2022年11月9日水曜日

カタビロコバチ科の一種

 イヌビワの葉裏にいたカタビロコバチ科 Eurytomidae の一種です。こちらに似ているかと思ったのですが、前翅に黒い縁紋が無いので別種、おそらく別属でしょう。




採集してスタック撮影しました。

こちらと同じように、死ぬとこんなふうに背中を丸めてしまうのはこの科の特性でしょうか。反対にナガコバチ科は死ぬと反り返ってしまいますが、おそらくそれぞれの体の構造を反映しているということでしょう。



(2022.11.04・明石公園)


2022年11月7日月曜日

トゲキジラミ

 アラカシの葉の裏に、ポツンと1匹だけトゲキジラミ Togepsylla matsumurana がいました。この公園では10年以上も前にアベマキの葉裏で、やはり1匹だけ見つけていて、その時以来です。食餌植物とされるクスノキ科のシロダモやアブラチャン、クロモジなどはこの場所にはないと思っているのですが、なにぶん植物には疎いのでどこかで発生しているのを見落としているのかも知れません。別の場所のシロダモでの発生状況はこちらにあります。面白い姿をしたキジラミなので、今回は持ち帰ってスタック撮影しました。







(2022.11.04・明石公園)

ミズムシ科の幼虫(深度合成)

 プランクトン観察のために採ってきたサンプルの中を泳ぎ回っていたミズムシ科 Corixidae の幼虫です。実は同様の幼虫を以前のブログでマツモムシ科として出していたのですが、あらためて調べてみた結果頭部や前脚の形からミズムシ科と判断しました。活発に動き回るのをカバーガラスで軽く押さえ、動きの止まった間を見計らってピントノブを回しながら連写モードでスタック撮影しています。




(2022.11.01・神戸市西区伊川にて採集)

2022年11月5日土曜日

ネコハエトリ・♀

 ヤブガラシの葉の上で食事中のネコハエトリ Carrhotus xanthogramma の♀。


獲物は多分、周りのセイタカアワダチソウの花にたくさん来ていたツマグロキンバエ。


ハエトリグモは何と言っても顔ですね。

向こうを向いてもこっちが見えてる?

(2022.10.31・神戸市西区伊川)

2022年11月4日金曜日

キリウジガガンボ・♀

 これもブログに出すのは初めてだと思います。河川敷のヤブガラシの繁みにいたキリウジガガンボ Tipula aino です。

普段は横目で見ただけで通り過ぎるような最普通種ですが、なにしろ虫が少ないので贅沢は言ってられません。日陰なので自然光ではあまり絞れずピントがちょっと浅いです。

これはストロボ使用ですが、やはり自然光の方がいいですね。

体長は約23mm。北隆館の図鑑やいろいろなネット情報では15~18mmとされているのほとんどなんですが、これは大き過ぎるのかな?

心配なので翅の写真も出しておきます。

(2022.10.27・神戸市西区伊川)

2022年11月3日木曜日

オンブバッタ雌雄

 この季節、草叢を歩いていると足元からいくらでもとび出してくるオンブバッタですが、最近はアカハネオンブバッタ Atractomorpha sinensis という、一見見分けのつかないほどよく似た南方種がこのあたりにも分布を拡げてきて、すでにかなりの割合で在来種と置き代わっているそうです。普段からバッタ類に全く注意を払っていなかった私は虫取り仲間に教えられて初めてそのような事情を知ったのでした。この日は何も収穫の無いまま歩き回った末、そのアカハネでもいいだろうという気になってあちこちでペアになっているそれらしきバッタを何組か撮ってみたのですが、帰宅して写真をよく調べると全て無印のオンブバッタ Atractomorpha lata なのでした。アカハネは在来種と違ってよく飛ぶそうなので、こちらが近づくといち早く逃げてしまったのかも知れません。

緑色の♀に茶色の♂のペア。

そこに突然、もう1匹の♂が闖入してきました。

♀は2匹をおんぶしたまま歩き回ります。

やはり先取権が強いのか、やがて後から来た♂は向きを変えて降りていきます。

元通り。

(2022.10.27・明石公園)

2022年11月2日水曜日

イトダニ科(Uropodidae)の一種

 落ち葉の中から拾い上げた枯れ枝に、赤いダニがたくさんくっついていました。こちらと同じ、イトダニ科(Uropodidae)の一種です。以前BABAさんがブログに掲載されたこのダニの美しい深度合成画像を見て、ああいう画像を自分も一度撮っておきたいと思っていたので、フィルムケースに数匹放り込んで帰りました。

これはやや大きめで甲が高く、体色の暗い個体。腹面です。脚がきれいにしまい込まれています。ゴミだらけですが、これでもかなり掃除したつもりです。

同じ個体の前半部。

こちらはやや小型で甲が低く、体色の明るい個体。背面です。一見何もないつるつるの滑らかな甲羅に見えますが、ごく細かな毛が疎らに生えています。

同じ個体の腹面。中央付近の構造が最初の個体とだいぶ違いますが、雌雄の違いか発育段階の違いか、あるいは別種なのか勉強不足で分かりません。

同じ個体。

もう1枚。

(2022.10.27・明石公園にて採集)