2022年6月25日土曜日

シバンムシ科の一種(?Anobium sp.)

 サクラの葉の裏で交尾していたシバンムシの一種です。調べてみると以前のブログで12年前にも全く同じような写真を出していました。今回海外サイトで見られる標本画像などを色々見比べると、全体の体形や上翅の条線などはAnobium 属が最も似ているようです。前回も今回も触角すら写っていないのでそれ以上の推測は無理でしょう。そのうち気が向いたら採集してみようと思います。

体長は、このままの姿勢で上の個体が約4.3mm、下が3.9mmくらいです。胸部と頭部を起こしたらもっと大きくなるでしょう。


顔面はこれが限界でした。上の、大きい方の個体です。

(2022.06.17・明石公園)


2022年6月24日金曜日

ホソチャタテの産卵

 サクラの葉の裏で、チャタテムシと産下したばかりらしい卵塊が見えました。ホソチャタテ科のホソチャタテ Stenopsocus aphidiformis のようです。

卵塊への糸掛け作業の最中かと思えば、なにやら様子が違います。

腹端から新たな卵が一つ出てきました。産卵はまだ終わっていなかったようです。

位置を変えてまた一つ。

見ている間に3個ばかり卵を追加しましたが、それで予定が終了したのか、または邪魔が入ったので切り上げたのか、卵塊に糸を掛ける仕事を始めました。

その後の作業は以前に見たトビモンケチャタテウスベニチャタテウスイロチャタテの一種などとほぼ同じで、体軸を回転させながら口から吐く糸で卵塊を蔽っていくのですが、動きが速いのでピントは運まかせです。




糸掛け作業は15分ほど続きました。

母虫が去った後の卵塊です。

(2022.06.17・明石公園)

2022年6月23日木曜日

ハネオレバエ科 Chyliza sp.

 モチノキの幹にいた細長いハエです。2匹か3匹いて、幹を上り下りしていました。こちらが近づいて一旦逃げてもすぐにまた戻ってくるということを繰り返していたので、この場所に何か目的があったのかも知れません。最初の印象では以前に出したハネオレホソバエ科のミナミハネオレホソバエ?(?Strongylophthalmyia crinita)に似ていると思ったのですが、翅脈を見るとハネオレバエ科のようです。その線で海外サイトの標本画像や翅脈図などと見比べた結果、 Chyliza 属に落ち着きました。なかなか立ち止まらないので顔面などは撮れませんでした。体長は約6mmです。


上の2枚は別個体かも知れません。

1枚目の個体ですが、斜めからでピントが浅く翅脈が読みにくいので2枚並べておきます。

(2022.06.17・明石公園)


2022年6月22日水曜日

アカマダラメイガ

 黄・赤・白の色分けが美しい蛾で、メイガ科のアカマダラメイガ Oncocera semirubella で間違いないと思います。足元の草むらからとび出して近くの葉の上にとまったのですが、カメラを近づけると飛んで少し離れた場所にとまるということを何度か繰り返した末、遠くへ消えてしまいました。頭端から翅端まで約14mm。食草はマメ科のメドハギなどのマメ科植物だそうです。



(2022.06.01・神戸市西区伊川)


2022年6月21日火曜日

クロオオアリを捕えたアオオビハエトリ

 ツユクサの葉の上で、アオオビハエトリ Siler vittatus がクロオオアリを捕えていました。アリ専門のハンターとは言え、ずいぶん大きな獲物を仕留めるもんですね。




(2022.06.17・明石公園)

2022年6月20日月曜日

ウシカメムシ初齢?幼虫

 アラカシの葉の裏で卵の抜け殻の周りに仲良く輪を作っているカメムシの幼虫を見つけました。クサギカメムシかと思っていましたが、撮った画像をよく見るとウシカメムシ Alcimocoris japonensis のようです。このような状態の幼虫は初めて見ました。卵殻に比べてずいぶん大きく見えますが、キマダラカメムシの初齢幼虫でも脱け殻よりはるかに大きくなるので、この幼虫たちもまだ初齢ではないかと思います。脱け殻は10個で幼虫も10匹。このカメムシが産卵するところは2度(こちらこちら)見ましたが、いずれも卵数は10だったので、これが標準なのかもしれません。幼虫の体長は2mm弱です。





(2022.06.08・明石公園)

2022年6月19日日曜日

ニセクロオビケシマキムシ

 セイタカアワダチソウの葉裏にいた小甲虫です。保育社の甲虫図鑑でクロオビケシマキムシ Corticaria ornata とあたりをつけたのですが、ネット情報で同属のニセクロオビケシマキムシ C. geisha という酷似種が存在することを知りました。今坂正一とE-アシストというサイトには両種の標本画像が示されていて、それと見比べると今回撮影した個体は“ニセ”の方に似ているようです。クロオビはニセクロオビに比べてトレードマークの黒帯が薄くてしばしば消失し、また上翅の毛がより長く立っているのが特徴だそうですが、かなり微妙な違いなので、とりあえず疑問符付きでニセクロオビケシマキムシとしておきます。



体長は約2.3mm。右触角の球桿が失われています。



(2022.05.22・明石公園)