2024年6月10日月曜日

シロジマエダシャク

 これはシロジマエダシャク Euryobeidia languidata だと思います。カナメモチの葉裏にいました。翅の傷みもほとんどない綺麗な個体で、羽化後あまり時間がたっていなかったのかも知れません。枝を引き寄せても逃げずに大人しくしていてくれたので、特に意味もありませんが各部のアップを撮らせてもらいました。これまで何度も撮影している気がするのですが、調べてみるとまだブログには出していなかったようです。食草のモチノキは、この公園内では最も多い樹種の一つです。









(2024.06.01・明石公園)

2024年6月9日日曜日

ツマキヘリカメムシ

 イタドリに絡んだヤブガラシの蔓に、多数のツマキヘリカメムシ Hygia opaca が集まっていました。と、書きましたがツマキヘリカメムシは同属のオオツマキヘリカメムシH. lativentris と酷似していて、外見ではほとんど区別がつかないとされています。一番分かりやすい違いは♂の交尾器端の突起ですが、今回見つけた集団はほとんどの個体が交尾中で、肝心の部分が見えません。とうことでどちらの種かはっきりしないことになりますが、撮影した個体の中では体長が10mmを超えるものはいないようなので、とりあえず表題はツマキヘリカメムシとしました。





(2024.06.01・明石公園)

2024年6月8日土曜日

ウスアオクチブトゾウムシのペア

 マテバシイの葉裏でウスアオクチブトゾウムシ Lepidepistomus elegantulus のペアを見つけたので撮ろうとすると、あっさり落ちてしまいました。しかし周りを探してみると同じ木にまだたくさんいて、多くがペアになっています。何度も失敗しながら、どうにか3組ばかり撮影することができました。
種名はいつもの保育社の甲虫図鑑で、クチブトゾウムシ族の属の検索表と種の説明から見当をつけましたが、この図鑑での属名 Macrocorynus はその後 Lepidepistomus に変更されたようです。以前のブログに出した、アラカシの幹で産卵していた「クチブトゾウムシの一種」も同種だと思います。

一つめのペア。♀の鱗片がかなり剥げていて、赤褐色の地色が見えています。

二つめのペア。

三つめのペアは撮ろうとすると♂が離れてしまいましたが…。

しばらく放っておいた後見に行きと、また戻っていました。体長はどちらも約4.5mmです。

♀の鼻先の赤いのは汚れでしょうか。

(2024.06.01・明石公園)


2024年6月6日木曜日

イタドリに集まっていたキボシツツハムシ

 前回前々回の記事のヒメコブハムシと同じイタドリの群落に、このキボシツツハムシ Cryptocephalus perelegans もたくさん来ていました。多くは葉裏にとまっていて、葉に触れると簡単に落下してしまいます。雌雄のペアもいくつか見られましたが、そんなわけで最初の日はすべて落としてしまい、一週間後に再挑戦してようやく撮影出来ました。このハムシを一度に多数見たのは初めてですが、調べてみるとかなり多食性のハムシで、イタドリも食草として知られているようです。また、以前に一度だけ見たのですが、このハムシもコブハムシ類と同じように産卵した卵に糞で覆いを施す習性があります。今回は多数の個体がいたので、中に産卵中の♀がいないかと探したのですが、見つかりませんでした。




葉裏に糞をしていた個体です。かなり時間をかけてお尻の先で糞を捏ねているような動作をしていたので、もしや産卵準備かと期待したのですが、やがて葉表に回ってしまいました。

葉表に回って、今度はやや液状の糞をしていましたが、やがて離れてしまいました。ただの排泄だったのだと思いますが、ひょっとするとほんとに産卵準備で、こちらが邪魔をしたせいで中止してしまったとすれば残念です。

一週間後にようやくペアを撮れました。♀は茎をせっせと齧っている最中で、そのおかげでおとなしくしていたようですが、やがて歩きはじめ、最後にはやはりポロリと落ちてしまいました。

(2024.05.25,最後のペアのみ6.01・明石公園)


