2025年1月31日金曜日

チマダラヒメヨコバイ

 美しい外見にもかかわらず少々どぎつい和名をつけられたチマダラヒメヨコバイ Tautoneura mori です。ムクノキの樹皮のくぼみにいました。翅端まで2.5mmほどの小さなヨコバイです。普通種で、3年前の冬にもヤツデの枯葉の中で集団で越冬しているのを見つけました。暖かい季節にはクワの葉に集まっているのがよく見られて、こちらの記事には羽化の様子を出しています。



(2025.01.17・明石公園)




2025年1月29日水曜日

カオマダラクサカゲロウ

 いつものように葉っぱの裏を見上げて歩いていたら、この寒いのに葉の上で風に吹かれている人がいました。クサカゲロウの仲間は一見どれも同じように見えますが、顔の黒紋を見るとカオマダラクサカゲロウ Mallada desjardinsi です。普通種で、何度も撮っている気がしますが、調べてみると以前のブログで一度出しただけでした。撮影倍率から計算すると体長は約11mm、翅端まで約16mmです。





(2025.01.17・明石公園)



2025年1月18日土曜日

まだ頑張っているジョロウグモ

 トウネズミモチの枝で寒風に耐えていたジョロウグモです。毎年この時期に街なかの街路樹や公園でときどき見かける光景ですが、真冬にこんなに大きくて派手な色をしたクモが生きているのが意外に思われるのか、SNSなどでもよく登場しているようです。腹部は大きく張りがあってまだ産卵が終わっていないようにも見えますが、どうなんでしょうか。いずれにしても春が来るまで生き永らえることはないだろうと思うと、ちょっと可哀そうですね。


(2025.01.17・明石公園)


2025年1月17日金曜日

蛾の若齢幼虫2種

 一か月も前の写真ですが、まだ葉の上で頑張っていた小さなイモムシたちです。

最初はイヌビワの葉裏で主脈に乗っていたきれいな緑色の幼虫です。体長10mmほど。いろいろ探してみるとイチジクキンウワバ Chrysodeixis eriosoma に似ているようですが、若齢幼虫の画像は少ないので、他にも候補があるかもしれません。この種であれば食草はかなり多食性のようなので、和名のイチジクに近縁のイヌビワについていても矛盾はないと思います。

なかなかかわいらしい顔をしています。

大あごに食事の名残がついています。

もう一種は黄色くなったヘクソカズラの葉裏にいた小さな奴。以前にも見たような気がしますが、種名は見当がつきません。この姿勢なので正確な体長は分かりませんが、画面の長辺は3.4mmなので、それと同じくらいだと思います。

寒さのせいか動きは鈍いですが、のろのろと歩き出しました。

これは別の葉にいた個体です。この葉も間もなく枯れ落ちるはずですが、この人たちはどうするんでしょうか。

(2024.12.18・明石公園)

2025年1月12日日曜日

越冬中のシベリアカタアリ

 林の中にアラカシの枯れ枝が落ちていて、剝がれかけた樹皮の下にいかにも何か隠れていそうな気がしたのでめくってみると、びっしりとアリが集まっていました。この公園内でも主に樹木の多い区域でよく見られるシベリアカタアリ Dolichoderus sibiricus です。


多数の働きアリの中に、ひと回り大きな女王が見えます。

女王の体長は4.8mmほど。

胸部には翅がついていた跡が見えます。女王と言えば、以前にこんな光景を見たことがありますが、意味は分かりません。


腹部の黄白色の紋は、そこだけ外殻の色が薄くて内臓が透けて見えているのだそうです。


(2024.125.24・明石公園)



2025年1月9日木曜日

カモドキサシガメの幼虫

 昨年末にアケビコノハを見つけたヤツデの株でその数日後、まだ何か潜んでいないかと再び枯葉をひっくり返していると、こんなものが見つかりました。林の中の薄暗い場所なので最初何者か分かりませんでしたが、ルーペで覗いてみるとなかなかお目にかかれないカモドキサシガメの一種の幼虫です。幼虫の外見は図鑑にも載っていないので種名は分かりませんが、ほぼ1年前の冬にやはりヤツデの枯葉の中でヒメマダラカモドキサシガメ Empicoris minutus を撮っているので、この幼虫も同種の可能性が高いと思います。体長は約3.8mmです。









(2024.12.24・明石公園)

2025年1月8日水曜日

樹幹のチャタテ

 おなじみの顔ぶれですが、年末に木の幹で見られたチャタテムシです。

まず、イダテンチャタテ Idatenopsocus orientalis 。その名の通り逃げ足の速いチャタテで、真冬の寒さの中でもなかなかじっとしていてくれません。下向きに静止するのもこの種の特徴です。

ウロコチャタテの一種。比較的大柄なチャタテで、翅が鱗粉に覆われているので初めて見たときは小型のガかと思いました。上のイダテンチャタテ以上に敏捷です。

クロフチャタテ科、Aaroniella 属の一種。上の2種とは対照的に、テント状に張った糸の下でほとんど動きません。先日も出したばかりですが、この日は幼虫の姿もありました。

ムツテンチャタテ属(Trichadenotecnum)の一種。こちらと同じ種かも知れません。以前はちょっと木の幹を見て回るとすぐに見つかったものですが、最近は少なくなりました。

(2024.12.24・明石公園)