2022年8月18日木曜日

アオバハゴロモを捕えたヒサマツムシヒキ

* 2022.08.31 タイトル修正 *

タイトルの種名を誤って「サツマムシヒキ」としていたのをご覧いただいた方からご指摘いただき、修正しました。 

アオバハゴロモを捕えて足元の石の上に降りてきたヒサマツムシヒキ Tolmerus hisamatsui です。


薄暗い林の中でよく見かけるムシヒキアブです。

(2022.08.11・明石公園)


2022年8月16日火曜日

遊泳性のツリガネムシ、ハスタテラ(Hastatella sp.)

 これはハスタテラ(Hastatella)の一種で、柄を持たない遊泳性のツリガネムシの仲間です。小さくて1枚ではほとんど全体像が掴めないので6枚並べました。くるくる回転しながら泳ぎ回る1個体を連続で数十枚撮影した中から選んだもので、ある程度形が想像できると思います。円筒形の細胞の周囲に長い棘状の突起を生やしているのが特徴ですが、形態の違う種がいくつもあるようで、種名は分かりません。


(2022.08.09・明石市大久保町の水田にて採集)

巣の仕上げをするムモントックリバチ

 ムクノキの幹でムモントックリバチが巣の仕上げをしていました。
カメラを構える前に飛び去ったのですが、ドーム型の巣はちょうど巣口が閉じられたばかりのようで、最後に泥を加えた部分がまだ湿っています。このハチの営巣は以前に何度か見る機会があって、巣口を閉じた後、仕上げに植物の繊維で上塗りすることが分かっているので、そのまま帰りを待つことにしました。
ハチは予想通り15分ほどで黒っぽく濡れた球を抱えて戻ってきて、早速上塗りを始めました。この材料は何らかの植物を細かくかみ砕いたもののようで、乾くと白っぽくなります。おそらく防水か、カムフラージュのためでしょう。かなり念入りに塗り付けていきます。3~4分作業を続けると新たな材料の調達に飛び立ち、10分ほどで戻ってきてまた作業を始める、という繰り返しを1時間足らずの間見ていましたが、5回目に飛び去ったのを見届けてからその場を離れました。その後もまだ作業が続いたのかどうかは分かりません。最後の写真は上塗りをされた巣の表面で、材料が植物の繊維であることが見てとれると思います。








(2022.08.11・明石公園)

2022年8月15日月曜日

コブハムシの一種・糞ケースの抜け殻

 イヌビワの葉の裏に、空になったコブハムシ類の糞ケースがくっついていました。多分ムシクソハムシのものだと思います。このあたりでも珍しいものではありませんが、よく見るととなりに小さなお椀型の「蓋」が残っていて、これは初めて見ました。クモの糸かなにかに引っ掛かって落ちずにいたんでしょう。開口部は刃物で切ったようにきれいです。これまで漠然と、羽化した成虫は糞ケースのてっぺんを適当に噛み破って出てくるんだろうと想像していたのでちょっと驚きました。カメムシの卵のように予め切断線が入っているとも思えないので、ケースの中で体を回転させながら大顎で根気よく噛み切っていったんでしょう。手あたり次第かみ砕くよりもこの方がエネルギーの節約になるのかも知れません。成虫の姿はごつごつして鈍重そうですが、意外に器用なんですね。


本体の高さ(切断線から下)は約3.6mm。

開口部の内径約2.2mm。

(2022.08.11・明石公園)

2022年8月14日日曜日

葉の裏で休むヒゲナガサシガメ

 ヒゲナガサシガメは夜行性のようで、幼虫成虫ともに昼間はいつ見ても葉の裏でお休み中です。そのせいかネット上を探しても捕食中の画像はほとんど見つかりませんが、先日の玉津南公民館での写真展に来られた、虫好きの男の子を連れたお母さんが夜間ライトトラップの観察会でこのサシガメが蛾を食べているのを見たと教えて下さいました。私は根っからの昼行性なので、残念ながら未だにそんな場面には出会えません。
ところでネット検索するとヒゲナガサシガメの学名が2種類出てきますが、以前 Endochus stalianus とされていたものが現在では属も変わって Serendiba staliana (Horvàth 1879)とされているようです。


体長は約11mmですが、長い触角の先から翅の先までなら30mm以上あります。

(2022.08.11・明石公園)

2022年8月12日金曜日

トラケロフィルム Trachelophyllum sp.

 細胞の前半部が細長く伸びて、またかなり伸縮性のある繊毛虫です。水田で採ってきた水の中で見つけました。こういう形の繊毛虫には多くの種類がありますが、この属は細胞口のある前端の形に特徴があります。大核は前後に2個(2・3枚目で顆粒の間に平坦に見える黒い楕円形がそれです)、後端に収縮胞が見えます。




(2022.08.09・明石市大久保町の水田にて採集)

2022年8月11日木曜日

カメムシ卵から出て来るナガコバチ科 Anastatus sp.♀♂(動画)

 この7月18日、いつもの明石公園のサクラでハチに寄生されていると思われるカメムシ卵を見つけて持ち帰りました。ハチが羽化・脱出する場面を今回は動画で撮影したいと思ったのです。約2週間後の7月31日の朝、最初の2匹の♂が出てきましたが撮影には間に合わず。その後数日間毎朝のように1匹、2匹と羽化が続きましたがタイミングが合いません。ようやく8月4日の朝、♂♀1匹づつの脱出を撮ることができました。カメムシ卵から出てきたのはナガコバチ科 Anastatus 属の一種で、以前に記事にしたのと同じ場面を動画で取り直した格好です。

7月18日、最初に出てきた♂の1匹。もう1匹は撮影前に飛び去ってしまいました。

この♂を初めて見た時はコガネコバチかと思いました。

8月4日早朝に顔を出した♂。次の動画からの切り出しです。


次は同じ日に出てきた♀。

これも次の動画からの切り出し。顔面の色彩が♂とは全く違います。

今回の動画は自作のマクロスタンドで撮影しました。いつものスチール撮影の(半)手持ち撮影に比べると、アングルが固定されてしまってどうにも不自由です。いずれひと工夫しようと思っていますが、いつになるやら・・・。

(7月18日・明石公園にて採集/7月31~8月4日・自宅にて撮影)