2024年5月17日金曜日

イボタガ若齢幼虫

 ネズミモチの葉裏についていたイボタガ Brahmaea japonica の幼虫です。体長6mmほどで、2齢くらいでしょうか。虫好きの間では人気の高いイボタガですが、これまで成虫を一度見たことがあるだけで、近所の公園で繁殖しているとは思っていませんでした。体の前後に長い突起を備えていますが、終齢では失われるそうです。






おまけで、以前一度だけ見た成虫です。


出勤途中、自宅近くの街路樹にとまっていたのをコンデジで撮ったものです。

(幼虫:2024.05.04・舞子墓園/成虫:2009.04.11・神戸市垂水区)

2024年5月13日月曜日

ギシギシクチブトサルゾウムシ4階建て

 ギシギシの葉の上を何やらゴミのようなものが動いていくのが見えて、はじめミノムシかクサカゲロウの幼虫あたりかと思ったのですが、ファインダーを覗いてびっくり、小さなゾウムシが4匹、縦に重なっていたのでした。昨年も掲載したギシギシクチブトサルゾウムシ Rhinoncus jakovlevi です。おそらく1匹の♀に求愛する♂が次々と乗っかっていった結果だろうと思いますが、この状態で葉の上を倒れもせずに歩き回っているのには感心しました。ゾウムシの体長は2.5mm前後で、全体の高さは5mmくらいになると思います。


やはり一番下の、♀と思われる個体が体も一番大きいようです。




最後におまけ。別の日に撮った、ギシギシの葉を齧る本種です。


(2024.05.02/5枚目のみ04.12・神戸市西区伊川)

2024年5月12日日曜日

マダラトベラキジラミ

 トベラの葉の裏でマダラトベラキジラミ Cacopsylla sp.1 が羽化を始めていました。この種は未記載種で和名も仮称ということですが、最新の情報を確認しているわけではないので、今頃は正式な名前がついているのかも知れません。トベラにつくキジラミには他に同属のトベラキジラミ C. tobirae という種もあって、この公園でも見られますが、両種は体や翅の斑紋の違いで簡単に見分けられます。この日見た成虫はどれも羽化後間もないようで体色の薄い個体ばかりでしたが、時間がたつとこちらのようになるはずです。

脱皮殻と♂成虫。

これも♂で、体長は約2.7mm。

これは♀で、体長は約3.2mm。雌雄は腹端の形で区別できます。

まだ翅の伸びていない成虫もいましたが、レンズを近づけると葉の表に回ってしまいました。

この写真では腹端が見えにくいのですが、♂でした。

主脈の上で脱皮中の幼虫。

5分足らずで出てきました。これで終齢だと思います。

(2024.05.02・明石公園)


2024年5月11日土曜日

サトオオトガリキジラミの終齢幼虫

 昨日の記事に出したオオトガリキジラミ属の幼虫を撮影してから2週間後、成虫が見られないかと期待して同じアキグミを見に行きました。ところが成虫はおろか葉裏の幼虫も、脱皮殻すら全く見つかりません。ようやく見つけたのは葉の表に乗っていたこの1匹だけでした。大きさから見て終齢と思われます。改めていつもお世話になっている「山陰地方のキジラミ図鑑」を見てみると、オオトガリキジラミ属3種のうちサトオオトガリキジラミ Epitrioza yasumatsui のみ成虫だけでなく終齢幼虫の写真の掲載されていました。見比べると、トウグミの葉表に乗っていたのはこの種で間違いないでしょう。ただ、説明文には「幼虫はゴールを形成せず,葉の表側に張り付いている」とあります。とすると2週間前に葉裏についていた若齢幼虫は誰なんでしょうか。グミ類にはグミキジラミもつくそうですが、ネット上の画像を見ると明らかに別種です。分からなくなりました。

体長は約3.3mm。

横から。

前から。ちゃんと立派な複眼があります。

(2024.05.11・明石公園)



2024年5月10日金曜日

オオトガリキジラミ属の幼虫

 オオトガリキジラミの仲間(Epitrioza属)を見たのは昨年の冬、虫仲間と枝を叩いていた時に落ちてきたサトオオトガリキジラミ Epitrioza yasumatsui が初めてでした。この仲間はグミ類を食草としているそうなので、公園内のナワシログミやトウグミを時々調べていたのですが、この春になってトウグミの葉にそれらしい幼虫がついているのを見つけました。オオトガリキジラミ属には違いないと思いますが、幼虫では種の見分け方も分からないので、タイトルには属名だけ出しておきます。
写真は幼虫の大きさの順に並べました。撮影倍率はすべて同じで、体長は0.8mmから1.4mm。2齢と3齢くらいではないかと思います。







(2024.04.26・明石公園)

2024年5月8日水曜日

ネコハグモ

 ネコハグモは植物の葉の上に簡単なテント状の巣を作る小さなクモです。このあたりではあまり多い種ではない印象を持っているのですが、このところその巣を何度か見かけました。周囲を徘徊するでもなく、こんな小さな巣の中に陣取っているだけで獲物が捕れるんだろうかと思いますが、食事中の個体も多いのを見ればそれなりにやっていけるようです。

ムクノキの葉の巣。

中にいたのは♀です

獲物のユスリカはすでに吸い殻になっています。

こちらはアラカシの葉。

やはり♀です。

これはサクラの葉に巣を作っていた♀。

ツツジの花びらにも。

これは♂でした。

大きな触肢に顔が隠れています。
このクモの交接の様子はこちら。

(2024.04.23,24・明石公園)


2024年5月7日火曜日

アベマキの葉に産卵するタマバチの一種

 アベマキの新葉の裏に産卵していましたタマバチです。胸部側面や顔面のオレンジ色が特徴的ですが、同種と思われるものは以前のブログに2度(こちらの最後の写真と、こちら)、やはり同じ季節にアベマキで産卵していたものを掲載しています。アベマキの葉にはこの公園で見られるだけでも何種類もの虫こぶができますが、それらのうちのどれがこのタマバチによって作られるのかは分かりません。この日見たのは1匹だけでしたが、同じ葉の裏で何度も刺点を変えながら産卵を続けていました。








(2024.04.26・明石公園)