土曜日

モンクロギンシャチホコ幼虫

 サクラの葉を食べている、ちょっと綺麗な芋虫を見つけました。モンクロギンシャチホコ Wilemanus bidentatus の幼虫だと思います。


写真ではうまく表現できていませんが、薄緑色の胸部が日光を通してなかなか綺麗です。体長は約25mm。中齢くらいでしょうか。



撮影のために葉をつまんで引き下ろすと動きを止めましたが、間もなくその状態で食事を再開しました。頭部の模様はかなり派手です。

近くの、やはりサクラの葉にいた若齢幼虫です。体長は7mmくらい。

頭部の模様はまだ見えません。


尾端です。

(2021.07.30・明石公園)

2021年8月5日木曜日

ミドリグンバイウンカ

 トウネズミモチの葉裏にたくさん貼りついていたミドリグンバイウンカ Kallitaxilla sinica です。頭端から翅端まで約6.8mm。ごく普通に見かける種ですが、美しい虫です。





(2021.07.26・明石公園)

2021年8月2日月曜日

スグリゾウムシ

 普通種で見かけも冴えないスグリゾウムシ Pseudocneorhinus bifasciatus ですが、以前のブログも含めて多分初登場だったと思います。保育社の甲虫図鑑によれば、♀だけで単為生殖しているそうですが、男女群島の女島と中国には♂もいるとのこと。あらためて調べてみるまで知りませんでした。

ネズミモチの葉裏です。

吻の先まで約6.5mm。

これはサクラの葉裏の別個体。やや小型で、前胸背板の色も少し違います。


脚や触角まで鱗片に覆われています。

(2021.07.26・明石公園)

2021年8月1日日曜日

アミメアリの引っ越し

 トウネズミモチの幹を上っていくアミメアリの引っ越し行列を見つけました。地面から続く行列で、卵や幼虫や蛹が次々と運ばれて行きます。猛暑のせいかアリたちの歩くスピードもひときわ増しているようで、ピントが合うかどうかもほとんど運まかせの撮影ですが、久しぶりなので小一時間ほど粘ってシャッターを切り続けました。




ときどき後戻りしようとする人もいて混乱します。

お尻に幼虫をくっつけて運ぶ人も。

仲間に運ばれる成虫もいました。




新しい巣は地上1メートルちょっとの高さに開いた洞に造られていました。

(2021.07.26・明石公園)