越冬明けのクロコノマチョウ Melanitis phedima です。薄暗い木の下から飛び出してきて、ちょど日の当たる場所にとまってくれたのは好都合でしたが、2、3枚撮ったところで間が悪く人が通りかかり逃げていきました。翅の色が明るいので♀かとも思いますが、翅がだいぶ傷んでいるせいもあって今一つはっきりしません。秋に撮った♂はこちらに出しています。幼虫はこちらのようになかなか魅力的な姿をしていますが、この近辺ではまだ見たことがありません。
2025年4月20日日曜日
2025年4月19日土曜日
ジェーンアシワガガンボ?
いつもの公園で多数のガガンボが発生している、という情報をいただいたので、早速見に行ってきました。場所は幹が地上付近で数本に分かれたエノキで、その幹の間に出来た窪みに溜まったわずかな水の中から羽化してきているらしいのです。最初に出かけた日は強い西風が吹いていてあまり期待していなかったのですが、幹の周りで♀2匹♂3匹が見つかりました。♂は風にも負けずときどき飛び回っています。また小さな水たまりには一見何かの糞のような黒っぽい抜け殻がいくつも残されていました。さらにその二日後に見に行くと、交尾中のペアひと組の他に2、3匹の♂が、やはり落ち着きなく幹の周りを飛び回っていました。羽化した成虫が何日間もその場に留まっているとは思えませんし、今回情報をくれた方の話からも、どうやらしばらくの間は連日羽化が続いていたようです。
さてこのガガンボの種名ですが、ネット上でジェーンアシワガガンボ Tipulodina joana として多数の画像が見られるものによく似ています。中でも「廊下のむし探検」のこちらの記事では同種の特徴が詳しく調べられていました。ただこの Tipulodina 属にはもう一種、T. nipponica(ニッポンアシワガガンボ)という種が存在して、両種を区別する特徴については上記の記事にもほとんど説明がありません。そこでさらに探してみると、「YAHOO!知恵袋」という質問サイトにこちらのような記事がありました。孫引きになりますが、東海大学出版の「日本産水生昆虫」によるとT. joanaは「後脛節基部近くに幅の広い白色帯を有し、ふ節は広く黒色」、T. nipponicaは「後脛節は基部近くに幅の狭い白色帯(3mm)、ふ節は第1ふ小節と第5ふ小節の一部を除き白色」ということです。その説明をもとにあらためて画像を調べてみると、今回のガガンボはやはりジェーンアシワガガンボでよさそうだという結論に達しました。ただしふ節については、♂ではほぼ黒色ですが♀では各脚に白、あるいは淡色の部分があり、少し疑問も残るので、タイトルには“?”をつけておきます。
2025年4月13日日曜日
ヤノイスアブラムシの幹母幼虫
いつも見ているイスノキの、ようやく開いてきた新葉を探してみると、あちこちに小さな膨らみができていました。ヤノイスアブラムシ Neothoracaphis yanonis の寄生によって生じるイスノキハタマフシという虫こぶの初期段階です。ほとんどの膨らみではすでにアブラムシは内部に隠れしまっていますが、1匹だけまだ姿を見せていました。この春に孵化して、やがて幹母となる幼虫です。
2025年4月7日月曜日
ビロウドツリアブ
春先の野山を歩くとよく目につくビロウドツリアブ Bombylius major ですが、撮影したのは久しぶりです。最近は町中の公園ばかり徘徊しているので目にする機会が減ったという事情もありますが、かなり敏捷な虫で見つけてもたいがい撮る前に飛んで行ってしまうということもあります。たかが普通種という気持ちもあって時間をかけて追い回す気にもなりません。それが今回の個体は珍しく大人しくしていてくれたので以前のブログで2016年に出して以来9年ぶりに登場することになりました。
ツリアブの仲間はどれも寄生性ですが、この種はヒメハナバチ類に寄生するそうです。そして他のツリアブ類と同様、産卵の前には地上に降りてお尻を砂地にこすりつけ、腹端にある「砂室」に砂粒を取り込むと言う面白い習性が知られています。卵に砂をまぶして寄主の目を誤魔化すためと言いますが、それがどんな風なカムフラージュなのか、以前にもちょっと資料を探してみましたが具体的な説明は見つかりませんでした。この砂集めの様子は本種ではまだ見たことがありませんが、以前にスキバツリアブやマエグロツリアブで同じ行動を撮影しています。
2025年4月5日土曜日
ゴミグモの一種・幼体
2025年4月4日金曜日
ヒレルクチブトゾウムシの顔(深度合成)
2025年4月3日木曜日
アズキナシオオアブラムシとヒラタアブの幼虫
先日、蟻牧亀虫というブログのこちらの記事を見てアレ、と思い、調べてみると、当ブログでも何度も登場しているナシミドリオオアブラムシ Nippolachnus piri の分類が再検討されて、おなじみのシャリンバイにつく種はアズキナシオオアブラムシ N. micromeli に変わっていました。2018年の論文ですから7年も前のことです。種名が変わったと言っても新種として記載されたわけではなく、もともとアズキナシから得られた標本を N. micromeli として100年も前に記載していたのが後に N. piri のシノニムとして統合され、それが最近の研究によって再び N. micromeli として独立したということのようです。
長年同一種とされていたくらいですから生態写真などで区別できるはずもないと思いますが、寄主植物ははっきりと分かれていて、N. piri(ナシミドリオオアブラムシ)はナシとビワ、N. micromeli(アズキナシオオアブラムシ)はアズキナシ、ナナカマド、シャリンバイにつくということなので、そこから判断しても間違いはないでしょう。つまり以前のココログ時代も含めて当ブログに登場したナシミドリオオアブラムシはどれもシャリンバイに寄生していたものなので、すべてアズキナシオオアブラムシに訂正しなければならないことになります。
以上のように前置きをしておいて、ようやく今回の本題です。