腐朽が進んだ切り株の上に何かいそうな気がして、目を凝らして探しているとこの小甲虫が見つかりました。ナガセスジホソカタムシ Bitoma parallela だと思います。以前のブログにも一度出していますが、朽木の樹皮下で越冬していた個体だったので木屑にまみれてちょっと冴えない姿でした。今回のはわりときれいで上翅や前胸背板の彫刻がよく見えます。体長は約3.5mmです。
ちなみに、ホソカタムシ類と呼ばれる一群は以前はホソカタムシ科としてまとめられていたのですが、近年の研究で旧ホソカタムシ科は多系統であるとして、そこに含まれていた種は3つの科に分けられました。このナガセスジホソカタムシも前回の記事ではホソカタムシ科としていましたが、現在はアトコブゴミムシダマシ科に含められています。
2025年8月26日火曜日
ナガセスジホソカタムシ
2025年8月25日月曜日
2025年8月23日土曜日
ヒメグンバイ幼虫とタカラダニ
アベマキの葉裏にひしめくヒメグンバイの幼虫たちを眺めていると、よく目立つオレンジ色の点が見えました。タカラダニの仲間(タカラダニ科)です。グンバイ幼虫の複眼のすぐ上あたりに取り付いて、脚はどこにも触れず突き刺した口吻だけで体を支えています。丸々と太って皴一つ見えないのはすでに寄主の体液を腹いっぱい吸っているせいでしょうか。それでもグンバイの方は自分も葉に口吻を刺して食事中のようでした。グンバイ幼虫の体長は約1.6mm、タカラダニは0.6mmくらいです。小さな虫ばかり探しているとこのような場面を度々見かけますが、寄主になる虫も様々で、過去の記事から探してみるとクモやヨコバイ、キジラミやアブラムシなどが被害に会っていました。タカラダニの方も、種によってそれぞれ好む獲物が異なるようです。
2025年8月22日金曜日
ムシクソハムシの幼虫巣
サクラの葉裏にくっついていたこのイモムシの糞のような物体は、ムシクソハムシの幼虫巣です。産卵時に母虫が卵に塗り付けた糞の覆いを、孵化した幼虫がそのまま被って歩き、成長につれて自分の糞を付け加えながら大きくしていったものです。
ムシクソハムシ Chlamisus spilotus には同属にツツジコブハムシ C. laticollisという酷似種があって、成虫では腹面を見なければ確かな判別は難しいのですが、幼虫巣は表面が黒っぽくてもっと滑らかなようです。またツツジコブはもっぱらツツジ類につくのに対して、ムシクソの食草はコナラ・クヌギ類以外にもある程度の幅があるようなので、この巣はムシクソハムシのものとして良いでしょう。
巣の長さは4.5mmくらい。今回は顔を見せてくれませんでしたが、中にはこんな幼虫が入っているはずです。あるいは、巣がかなり大きいのですでに蛹になっているのかも知れません。ちなみにこの公園では同じ属のヒメコブハムシ C. diminutus という小型の種も確認していますが、こちらの幼虫巣はずっと細身ですっきりした形をしています。
2025年8月21日木曜日
鳥の糞に集まるキマダラカメムシ幼虫たち
キマダラカメムシはセミのように木の幹に口吻を突き刺して樹液を吸う妙なカメムシですが、鳥の糞も好物のようです。この日はサクラの葉の上に数匹の幼虫が集まって、せっせと鳥の糞を吸っていました。
ところで、以前のブログに“鳥の糞を食べるキマダラカメムシ”というタイトルで、葉の上で白く乾いた“糞”を口吻でこすり落とすようにして吸っている成虫たちの写真を出していますが、調べてみるとこの白い粉のようなものは鳥の糞ではなく尿であって、それに含まれる尿酸が結晶したものなのだそうです。この幼虫たちもひょっとしたら糞と一緒に排泄される尿酸が目当てなんでしょうか。
2025年8月20日水曜日
ゴマダラチョウの卵、産みたて!
いつもの虫仲間と3人でいつもの公園を散策していると、1匹のゴマダラチョウが飛んできてすぐ目の前のエノキで産卵を始めました。動作はすばやく、咄嗟のことで産卵行動の撮影は間に合いませんでしたが、チョウが去った後、産みたての卵が一つ見つかりました。透明感のある青緑色の美しい球体で、直径約1.2mm、高さも同じくらいです。ネット上の画像を見ると複数をかためて産み付けていることが多いようですが、人間が気になって落ち着いて産卵できなかったのかも知れません。邪魔者が去るのを待っているのか、3人で卵を眺めたり撮影したりしている間も近くの木の葉の上でじっとしていました。
2025年8月19日火曜日
ヒメコバチの一種(?)に外部寄生された蛾の幼虫
アベマキの葉裏にいた蛾の幼虫ですが、寄生バチのものと思われる幼虫に寄生されていました。外部寄生なので、この公園でもよく見つかるヒメコバチ科のEuplectrus 属かも知れません。蛾の幼虫は体長約6.4mmで、動きは鈍いですがまだ生きていました。