3年前にもほぼ同じものを出していますが、サクラの葉裏で産卵していたキマダラカメムシ Erthesina fullo です。1か月近く前に撮った写真です。
2024年9月4日水曜日
キマダラカメムシの産卵と孵化幼虫
2024年9月1日日曜日
ヒラアシキバチ♂の羽化
エノキの立ち枯れに、ヨコヅナサシガメの幼虫が集まっていました。昨年8月にヒラアシキバチ Tremex longicollis の産卵、この7月にはそれに寄生するオナガバチ類の産卵を見てきたのと同じ木です。今年のヒラアシキバチの産卵は時期を逃して見られませんでしたが、幹に突き刺さったままの産卵管の残骸を見ると、かなりの数が産卵に集まってきていたようです。
幹には今年のものと思われる脱出口が多数開いていてますが、中を覗き込むとかなり高い割合で脱出できずに死んだキバチの頭が見えます。穴が開いた途端、脱出する間もなくサシガメ幼虫に襲われたものでしょう。まだあちこちで口吻を差し込んでいる幼虫が見られました。
その中で、まだ穴の開いていない場所にサシガメ幼虫が集まっているのを見つけました。おそらく樹皮のすぐ下に脱出間近のキバチがいるのを嗅ぎつけてそれを待ち構えているものと思われます。以前にも同じ状況を見たことがあったので、邪魔なサシガメたちを追い払い、キバチが出てくるのを待つことにしました。
過去の経験からそれほど時間はかからないだろうと楽観していたのが結局3時間以上、懲りずに何度も集まってくるサシガメ幼虫を追い払いながら枯木の前に立ち尽くすことになりましたが、その甲斐あって出てきたのはかなり稀といわれる♂個体でした。
ヒラアシキバチは単為生殖とされていて、以前にも脱出した♀がそのまま同じ枯木で産卵するのを見たことがあります。ごくまれに出現する♂は繁殖には貢献しないだろうということですが、今回の♂も、同じ木で育った♀は既に羽化・産卵を済ませているはずなので、相手を見つけることは難しいと思われます。
2024年8月27日火曜日
ツツゾウムシのペアが沢山
アラカシの枯れ枝で、ツツゾウムシ Carcilia strigicollis のペアを見つけました。撮影しながら周りを探すと、同じ枝にまだ何組ものペアがいて、背中の♂と交尾しながら♀が口吻で樹皮に産卵用の穴を開けていたり、♂を背負ったまま産卵中の♀もいます。この公園ではあまり見ない種ですが、集まるところには集まるもんだと感心しました。
こちらの♀は産卵中です。林の中の非常に暗い場所で、思い切ってシャッター速度を遅くしたので盛大にブレてしまいました。2024年8月26日月曜日
コウヤツリアブ
これも先月撮ったものです。樹種不明の切り株の周りを2匹のコウヤツリアブ Anthrax aygulus が飛び回っていました。ときどき1匹が切り株に着地するのですが、もう1匹が近づいてくるとすぐまた飛び上がってしまい、2匹が同時にとまることがありません。縄張り争いでもしているのか、あるいは雌雄で追いかけっこでもしているんでしょうか。
カリバチやハナバチに寄生するハエで、虫孔の開いた枯木などではよく見かける種ですが、当ブログでは初登場だと思います。
2024年8月24日土曜日
産卵するヤノトラカミキリ
一か月以上も前に撮ったものです。半分枯れたエノキの幹で、ヤノトラカミキリ Xylotrechus yanoi が産卵していました。歩き回りながらあちこちで産卵管を差し込んでいくのですが、あまり低いところまでは降りてきてくれなかったので、写真は1枚だけです。
公園内で立ち枯れになった樹木は倒れたり枝が落ちたりすると危険なので、多くはやがて伐採されることになります。エノキの枯れた幹にはいろいろな虫が集まってくるのでわれわれのような虫好きには貴重ですが、この木も来シーズンは姿を消しているかもしれません。
2024年8月23日金曜日
アベマキに産卵するタイワンヒラアシキバチ
最近この公園でも目撃情報のあったタイワンヒラアシキバチ Eriotremex formosanus を、ようやく撮影することができました。南方系の種ですが、西日本から関東あたりまで記録があるそうで、ご近所の Acleris さんのところでもすでに4年も前に紹介されています。
ほぼ枯れてしまったアベマキの幹の、かなり高い場所を行ったり来たり歩き回っていたのですが、やがて地上2mちょっとのところで産卵をはじめました。カメラを持った手をいっぱいに伸ばしても届かない高さですが、ちょうど地上付近で幹が二股に分かれていて、その上に登り危なっかしく片手でカメラを持って撮影したのが1枚目の写真です。エノキの立ち枯れに来るヒラアシキバチはこの公園でも以前からよく見られますが、そっちの場合は一度産卵を始めると長時間同じ姿勢のまま動かないことが多いので、この種も同様だろうと思って見ていたらほんの数分で産卵管を抜いて再び歩きだし、やがてもっと低くて撮りやすい場所で再び産卵管を突き刺しました。それが2枚目。3枚目は産卵場所を探して歩き回っているところ、4枚目は産卵管を刺したまま死んでいた別個体です。来年あたり、その幼虫を目当てに大型の寄生バチでもやってくると楽しいのですが。
2024年8月21日水曜日
ヒラタグンバイウンカ
今日はいつもの公園で内輪の“観察会”。ビーティング用の小道具を用意していた虫仲間がススキの葉を叩くとこのヒラタグンバイウンカ Ossoides lineatus が落ちてきました。ずいぶん以前にもっと標高の高い場所で撮影したことはありますが、平地の公園で見るのは初めてです。もっといるかも知れないと皆で当のススキの株をかき分けてみれば、葉裏にとまっているのが何匹も見つかりました。この公園でもよく見られるミドリグンバイウンカに似ていて、その頭部を薄く長く引き伸ばしたような格好の美しい虫です。これまでこの公園で見たことが無かったのが不思議ですが、少し離れた場所のススキでは1匹も見つかりませんでした。同じ公園の中でも発生はごく局部的なのかも知れません。