2024年6月13日木曜日

アオマダラタマムシの交尾・産卵

 昨年もこの季節に登場したアオマダラタマムシ Nipponobuprestis amabilis ですが、この公園で見かけるようになったのはわりあい最近のことで、おそらくここ5~6年か、せいぜい10年以内のことだと思います。なぜだかよく分かりませんが、外来種というわけでもなく、年々虫が減っていく中でこんな綺麗な虫が増えてきたのは悪いことではありません。この日は、以前からこのタマムシがよく集まっていたクロガネモチの切り株の上で交尾中のペアを見つけました。



大型の♀と小さな♂のペアで、体長はそれぞれ26と20mmくらいです。

同じ切り株で、産卵中の♀もいましたが、大きな割れ目の底の方を移動しながら産卵しているので、これ以上レンズを近づけることが出来ませんでした。

小型の♀で、上のペアの♂と同じくらいの体長です。

(2024.06.04・明石公園)

2024年6月12日水曜日

アオスジアゲハの幼虫たち

クスノキのひこばえと、すぐ近くのヤブニッケイでアオスジアゲハ Graphium sarpedon の幼虫を何匹か見つけました。

これが一番大きくて、体長約22mm。クスノキの葉の上にいました。3齢か4齢くらいだと思います。

真横から、辛うじて顔が見えます。

3対の黒い角状突起。

これもクスノキにいた、やや小型の幼虫。体長約15mmで、2齢か3齢でしょう。

色と大きさ以外は1匹目と同じ感じです。

これが1齢幼虫です。体長は5mmくらいで、ヤブニッケイの葉の裏にいました。お尻の先に糞がついています。

全身棘だらけですが、その中でやはり3対の突起が目立ちます。


大小の棘はすべて先端が二股に分かれています。


(2024.06.04・明石公園)


2024年6月10日月曜日

シロジマエダシャク

 これはシロジマエダシャク Euryobeidia languidata だと思います。カナメモチの葉裏にいました。翅の傷みもほとんどない綺麗な個体で、羽化後あまり時間がたっていなかったのかも知れません。枝を引き寄せても逃げずに大人しくしていてくれたので、特に意味もありませんが各部のアップを撮らせてもらいました。これまで何度も撮影している気がするのですが、調べてみるとまだブログには出していなかったようです。食草のモチノキは、この公園内では最も多い樹種の一つです。









(2024.06.01・明石公園)

2024年6月9日日曜日

ツマキヘリカメムシ

 イタドリに絡んだヤブガラシの蔓に、多数のツマキヘリカメムシ Hygia opaca が集まっていました。と、書きましたがツマキヘリカメムシは同属のオオツマキヘリカメムシH. lativentris と酷似していて、外見ではほとんど区別がつかないとされています。一番分かりやすい違いは♂の交尾器端の突起ですが、今回見つけた集団はほとんどの個体が交尾中で、肝心の部分が見えません。とうことでどちらの種かはっきりしないことになりますが、撮影した個体の中では体長が10mmを超えるものはいないようなので、とりあえず表題はツマキヘリカメムシとしました。





(2024.06.01・明石公園)

2024年6月8日土曜日

ウスアオクチブトゾウムシのペア

 マテバシイの葉裏でウスアオクチブトゾウムシ Lepidepistomus elegantulus のペアを見つけたので撮ろうとすると、あっさり落ちてしまいました。しかし周りを探してみると同じ木にまだたくさんいて、多くがペアになっています。何度も失敗しながら、どうにか3組ばかり撮影することができました。
種名はいつもの保育社の甲虫図鑑で、クチブトゾウムシ族の属の検索表と種の説明から見当をつけましたが、この図鑑での属名 Macrocorynus はその後 Lepidepistomus に変更されたようです。以前のブログに出した、アラカシの幹で産卵していた「クチブトゾウムシの一種」も同種だと思います。

一つめのペア。♀の鱗片がかなり剥げていて、赤褐色の地色が見えています。

二つめのペア。

三つめのペアは撮ろうとすると♂が離れてしまいましたが…。

しばらく放っておいた後見に行きと、また戻っていました。体長はどちらも約4.5mmです。

♀の鼻先の赤いのは汚れでしょうか。

(2024.06.01・明石公園)


2024年6月6日木曜日

イタドリに集まっていたキボシツツハムシ

 前回前々回の記事のヒメコブハムシと同じイタドリの群落に、このキボシツツハムシ Cryptocephalus perelegans もたくさん来ていました。多くは葉裏にとまっていて、葉に触れると簡単に落下してしまいます。雌雄のペアもいくつか見られましたが、そんなわけで最初の日はすべて落としてしまい、一週間後に再挑戦してようやく撮影出来ました。このハムシを一度に多数見たのは初めてですが、調べてみるとかなり多食性のハムシで、イタドリも食草として知られているようです。また、以前に一度だけ見たのですが、このハムシもコブハムシ類と同じように産卵した卵に糞で覆いを施す習性があります。今回は多数の個体がいたので、中に産卵中の♀がいないかと探したのですが、見つかりませんでした。




葉裏に糞をしていた個体です。かなり時間をかけてお尻の先で糞を捏ねているような動作をしていたので、もしや産卵準備かと期待したのですが、やがて葉表に回ってしまいました。

葉表に回って、今度はやや液状の糞をしていましたが、やがて離れてしまいました。ただの排泄だったのだと思いますが、ひょっとするとほんとに産卵準備で、こちらが邪魔をしたせいで中止してしまったとすれば残念です。

一週間後にようやくペアを撮れました。♀は茎をせっせと齧っている最中で、そのおかげでおとなしくしていたようですが、やがて歩きはじめ、最後にはやはりポロリと落ちてしまいました。

(2024.05.25,最後のペアのみ6.01・明石公園)


2024年6月3日月曜日

ヒメコブハムシの産卵

 昨日の記事のヒメコブハムシ Chlamisus diminutus を撮影したイタドリの群落を一週間後に再び訪れると、運よく産卵中の♀が見つかりました。葉柄の付け根に近い茎の上ですが、同属のムシクソハムシツツジコブハムシで見たのと同じように、排出した卵に糞を塗り付けている最中のようです。残念ながらすでに作業の最後の段階で、卵本体は糞に覆われて見えません。また最初は気づかなかったのですが、カメラの角度を変えてみると作業中の卵の周りにすでに糞で覆われた卵が3個見えてきました。ムシクソやツツジコブでは複数個をかためて産み付ける習性はないと思われるので、これはちょっと意外です。また、完成した“糞ケース”の天辺に細長く伸びた突起がつくのも他の2種には見られない特徴です。


後脚で支えて回しながら糞を塗り付ける動作は他の2種と同じです。



反対側から。

すでに3個の“糞ケース”が完成していました。


先に完成していた糞ケースです。高さは突起部を除いてちょうど1mmほど。幼虫が孵化するとおそらくケースの底、つまり茎に接した部分に穴を開けて顔を出して歩きはじめるのだろうと思いますが、この長い突起のついたケースを背負って歩く姿はちょっと面白いかも知れません。

作業を終えた♀は少し前に移動してイタドリの枝を齧りはじめました。周囲の皮が剥がれたように見える部分もこの♀の齧り跡でしょうか。最後に完成した糞ケースに突起部がないのは、撮影で邪魔をされたせいで仕上げを端折ったのかもしれません。

(2024.06.01・明石公園)