細長くて大型の繊毛虫で、ディレプタス属 Dileptus の一種だと思います。
この鼻のような部分(proboscis)にはトキシシストという、ゾウリムシのトリコシストにあたる小器官が多数存在し、獲物の繊毛虫に遭遇した際に放出されてその毒性で相手を麻痺させるのだそうです(こちらに詳しく説明されています→“繊毛虫間戦争”)。
繊毛虫ではありませんが、以前このディレプタスがハネウデワムシを呑み込むのを見たことがあります。
proboscisの基部に見える円い部分が細胞口です。
わずかな時間目を離していた間に、proboscis が消えてのっぺらぼうな頭になっていました。同じく proboscis を持つトラケリウス Trachelius の仲間でも、スライドガラスにマウントして観察を始めると間もなく、泳ぎながら proboscis が溶けるように無くなってしまうことがよくあります。外部のストレスに対する反応なのかも知れません。
倍率を下げてみると、ガラスと糸状藻に挟まれてなかなか抜け出せないようでした。
動画です。
(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)
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