過去に何度も出しているのですが、ナシグンバイ卵に産卵するホソハネコバチを見つけました。体長0.4mm足らずの極小サイズのハチで、Anagrus 属の一種だと思っているのですが、確実ではありません。サクラの葉裏でナシグンバイの産卵跡を見つけるととりあえずこのハチが来ていないか探してみるのですが、10Xのルーペを使っても見逃してしまいそうな大きさなので、この日見つけたも前回から3年ぶりです。1匹だけでしたが、葉をつまんでレンズを近づけても悠然と歩き回り、何度も産卵管を突き刺していました。
グンバイムシの卵では、以前にネジキの葉裏でトサカグンバイの卵に産卵していると思われる別種のホソハネコバチを撮影したことがあります。その他にもヒメグンバイやアワダチソウグンバイなど、非常に個体数の多いグンバイは何種類もいて、それらに寄生するハチがいないはずがないと思って探してみるのですが、まだ見ていません。
2024年10月5日土曜日
ナシグンバイ卵に産卵するホソハネコバチ(?Anagrus sp.)
2024年10月4日金曜日
クヌギハケタマフシに産卵するイソウロウタマバチの一種
アベマキの葉裏が無数の虫こぶ(ゴール)で覆われています。
ところで、このクヌギハケタマフシを形成するクヌギハケタマバチ Cerroneuroterus japonicus については、これまでネット上にも画像が見当たらずどんな姿をしているのか見当がつかなかったのですが、今回あらためて探してみるとこんな記事が見つかりました。これまでこの種に与えられていた複数の学名を一つに整理したという内容ですが、単性世代と両性世代を繰り返すというこの仲間の習性も一因となって、同じ種が過去に9回も新種として記載されていたそうです。
さて、その記事には二つの世代の成虫の画像が載せられているのですが、胸部・頭部にオレンジ色の部分のある両性世代の成虫が、以前に掲載したものによく似ていることに気づきました。アベマキの新葉裏に産卵しているのを何度か見ていて、同じ場所で当の虫こぶもよく見られるので、同種の可能性が高いと思います。
2024年9月25日水曜日
キリの葉のタバコカスミカメ
キリの幼木の大きな葉を裏返すと、このタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis がたくさんついていました。
このカメムシを初めて見たのは約5年前で、やはりキリの葉の裏でした。この公園には大きく成長したキリの木は少ないのですが、幼木はいたるところに生えてきます。その葉では必ずと言って良いほどヒメイトカメムシが群れているのですが、タバコカスミカメが見つかる場所は限られていて、この日見つけたのも5年前に初めて見た場所の近くでした。
今回は交尾中のペアも多く、またヒメイトカメムシの死骸を吸汁しているものもいました。タバコカスミカメはアザミウマやコナジラミなどの農業害虫を捕食するため生物農薬としての利用が進められているようです。キリの葉に集まっているのは、粘つく腺毛に捕まった微小昆虫が目当てなのかも知れません。関係があるのかどうかわかりませんが、農林省のサイトを見ると、このカメムシが好むゴマとクレオメを増殖に利用する方法が紹介されていて、調べてみるとどちらの植物にも葉に粘着性の腺毛が存在するようです。
2024年9月19日木曜日
タケノホソクロバの卵と若齢幼虫
ササの葉を捲っていると、きれいに並んだ小さな卵が見つかりました。
2024年9月13日金曜日
お尻の先に排泄物をくっつけて運ぶアザミウマの幼虫たち
2024年9月10日火曜日
シンジュキノカワガの幼虫
初めて見たシンジュキノカワガ Eligma narcissus の幼虫です。
以前この公園で幼虫を見つけたという話を虫仲間から聞いていたのですが、この日もそのご当人の案内で探しに来たシンジュの幼木で見つかりました。複数の木で大小数匹、大きいもので体長5センチほどあります。
シンジュキノカワガは全国で見つかっているようですが、それらはすべて原産地の中国大陸から偶然飛来した成虫が食樹のシンジュ(ニワウルシ)を見つけて産卵・繁殖したもので、暖かい間に2~3世代は発生するものの、日本の冬は越せずに全滅するということです。
冬はまだ先なので、この日見つけた幼虫たちが成虫になる時間はたっぷりあると思いますが、その次の世代はどうなんでしょうか。温暖化が進んでこのあたりでも一昔前に比べると冬らしい寒さの日がずいぶん少なくなっているように感じますが、この蛾も実はどこかで冬を越しているという報告がそのうち聞かれるのではないかという気もします。