2021年9月8日水曜日

青く輝くミカヅキモの外被

 ミカヅキモ(Closterium)の多い池の水を少量の泥と一緒に汲んできて実体顕微鏡の暗視野で眺めていると、きれいな緑色のミカヅキモに混じってその殻というか、中身が抜けてしまって外被だけ残ったものが鮮やかな青色に輝いているのが目に入ります。この色は構造色で、生きているミカヅキモでも光の具合によって表面が青く光りますが、明視野照明では見えません。その脱け殻を二つ三つスライドガラスにとって撮影してみました。


モワレが出ているのは左右2枚の外被が重なっているためだと思います。


以下は偏斜照明ですが、外被に多数の平行な条線が走っているのが見えます。


条線の間隔は0.5~0.6µmくらいで、これが構造色を発しているのでしょう。

(2021.09.07・明石公園の池にて採集)

2021年9月7日火曜日

セダカシャチホコの幼虫

 アラカシの葉を食べていた芋虫です。体長は60mmほどあって、その大きさと模様からスズメガ類かと思ったのですがトレードマークの尾角が見えません。調べてみるとシャチホコガ科のセダカシャチホコ Rabtala cristata でした。多分終齢でしょう。何枚か撮っているうちに危険を感じたのか食事を中止して固まってしまいましたが、しばらく離れていた後覗いてみると再びせっせと葉を齧っている最中でした。






(2021.09.07・明石公園)

2021年9月6日月曜日

ツボカムリの分裂

 2個のツボカムリが互いに開口部をくっつけているのを見つけました。最初は接合かと思いましたが、どうやら細胞分裂の最終段階だったようです。見ているうちに二つの殻の境い目から触手が伸びはじめ、やがて分離してそれぞれ反対方向に別れていきました。この次の機会にはもっと初期の、殻が括れはじめた段階から観察してみたいものです。




撮影を始めてから約25経過しました。

動画です。


移動中の片割れです

波状の突出部の数は5個で、以前のブログに出したもの(突出部が3個)と同様 Difflugia lobostoma ではないかと思います。


動画です。


(2021.08.06・明石公園の池にて採集)

2021年9月4日土曜日

多核のアメーバ カオス(Chaos sp.)

 底の泥とともに採ってきた池の水の中で、大型のアメーバを見つけました。細胞内に無数の核が見えるので、おそらくカオス属(Chaos)の一種だろうと思います。


微分干渉ですが、10X対物に20X用の素子を使っているので効果が今一つです。長く伸びると1mmくらいになります。


この2枚は位相差です。

暗視野では核は白っぽく見えます。


再び微分干渉です。

動画です。


次の動画は位相差ですが、5倍速に編集しました。


(2021.08.06・明石公園の池にて採集)

2021年9月2日木曜日

クロミャクチャタテの翅

 頭上のサクラの葉を見上げていると、なにやら同じ形の影が二つ並んで見えるのでそっと引き下ろしてみるとクロミャクチャタテ Sigmatoneura kolbei の翅でした。クモにでも食われたのでしょう。この場所ではほとんど見た覚えのないチャタテですが、こんな形でも棲息は確認できたわけです。


(2021.08.26・明石公園)

2021年9月1日水曜日

今年も、ナシグンバイ卵に産卵するホソハネコバチ

 先日撮り損ねた、ナシグンバイ卵に産卵するホソハネコバチ科(Mymaridae)の一種をようやく撮影できました。
やはり今回も、産卵中と思われるナシグンバイが立ち去った後、産卵痕の周囲をルーペで探して見つけたものです。ただ、途中で邪魔が入ったせいかグンバイの産卵数が少なく、したがってホソハネコバチの産卵もあまり何度も観察することはできませんでした。


ハチの体長は約0.36mmです。




昨年見た産卵風景はこちらです。

(2021.08.26・明石公園)

2021年8月29日日曜日

分裂を中止した?アンフィレプタス

 細胞分裂中の、アンフィレプタス(Amphileptus sp.)と思われる繊毛虫を見つけました。

すでに細胞中央の括れが深く、間もなく分裂完了と思われます。

2個の大核はそれぞれの片割れに1個づつ収まっています。

ところが、しばらく追っている間に切断間近と思われた括れが元に戻り始めました。


狭い場所に閉じ込められ、環境の悪化を察知して分裂を中止したんでしょうか。

動画です。


同種かどうか不明ですが、同じ時に撮影した通常のアンフィレプタスです。




(2021.08.04・明石公園の池にて採集)