2024年6月3日月曜日

ヒメコブハムシの産卵

 昨日の記事のヒメコブハムシ Chlamisus diminutus を撮影したイタドリの群落を一週間後に再び訪れると、運よく産卵中の♀が見つかりました。葉柄の付け根に近い茎の上ですが、同属のムシクソハムシツツジコブハムシで見たのと同じように、排出した卵に糞を塗り付けている最中のようです。残念ながらすでに作業の最後の段階で、卵本体は糞に覆われて見えません。また最初は気づかなかったのですが、カメラの角度を変えてみると作業中の卵の周りにすでに糞で覆われた卵が3個見えてきました。ムシクソやツツジコブでは複数個をかためて産み付ける習性はないと思われるので、これはちょっと意外です。また、完成した“糞ケース”の天辺に細長く伸びた突起がつくのも他の2種には見られない特徴です。


後脚で支えて回しながら糞を塗り付ける動作は他の2種と同じです。



反対側から。

すでに3個の“糞ケース”が完成していました。


先に完成していた糞ケースです。高さは突起部を除いてちょうど1mmほど。幼虫が孵化するとおそらくケースの底、つまり茎に接した部分に穴を開けて顔を出して歩きはじめるのだろうと思いますが、この長い突起のついたケースを背負って歩く姿はちょっと面白いかも知れません。

作業を終えた♀は少し前に移動してイタドリの枝を齧りはじめました。周囲の皮が剥がれたように見える部分もこの♀の齧り跡でしょうか。最後に完成した糞ケースに突起部がないのは、撮影で邪魔をされたせいで仕上げを端折ったのかもしれません。

(2024.06.01・明石公園)

2024年6月2日日曜日

ヒメコブハムシ

 イモムシの糞に似たハムシ、コブハムシ属 Chlamisus は国内に9種の既知種が分布しているそうです。その中でこれまでに撮影できたのは共に普通種のムシクソハムシ C. spilotus とツツジコブハムシ C. laticollis の2種で、このヒメコブハムシ C. diminutus は3種目になります。イタドリで見つけたのですが、多くが葉ではなく茎や葉柄についていて、それを齧っているものもいました。この属は図鑑でも図示されている種が少なく調べにくいのですが、甲虫図鑑の検索表に照らして黄褐色の附節と触角以外のほぼ全身が黒いことや前胸腹板後突起の形から、ヒメコブで間違いないと思います。ただし下の写真の個体は体長が約3mmあり、検索表の体長(2.2~2.8mm)をやや上回ります。

何匹か見つけたうちの1匹です。葉柄の付け根にうずくまっていました。

撮影を始めたことで目が覚めたのか、少し移動して葉柄を齧り始めました。




ムシクソやツツジコブと同様、鞘翅の合わせ目はファスナー状です。


上とは別の個体ですが、深度合成撮影のために1匹持って帰りました。

上の個体より小型で、体長約2.6mm。


前胸背板に貼り付いた汚れがどうしても取れませんでした。

鞘翅の合わせ目。

展脚も試みたのですが、やはり私の手には負えません。とりあえず同定ポイントの一つである前胸腹板後突起が確認できるようになったことで満足して、壊してしまう前に止めました。

画面中央よりやや下、下を向いた鏃のような形をしているのが前胸腹板後突起です。

(2024.05.25・明石公園)


2024年5月31日金曜日

ジョロウグモの子どもたち(団居)

 トウネズミモチの、白い蕾をつけた枝の間に子グモの団居(まどい)ができていました。ジョロウグモ Trichonephila clavata だと思います。四つほどの塊に分かれていましたが、同じ一つの卵嚢から出てきた兄弟たちなのか、それぞれ別の卵嚢から生まれたものなのか分かりません。ジョロウグモは大型のクモとしてはこの公園で最も目につく種ですが、秋も遅くなってから産卵し、卵嚢を守る♀の姿が年を越しても見られることがあります。



子グモの体長は1.7mmほどです。枝に触れるとクモの子を散らしてしまうので、アップを撮るのにはちょっと苦労しました。

(2024.05.21・明石公園)