以前のブログに同じタイトルで出したものと同種かも知れません。足や趾がなく、体内の大きな部分が不透明で、全体の形を把握しづらいワムシという印象があります。「日本淡水動物プランクトン検索図説」によれば、ミドリワムシ属 Ascomorpha を含むハラアシワムシ科 Gastropodidae は「胃が大きく四方へ突き出た盲嚢を備え、体腔の空間を占める。胃全体が緑、橙黄、褐色等の色彩をもつ」とのことです。
2022年1月25日火曜日
2022年1月20日木曜日
ワムシの繊毛冠(ツボワムシ・コガタツボワムシ・ドロワムシ)
顕微鏡では普段横方向からばかり見ているワムシ類ですが、カバーガラスの下に充分な空間をとってやると頭を上に向け、繊毛冠 (corona)がカバーガラスに接した状態で泳ぎ始めることがあります。今回はその繊毛の動きを狙ってみました。
2021年12月26日日曜日
フクロワムシ属の一種・♂(Asplanchna sp.)(改題)
* 2022.01.01・追記 *
初めて見る種のフクロワムシだと思っていたのですが、わちーさんより、これはフクロワムシの雄であることを教えていただきました。種はサンプル内の雌を確認して類推するしかないそうです。同じ池でよく見つかるこちらと同じ種なのかも知れません。ネットで検索してみると A.priodonta の雄の画像が見つかりました(こちらやこちら)。詳しくは分かりませんが、毛束のようなものは lateral antenna(側触角?)に dorsal antennae(背触角?)と呼ばれるもので、それぞれ一対あるようです。また肛門と考えた部分はペニスの出入りする孔のようです。
先日記事に出したたくさんのプレオドリナを眺めていると、その間を見慣れないフクロワムシの一種が泳ぎ回っていました。体長はよく見かけるもの(多分 A.priodonta)の半分くらいで肛門らしきものがあり、また体の中央付近の両側に毛束のようなものが見えます。足や趾は見当たらないのでフクロワムシ属 Asplanchna に間違いないと思いますが、手持ちの図鑑やネット上の画像には今のところ似たものが見つかりません。
2021年9月29日水曜日
カメノコウワムシ属の外来種?(Keratella ?americana)
いつもの池ではごく普通に見つかる小型のワムシで、カメノコウワムシ Keratella cochlearis だと思っていたのですが、あらためて手持ちの図鑑類などで確認すると別種のようです。この種には多くの変種があって、和名の由来である背甲の亀甲模様もそれぞれ異なるのですが、それが図鑑に掲載されているくつかの型のどれにも当てはまりません。そこでネット情報を探してみると、四日市大学生物学研究所のサイトで紹介されている Keratella americana f. hispida という種によく一致することが分かりました。「Keratella cochlearisに似ているが,背面の亀甲模様が全く異なる.Keratella valga等のように,中央に六角の亀甲が4個並ぶことで区別できる。外来種。東海地方の池沼では普通に見られる。」と説明されています。そこに掲載されている画像は小さくて分かりづらいのですが、いくつかの海外サイトの図でよく確認できます。今回は数個体を撮影しましたが、亀甲模様の型はすべて同じでした。
2021年8月19日木曜日
マルサヤワムシ科シナンテリナ属の一種(Sinantherina ?spinosa)
初めて見たワムシの群体です。いつもの公園の、干上がっていることの方が多いような浅い池で採集しました。
球形の群体ということではじめはテマリワムシ科の一種だろうと見当をつけて調べていたのですが、この科でこれくらいの規模の群体を作るのは Conochilus hippocrepis のみで、その種であれば頭頂に1対あるはずの腹触手が見当たりません。胴部にもそれらしきものは見えないのでそもそもテマリワムシ科ではなさそうです。そこであらためて図鑑(日本淡水動物プランクトン検索図説)を眺めると、マルサヤワムシ科シナンテリナ(Sinantherina)属が形も似ていて、やはり群体を作ることが分かりました。日本で知られている2種が掲載されていますが、そのうちの Sinantherina spinosa という種が開いた時の頭冠の形や腹面に並んだ棘、また普通50個体前後の球形群体を作ることなどの特徴が一致し、有力候補です。
2021年8月18日水曜日
ミジンコワムシ
ミジンコワムシ Hexarthra mira はどの図鑑を見ても全国に広く分布する普通種とされていますが、私が採集している範囲ではそう多く見かける種ではありません。太短い体幹の周囲にそれぞれ長さの異なる6本の太い腕が生えていて、全体として非常に厚みがあるので全体像を把握できる写真を撮るのが難しいワムシです。
2021年8月17日火曜日
カマガタツボワムシ
これはカマガタツボワムシ Brachionus falcatus だと思います。被甲の前後の長い刺状突起が特徴的で、図鑑やネット情報を見ても紛らわしい形態の近似種は無さそうです。ゆっくりと回転しながら泳ぐ姿はなかなかカッコいいと思うのですが、どうでしょうか。
2021年8月9日月曜日
ツボワムシ
いつもの公園の池でツボワムシが大量に発生していました。
このツボワムシ Brachionus calyciflorus には被甲の形、特に棘状突起の位置や形の異なるいくつかの変種乃至品種が存在しますが、今回採集したものはほとんどが被甲後部の側面から1対の突起(側突起、後方側刺)が伸びているタイプです。ただその突起の長さや形には個体によってかなりばらつきがあり、手元の図鑑に掲載されている中のどの型に一致するのかはよく分かりません。以前、同じ公園の別の池でやはり大量に発生しているのを採集した際は、ほとんどがこの側突起(後方側刺)の無い型でした。