2024年12月24日火曜日

トウネズミモチのミカンコナジラミ幼虫

 トウネズミモチの葉裏にぽつぽつとミカンコナジラミ Dialeurodes citri の幼虫がついていました。柑橘類の害虫なのでこんな和名をつけられていますが、他にも多くの樹木に寄生するようで、近所の公園ではこのトウネズミモチやクチナシでよく見つかります。写真はすべて同じ倍率で、体長は1.2から1.6mmくらいです。平べったい体つきなので角度をうまく合わせればほぼ全体にピントが合うはずなんですが、手持ち撮影ではなかなかうまくいきません。






(2024.12.20・舞子墓園)

2024年12月20日金曜日

チャタテ科の一種

 モッコクの幹を、ムツテンチャタテかイダテンチャタテでもいないか探していると、個人的には初見と思われるチャタテが見つかりました。前胸背板から前翅の基部にかけての黒っぽい部分が特徴的で、これまでに撮影した記憶がありません。翅脈を見るとチャタテ科だと思われますが、複眼が大きいので♂でしょう。体長2.8mm、翅端まで4.3mmくらいです。





(2024.12.10・明石公園)



2024年12月18日水曜日

オナガコバチ科 Torymus sp.(深度合成)

 先日の記事のクヌギハケタマフシに産卵していたオナガコバチ科 Torymus sp.の小型種の方ですが、その数日後同じ木を見に行くとまだ2、3匹が産卵していたので、スタック撮影のために1匹採集して帰りました。残念ながら冷凍殺虫で腹部が縮んでしまい、また絡み合った脚もそのままですが、この小さなハチの美しさは分かっていただけると思います。









(2024.12.03・明石公園で採集)

2024年12月9日月曜日

晩秋のハラビロカマキリ幼虫

 11月以降、孵化したばかりと思われる季節外れのハラビロカマキリ幼虫をちらほら見かけました。今年は10月に入っても夏のような高温が長く続いたので、少し早めに産み付けられた卵が孵化してしまったのかと思いますが、ネット情報を探すと今年に限らず、またハラビロ以外でもカマキリ類の卵が年内に孵化してしまうのは特に稀な現象でもないようです。これらの幼虫が生きて冬を越せるとは思えませんが、これも温暖化の影響なんでしょうか。
写真の2匹はそれぞれ別の日に同じ
公園内で撮ったものですが、場所はかなり離れているので別々の卵から生まれたものだと思います。


アカメガシワの葉の上で。体長約10mmです。

こちらは赤くなりかけたヌルデの葉。大きさは同じくらいで、どちらも1齢でしょう。

上と同じ個体。

(2024.11.12/12.03・明石公園)


2024年12月4日水曜日

ホソミイトトンボ♂

 石垣から伸びた草にとまったホソミイトトンボ Aciagrion migratum です。すぐに逃げられたのでこの1枚しか撮れませんでしたが、レンズに手前の草がかぶって後半身がぼやけてしまいました。腹部の付け根に生殖器のふくらみが見えるので♂でしょう。体長は約39mmです。
成虫で越冬する種で、冬の間は写真のような枯葉色をしていますが、春になって成熟するとこちらのような色になります。その名の通り“糸”トンボの中でもひときわ細長い体つきをしています。


(2024.12.03・明石公園)


2024年11月30日土曜日

クヌギハケタマフシに産卵するオナガコバチ科の一種(Torymus sp.)

 アベマキの葉裏に出来たクヌギハケタマフシに、金属光沢に輝く美しいオナガコバチが産卵していました。大きさや体色の異なる2種がいて、どちらも以前コナラの枝先のナラメリンゴフシに産卵していた種によく似ています。おそらくTorymus 属ではないかと思いますが、確かではありません。同じ虫こぶに産卵するハチとしては、この秋だけでイソウロウタマバチカタビロコバチナガコバチに続いて4種目ですが、一種類の虫こぶがずいぶん多種類のハチに狙われるものです。

これは小型の種で、体長約3mm。虫こぶに口をつけたまましばらくじっとしていました。

同種と思われる別個体が産卵中。

上に同じ。

若干赤みが強い体色ですが、これも同種と思われます。

気がつけば、背面をほとんど撮っていませんでした。

こちらは大型種で、体長約4mm。1匹しか見つかりませんでした。

産卵を始めます。

産卵管を引き寄せて、

背伸びをしながら虫こぶに突き立て、

穿孔が始まると鞘が離れ、産卵管が虫こぶに挿入されていきます。

虫こぶは固そうに見えますが、意外に易々と入っていくようです。


(2024.11.20・明石公園)


2024年11月28日木曜日

シンジュキノカワガ・繭づくり

 クスノキの幹でシンジュキノカワガの幼虫が繭を作りはじめていました。
虫仲間に教えられて最初にこの幼虫を見たのは9月の初めで、すでにその時にもいくつかの繭が見つかっていたのですが、11月半ばも過ぎてまだ活動していることに驚きました。前回幼虫を見た数本の細いシンジュには幼虫もまだ数匹残っていて、繭を作っていたクスノキはそこから園路をはさんで10mばかり離れた場所です。

朝の9時過ぎ、地上1mちょっとの高さです。場所を決めたばかりのようで、周囲の樹皮をせっせと齧っていましたが、まだ繭らしい構造はまだほとんど見えません。幼虫の体長は約38mmです。

昼過ぎに見に来ても仕事はほとんど進んでいませんでした。

翌日、やはり9時過ぎに現場を訪れると、繭はほとんど完成していて(左下)、すぐ隣で別の幼虫が新たに工事を始めていました。

木屑を綴り合せた繭の、中心線上の細い隙間から幼虫の体が覗いています。

最後の仕上げをする幼虫の顔が見えます。

最後は隙間の左右を引き寄せて閉じるようです。

新たに来た方の繭はすでに左右の壁がだいぶ出来上がっていて、その間から身を乗り出して繭の材料を集めています。


材料の節約のためかかなり隙間の多い造りです。


樹皮から小さなかけらを齧りとっては繭の壁に付け加えていくという作業の繰り返しですが、かなり動きが素早くてここぞという瞬間がなかなか撮れません。

最初は1、2時間で仕事を終えそうな勢いだったのですが、たびたび長い休止が入るので思ったほどには捗らず、完成を見届けるのはあきらめました。

これは最初の繭、午後2時前の状態です。

元のシンジュの木には緑の葉も残り少なくなっていましたが、まだ数匹の幼虫が頑張っていました。
この季節に蛹化したものがいつごろ羽化するのか気になるところですが、ネット上では今年も各地でこの蛾の大発生が報告されていて、従来日本では越冬できないと言われていたのも怪しくなってきているようです。

(2024.11.19~20・明石公園)