2020年10月31日土曜日

シラカシムネアブラムシ

 アラカシの葉の裏に白い綿毛のようなものが付いて風にそよいでいました。シラカシムネアブラムシ Xenothoracaphis kashifoliae だと思います。

最初この葉を見ただけでは何者か分からなかったのですが…。

こちらのコロニーを見てムネアブラムシの仲間らしいと分かりました。

皿を伏せたような形で脚の見えない固着型のものと、アブラムシらしい形で長いワックスを伸ばしたもの、それに有翅虫もいます。

この固着型の個体は無翅型の成虫のようで、以前BABAさんが出産の様子を紹介されています。

大きなもので体長約1.4mm。

これらは有翅型の幼虫ではないかと思います。体長約1mm。



1匹ひっくり返っていました。

少数ですが有翅虫もいました。

体長約1.7mm、翅端まで約3.2mm。

このコロニーは葉の表に出来ています。必ずしも裏ではなく、陰になった側が適しているということかも知れません。

(2020.10.27・明石公園)

2020年10月29日木曜日

ナシミドリオオアブラムシの有翅胎生雌と幼虫たち

いつもナシミドリオオアブラムシ Nippolachnus piri が繁殖しているシャリンバイを見に行くと、多くの葉の裏で大きな有翅成虫1匹と多数の小さな幼虫からなるコロニーが見られました。

中央の有翅成虫は胎生の♀で、周りを取り巻いているのはその♀から生まれた幼虫たちのようです。

この♀はまだ出産を始めて間がないようです。

こちらのコロニーでは幼虫がかなり大きく成長しています。

上と同じ♀です。

これも同じ。

同じ♀をもう1枚。
「アブラムシ入門図鑑」によればナシミドリオオアブラムシは「二次寄主のナシ・ナナカマドから9月下旬~10月に一次寄主のシャリンバイ・ビワに戻る」とありますが、私はまだシャリンバイ以外では見たことがありません。この公園ではそのシャリンバイでほぼ一年中見られるので、同図鑑にある「一次寄主で周年見られる系統」に該当するのではないかと思っています。

同種に関しては以前のブログで何度も取り上げているので、主な記事にリンクを張っておきます。

出産:2010.04.27
孵化・羽化・産卵:2012.01.20
口吻でぶら下がる幼虫たち:2017.05.10

(2020.10.27・明石公園)

2020年10月28日水曜日

Aaroniella sp.(クロフチャタテ科)

 以前のブログでも何度か出しているクロフチャタテ科 Aaroniella 属の一種です。樹幹で見つかる種で、多くの場合樹皮の凹凸の間に細い糸を縦横に張ってその下に潜んでいます。糸には排泄物と思われる粒々がちりばめられ、扁平な体型や姿勢、黒っぽい体色とも相俟って隠蔽効果満点で、慣れないとなかなか目にとまりません。反面カムフラージュに自信があるせいか動きは鈍重で、数センチの距離にレンズを近づけてしつこく撮影を続けてもまず逃げ出すことのないチャタテです。

アラカシの幹の成虫。

糞(多分)を散りばめたクモの巣のようなテント。

下にいたのは幼虫です。

こちらはエノキにいた成虫と幼虫。

別のエノキの成虫と幼虫たち。

(2020.10.16/27・明石公園)

2020年10月24日土曜日

オオキンカメムシ

ご近所の虫撮り仲間から、近くの公園にオオキンカメムシが沢山集まっているとの情報をいただきました。場所は海岸から200mも離れていない高台です。翌朝早速現場に行くと、2、3本の木であちこちの葉の裏に1匹、2匹ととまっていて、ざっと数えて数十匹以上は確認できました。このあたりでは秋から冬にかけて散発的に見かけることはありましたが、これほど多数の個体を一度に見たのは初めてです。

沢山いるとは言っても高い場所が多く、一度に画面に収められるのはこの程度でした。


日差しに誘われてか、葉の上に出てきているものもいました。

斑紋の変異を、黒い部分の少ないものから多いものまで大雑把に並べてみました。

(2020.10.24・神戸市垂水区)


2020年10月22日木曜日

ゴミを水平に並べたゴミグモ幼体

クロガネモチの枝にゴミグモが小さな網を張っていたのですが、面白いことに通常こちらのように鉛直方向にくっつけていくゴミや食べ滓をほぼ水平方向に並べていました。体長4mmほどの幼体ですが、クモ自身もゴミと同じ方向に定位しています。この公園ではごく普通に見かけるゴミグモですが、こんな変わり者は初めて見ました。




(2020.10.16・明石公園)

2020年10月19日月曜日

カンシャワタアブラムシ

 ススキの葉の裏に、白い綿毛のようなワックスに覆われたアブラムシが集まっていました。カンシャワタアブラムシ Ceratovacuna lanigera だと思います。和名のカンシャは甘蔗で、その名の通りサトウキビの害虫としてよく知られているようす。和名で検索すると特に沖縄地方でのその防除に関する記事がたくさん出てきました。また、1齢幼虫が頭部に1対の角状突起を持っていて、それで捕食者の卵や幼虫を攻撃するそうです。



長く伸びたワックスでほとんど虫体が見えません。


有翅虫もいるようです。裸の小さな幼虫も見えます。


これが1齢幼虫でしょうか。体長は0.8~0.9mmくらいで、頭部に角状突起が見えます。

(2020.10.12・舞子墓園)

2020年10月17日土曜日

ジョロウグモ雌雄

 巨大な♀に近づいて交接の機会を窺うジョロウグモの♂。この季節、町中や公園を歩いていると、あちこちでこんな情景が見られます。



(2020.10.16・明石公園)

2020年10月16日金曜日

クモの糸にぶら下がるタマバエ

 以前のブログでも同じようなものを出していますが、舗道わきの薄暗い場所で1本のクモの糸にぶら下がっていたタマバエの一種です。前回と同じ種なのかどうかは分かりません。





この個体で頭端から翅端まで約2.8mm。


こちらはやや小さく約2.3mmで、脚の色にも違いがありますが、雌雄の差でしょうか。


照明の角度によって翅がきれいな干渉色で光ります。

(2020.10.12・舞子墓園)

2020年10月15日木曜日

トビイロハゴロモ

 普通種ですが以前のブログも含めて初登場のトビイロハゴロモ Mimophantia maritima です。この日はススキでよく見かけました。


1枚目とは別の個体です。頭端から翅端まで約6mm。厚みのある体型で全体にピントが合いません。


(2020.10.12・舞子墓園)

2020年10月14日水曜日

アカフコガシラウンカ

 この季節、産卵中のアオモンツノカメムシでもいないかとカクレミノの葉の裏を見上げていると、代わりにこのアカフコガシラウンカ Deferunda rubrostigma が見つかりました。面白い姿でお気に入りのウンカなのですがこのあたりでは個体数は多くないようで、以前のブログで記事にして以来見るのは7年ぶりです。折角なのでいろんな角度からしっかり撮影しておきたかったのですが、レンズを近づけるとあちこち動きまわり、挙句にちょっと目を離したすきに居なくなってしまって、結局前回よりもマシな写真は撮れずに終わりました。






(2020.10.12・舞子墓園)