2025年9月18日木曜日

シベリアカタアリとカイガラムシの一種

 クズの葉の裏にアリが集まっていたのでルーペで確認すると、この場所に多いシベリアカタアリ Dolichoderus sibiricus で、1匹のカイガラムシの周りに群がっているのでした。カイガラムシの方は形を見るとカタカイガラムシ科ではないかと思いますが、確かではありません。見ていると時々カイガラムシのお尻から甘露の球が現れて、近くにいたアリがそれをすかさず吸い取ります。その瞬間を撮りたくてしばらく粘ってみたのですが、何度もチャンスがあったもののどうしてもタイミングが合わず、あきらめて次の虫を探しに行きました。





(2025.09.05・明石公園)



2025年9月16日火曜日

アザミウマを捕らえたタバコカスミカメ

 タバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis は、いわゆる生物農薬としての利用が進められていて、日本でもすでに製品化されているようです。その関係を記事を読むと主にコナジラミやアザミウマなどの微小害虫を捕食するそうなのですが、今回初めて、キリの葉の裏でアザミウマを捕らえているところを見つけました。昨年にはやはりキリの葉でヒメイトカメムシを吸汁していたのを掲載していますが、この獲物はすでに死んでいたのかも知れません。こちらの資料によると本種は捕食性と植食性の両方の性質を持っていますが、植物の種によってはそれだけで産卵・繁殖することが出来るそうで、そいういう植物としてはゴマが知られています。そこにキリも含まれるのかどうかは分かりませんが、少なくとも明石公園では他の植物上では見たことがありません。



(2025.09.02・明石公園)



2025年9月14日日曜日

クヌギハマルタマフシに産卵するカタビロコバチ科の一種

 先日ナガコバチが産卵していた、そのすぐ近くのアベマキの葉のクヌギハマルタマフシに、今度はカタビロコバチ科 Eurytomidae の一種が来ていました。腹部の大部分が黄色い種で、他の特徴も併せて以前のブログに出したもの(こちら)によく似ています。体長もほぼ同じ(今回のものは約2mm)で、同種の可能性が高いと思います。ゴールの周囲を回りながら試すように何度か産卵管を突き刺してはすぐに抜くということを繰り返していましたが、やがて同じ場所に刺したまま動かなくなり、産卵が始まったようでした。








(2025.09.02・明石公園)

2025年9月12日金曜日

クスグンバイと産卵痕

 昨日の記事と同じように見えますが、今回はクスグンバイ Stephanitis fasciicarina です。和名通りクスノキの葉に寄生するグンバイムシですが、クスノキはどこにでもあるのに意外に多くは見かけません。産卵痕を見たのもこれが初めてです。ヒメグンバイと違って、こちらは主脈そのものではなくその両側に卵を産みこんでいました。




以下は他の葉にいた別個体です。




(2025.09.02・明石公園)

2025年9月11日木曜日

卵を守る(?)ヒメグンバイ

 以前のブログでも出したことがあるのですが、夏から秋にかけて、アベマキやコナラの葉の裏でこんな光景がよく見られます。多数の卵が産みこまれた主脈の傍らでヒメグンバイ成虫が1匹、じっとしているだけなのですが、この成虫はおそらく卵を産んだ♀で、幼虫が孵化してくるまでの間卵を守っているのではないかと勝手に推測しています。飼育観察したわけでもないので確かな根拠もありませんが、カメムシの仲間ではツノカメムシ類のように産卵後の卵や孵化幼虫を守る種も知られているので、グンバイムシでそのような習性が見られても不思議ではない気がします。少なくとも、成虫がそばにいればこのような寄生者を遠ざける効果はあるかも知れません。

主脈に付着した黒いタール状の物質の中に噴火口のように開いているのが産みこまれた卵の上端で、幼虫はこの噴火口の中の「蓋」を持ち上げて孵化してきます。残念ながら孵化の瞬間はまだ見たことがありませんが、産卵場面は昨年初めて撮影することが出来ました。





(2025.07.30,09.02・明石公園)



2025年9月10日水曜日

アミメアリとアオオビハエトリ

 アカメガシワの花外蜜腺に来たアミメアリを、アオオビハエトリが狙っていました。脚(第一歩脚)を高々と挙げ、周囲を往ったり来たりしながら何度も獲物に迫るのですが、毎回ギリギリのところでサッと退却します。その間アリは呑気に蜜を舐めていて気付いた様子もありませんが、クモの方ははじめから腰が引けているというか、アリのわずかな動きにもびくびくしている様子です。専門の捕食者でもアリを相手にするのは危険が伴うのでしょう。
見ている分には面白かったのですが、なにぶん動きが早くて撮った写真はほとんどピンボケでした。視力と反射神経に問題があるようです。





(2025.08.19・明石公園)


2025年9月8日月曜日

クヌギハマルタマフシに産卵するナガコバチ科の一種(?Eupelmus sp.)

 クヌギハマルタマフシはクヌギハマルタマバチが産卵することによって出来る虫こぶですが、この公園ではアベマキの葉でよく見られます。緑の葉の上で赤い球が各支脈の上に一つづつ、等間隔で並んでいたりするとなかなか奇麗なものですが、この虫こぶにも寄生するハチがいます。以前のブログでもタマバチ(ヤドリタマバチ?)が産卵しているところを出していますが、今回の寄生バチはナガコバチ科の一種でした。体長は約3mm。過去の記事の中ではこちらによく似ていて、同じ Eupelmus 属ではないかと思います。。

最初、虫こぶにハチが乗っているのを見て思わず葉に触れると、葉面に降りて離れた場所に退却してしまいましたが、そっと手を放して見ているとやがてまた戻ってきて、虫こぶの上をしばらく歩き回った末、腹端をつけて産卵を始めました。

お尻の先に飛び出ているのは産卵管の鞘で、本体は腹部の前寄りから伸びて虫こぶに刺さっています。こうなると少しくらいの刺激では中止することはありません。




産卵を始めてから15分以上、こちらが立ち去る時もこの姿勢を続けていました。


(2025.08.28・明石公園)