キマダラカメムシはセミのように木の幹に口吻を突き刺して樹液を吸う妙なカメムシですが、鳥の糞も好物のようです。この日はサクラの葉の上に数匹の幼虫が集まって、せっせと鳥の糞を吸っていました。
ところで、以前のブログに“鳥の糞を食べるキマダラカメムシ”というタイトルで、葉の上で白く乾いた“糞”を口吻でこすり落とすようにして吸っている成虫たちの写真を出していますが、調べてみるとこの白い粉のようなものは鳥の糞ではなく尿であって、それに含まれる尿酸が結晶したものなのだそうです。この幼虫たちもひょっとしたら糞と一緒に排泄される尿酸が目当てなんでしょうか。
2025年8月21日木曜日
鳥の糞に集まるキマダラカメムシ幼虫たち
2025年8月20日水曜日
ゴマダラチョウの卵、産みたて!
いつもの虫仲間と3人でいつもの公園を散策していると、1匹のゴマダラチョウが飛んできてすぐ目の前のエノキで産卵を始めました。動作はすばやく、咄嗟のことで産卵行動の撮影は間に合いませんでしたが、チョウが去った後、産みたての卵が一つ見つかりました。透明感のある青緑色の美しい球体で、直径約1.2mm、高さも同じくらいです。ネット上の画像を見ると複数をかためて産み付けていることが多いようですが、人間が気になって落ち着いて産卵できなかったのかも知れません。邪魔者が去るのを待っているのか、3人で卵を眺めたり撮影したりしている間も近くの木の葉の上でじっとしていました。
2025年8月19日火曜日
ヒメコバチの一種(?)に外部寄生された蛾の幼虫
アベマキの葉裏にいた蛾の幼虫ですが、寄生バチのものと思われる幼虫に寄生されていました。外部寄生なので、この公園でもよく見つかるヒメコバチ科のEuplectrus 属かも知れません。蛾の幼虫は体長約6.4mmで、動きは鈍いですがまだ生きていました。
2025年8月18日月曜日
ノコギリカメムシの幼虫
8月に入ってから野暮用が多くて(その上猛暑も手伝って)更新が止まっていました。
撮影にもほとんど出かけていないのでこれは一か月も前に撮ったものですが、ノコギリカメムシ Megymenum gracilicorne の幼虫です。カラスウリにいたものを虫仲間に教えてもらいました。日本原色カメムシ図鑑の写真と比べると4齢と5齢のようですが、撮影倍率を控えていなかったので正確な体長は分かりません。3年前に同じ場所で撮った成虫はこちらに出しています。この公園でカラスウリの生える場所は他にもありますが、このカメムシが見つかるところは限られているようです。
2025年8月10日日曜日
ミツヒダアリモドキのペア
先日深度合成画像を出したばかりのミツヒダアリモドキ Nitorus trigibber ですが、アカメガシワの葉裏でペアになっているのを見つけたのでもう一度。
2025年8月8日金曜日
ヨツボシテントウ?の幼虫
アベマキの幹の、染み出した樹液で黒っぽくなっているところを白っぽい小さな円盤状の虫が歩いていました。ダルマカメムシの幼虫にしては時期が遅いし、と思いながらカメラを覗くと、ヨツボシテントウ Phymatosternus lewisii の幼虫のようです。アブラムシを餌にしているはずですが、獲物が居そうな場所でもないので、偶然枝葉から移動してきたのでしょうか。体長は約2.7mmです。
この幼虫は以前にも調べたことがあるので種名には間違いがないだろうと思っていたのですが、新海孝さんのブログにモンクチビルテントウ Platynaspidius maculosus の幼虫が紹介されていて、これがヨツボシの幼虫にそっくりです。成虫もそっくりですが、この公園ではどちらかと言えばモンクチビルの方が多いような気がするので、ちょっと怪しくなってきました。ただし、上の新海さんの記事によればヨツボシはクヌギでよく見つかる、ということなのでやはりこれでしょうか。
ヨツボシテントウの幼虫はアブラムシの脚に嚙みついてそこから体液を吸い取るという面白い習性があって、以前のブログでもその場面を掲載しています。それに対して(これも新海さんの同じ記事からですが)モンクチビルテントウの幼虫は、獲物は同じくアブラムシですが、そのお尻に噛みついて体液を吸うというきまりがあるようです。外見のわずかな違いよりも、その行動で判断した方が確実なのかもしれません。やはり以前のブログで、ハゼノキとアベマキにいた幼虫をヨツボシテントウとして幼虫を出していますが、どちらもあいにく食事の様子は見ていないので、ひょっとしたらモンクチビルかも、という気がしてきました。
2025年8月6日水曜日
シリアゲコバチの産卵+♂
シリアゲコバチ Leucospis japonica の産卵風景です。まずまず上手く撮れたと思って写真を編集したのですが、気がつくと去年も一昨年も同じものを掲載していました。場所も去年と同じアラカシの幹の枯死した面なのですが、お気に入りの虫、お気に入りの場面なので今年も出しておきます。
このハチの産卵時の動作は何度見ても不思議ですが、4枚目から7枚目で、鞘から離れた産卵管がまず体内に引き込まれ、ぱっくり割れた腹節の間から節間膜を道連れに(破れないかと心配になるほど)弧状に大きく張り出している様子が見てとれます。いかにも無理な態勢ですが、このハチは寄主に達するのに必要な産卵管の長さに対して腹部や脚が短すぎるのでしょう。そのため長い腹部や脚を持った(こちらのような)ヒメバチ類などのように単に背伸びをして腹部を持ち上げただけでは目指す場所に先端をあてがうには足りず、それを補うためにこのような特殊な構造と動作を採る方向に進化してきたのだと思います。