2021年8月28日土曜日

イノコヅチカメノコハムシ

 アベマキの葉の裏にいたイノコヅチカメノコハムシ Cassida japana です。見つけた時は脚も触角も隠してぺったりと葉にくっついていましたが、撮影を始めると触角が出てきて、やがて不承不承といった感じで身を起して歩きだしました。体長約5mmです。






(2021.08.26・明石公園)

2021年8月27日金曜日

メスジロハエトリ・♂

シャリンバイの葉裏にあまり見かけないハエトリがいると思って撮影したのですが、メスジロハエトリ Phintella versicolor のようです。綺麗なクモですが、今回は逃げ回られてうまく撮れませんでした。以前のブログに出した♀も同じ場所で撮っていたのでまたの機会を待つことにします。体長は約6mmです。





(2021.08.26・明石公園)

2021年8月26日木曜日

ゾウリムシ(Paramecium sp.)

 ゾウリムシ(Paramecium)の一種です。

腹側を向けています。中央に細胞口が見えます。

背側です。2個の収縮胞と、そこから放射状に伸びる水管が見えています。

細胞内部にピントを合わせています。画面上が腹側で、細胞口の断面が見えています。下側が背側で2個の収縮胞、左の方の大きな楕円が大核です。

細胞表面には長軸方向に走る条線が見えます。

次はかなり小型で、別種かも知れません。




小型種の動画です。


(2021.08.04・明石公園の池にて採集)

2021年8月24日火曜日

ミドリムシの一種(Euglena spirogyra)

 比較的大型のミドリムシで、いつもの「淡水微生物図鑑」その他で調べると Euglena spirogyra という種に該当するようです。細胞表面が小さな粒々で覆われていて、内部には大きなリング状のパラミロン粒が2個確認できます。
この日は多数見つけましたが、どの個体にも鞭毛が見えません。見えない程度の短い鞭毛をもつ種なのかと思っていたところ、そのうちに1匹だけ、長い鞭毛をしきりに振り回しているものが見つかりました。しかし撮影を続けるうちに突然根元から鞭毛を切り離してしまったので、他の鞭毛の見えないものも本来はそれを持っていたのだろうと思います。プレパラートに封入するといった、何らかの環境の悪化を受けて切り離してしまうのかも知れません。


細胞表面に規則正しく並んだ粒々は、ちょっとトウモロコシを連想させます。以下3枚も同じ個体です。


トウモロコシと違って、かなり扁平な円筒形です。

運動を妨げないよう、かなり多めの水で封入しているのでなかなか全体にピントが合いません。


写真ではパラミロン粒が確認しにくいのですが、次の動画ではよく見えています。


次は別個体です。ゆっくりとユーグレナ運動をしていました。鞭毛は見えません。


パラミロン粒がうっすらと見えています。以下2枚も同一個体。



動画です。


(2021.08.04・明石公園の池にて採集)

2021年8月21日土曜日

ウチワヒゲムシの一種(Phacus.sp)

ウチワヒゲムシ(Phacus 属)は昨年一度出していますが、今回の方が大型で、鞭毛もはっきり写りました。




細胞内に見える大きな円盤はパラミロン粒です。

動画です。蒸発を補うためにカバーガラスの端から水を一滴足しため、水流が起こっています。


(2021.08.04・明石公園の池にて採集)

2021年8月20日金曜日

スピロストマム(ネジレグチミズケムシ)

細長い繊毛虫、スピロストマム Spirostomum の一種です。以前のブログでも一度出したことがありますが、今回の方がかなり小型です。また囲口部の長さの細胞全体に対する比率も前回の種は1/2以上、今回は1/2未満と違いがあるので、おそらく別種でしょう。「淡水微生物図鑑」の説明に当てはめてみると、前回の大型種が S. ambiguum、今回が S. intermedium か S. minus のどちらかになりそうです。

この写真では画面下側が頭端です。囲口部が頭端から細胞の屈曲部のあたりまで伸びているのが見えます。

頭端は右を向いています。ネジレグチミズケムシという和名がつけられていますが、囲口部が細胞長軸の周りを緩く回転しながら伸びているのがその由来でしょう。

細胞の前半部です。ちょうど囲口部後端の細胞口がこちらに向いています。

細胞の後端(画面下)の透明部は大きな収縮泡です。

細胞後半。後端を横から見ると押しつぶしたように扁平です。ちょっと見えにくいかも知れませんが、小さな卵型の大核が数珠状に並んでいます。

頭端です。囲口部の繊毛列の規則正しい動きに感嘆します。

動画です。



(2021.08.04・明石公園の池にて採集)

2021年8月19日木曜日

マルサヤワムシ科シナンテリナ属の一種(Sinantherina ?spinosa)

 初めて見たワムシの群体です。いつもの公園の、干上がっていることの方が多いような浅い池で採集しました。
球形の群体ということではじめはテマリワムシ科の一種だろうと見当をつけて調べていたのですが、この科でこれくらいの規模の群体を作るのは Conochilus hippocrepis のみで、その種であれば頭頂に1対あるはずの腹触手が見当たりません。胴部にもそれらしきものは見えないのでそもそもテマリワムシ科ではなさそうです。そこであらためて図鑑(日本淡水動物プランクトン検索図説)を眺めると、マルサヤワムシ科シナンテリナ(Sinantherina)属が形も似ていて、やはり群体を作ることが分かりました。日本で知られている2種が掲載されていますが、そのうちの Sinantherina spinosa という種が開いた時の頭冠の形や腹面に並んだ棘、また普通50個体前後の球形群体を作ることなどの特徴が一致し、有力候補です。


今回は採集当日と翌日、計2個の群体を観察しましたが、これは最初の群体です。見つけたときはもっと大所帯だったのですが、周囲のゴミから分離したりスライドガラスに移したりしている間にかなりの数の個体が離れて行ってしまいました。

群体の中心付近には孵化前の卵や幼体が集まっています。


このように側面から見ると以前掲載した同じマルサヤワムシ科のプチグラ属(Ptygura sp.)に形がよく似ています。この画像では上に向いて弓なりに張り出しているのがいるのが腹面で、多数の小さな棘が並んでいるのが見えます。足と胴部の間の背面にある突起は肛門で、上記プチグラ属の動画ではこの肛門から排泄する様子が見られます。

以下は翌日撮影したやや大きな群体です。

最初の群体に比べて内臓や卵の色がかなり薄く見えます。機材や撮影法は全く同じなので、理由が分かりません。


こちらは孵化したばかりの幼体が多いようです。

微分干渉です。上記図鑑によれば、S. spinosa は「頭冠は開くと幅広い卵円形または四辺形に近い」とあります。


群体中心部の幼体と卵です。卵にはすでに眼点が見えるものもあって、孵化間近なのでしょう。

次の動画は2番目の群体です。


(2021.08.04・明石公園の池にて採集)