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2023年5月24日水曜日

細長いミカヅキモ closterium aciculare

 非常に細長く、優美な形のミカヅキモです。これまであまり見た覚えがないのですが、この日のサンプルには多量に含まれていました。Closterium aciculare だと思います。


別個体ですが、蛍光撮影も試みました。B励起、自家蛍光のみで、葉緑体が赤く発光しています。輪郭を出すために弱く暗視野光を入れています。

(2023.04.19・明石公園の池にて採集)

2023年5月22日月曜日

川面のモロモロ~オビケイソウ・タルケイソウ

 4月末の近所の小川です。

流れの淀んだところの水面に、茶色いモロモロが浮かんでいます。見た目がちょっと汚いですが、少し掬ってきました。

顕微鏡で覗いてみると、モロモロの中身はほとんどが珪藻の糸状群体でした。

暗視野で見ると結構きれいなものです。


少し倍率を上げて微分干渉で。糸状の珪藻は主にオビケイソウ(フラギラリア Fragilaria)とタルケイソウ(メロシラ Melosira)の仲間のようです。

これがオビケイソウ。

こちらがタルケイソウです。

蛍光でも撮影してみました。自家蛍光のみで、すべてB励起です。

珪藻の葉緑体が赤く光っています。

オビケイソウ。10カットほどの深度合成です。

同じく深度合成で、タルケイソウ。葉緑体が面白い形をしています。

このオビケイソウは1枚撮りですが、緑色の細胞は何でしょうか。弱っているのかな。

2023年5月5日金曜日

はじめての蛍光撮影

 最近オークションで手に入れた顕微鏡に落射蛍光装置がついていました。
それが目当てで買ったのではなく、特に蛍光観察に興味があったわけでもないのですが、折角ついているものだから使わない手はありません。予備知識もほとんどありませんが、ネットであれこれ調べてみると蛍光試薬を使わなくても、植物細胞などの自家蛍光の観察だけでも結構楽しめそうなので、試してみることにしました。
装置にはまだ寿命のありそうな水銀ランプと大きな電源も含まれていましたが、水銀ランプは取り扱いが面倒そうです。もともと本格的な蛍光観察に挑戦するつもりもないので、さっさとLEDに交換することにしました。

4個の蛍光キューブのうち1個はフィルターが剥離していましたが、残りの3個は使えそうです。で、それぞれの励起波長に対応する単色LEDをネット通販で取り寄せ、細長いヒートシンクに並べて取り付けました。すべて3Wで、それぞれUV、B、G励起用です。

水銀ランプを取り外したランプハウスにセットしたところです。使用するLEDをヒートシンクを上下にスライドさせて光路に入れ、スイッチで切り替えられるようにしました。ひとまずこれで使えそうです。

手はじめに冷蔵庫からレタスの葉をひと切れ失敬してきて、剥がした表皮を覗いてみました。その昔、親に買ってもらった顕微鏡ではじめて見たものの一つがツユクサの葉の気孔だったことを思い出します。これは対物25XでUV励起。

同じく対物25XでB励起。孔辺細胞の葉緑体が点々と赤く光っています。それにしても、こういう画像のホワイトバランスはどう設定すればいいんでしょうか。視野が全体に赤っぽくなるのでとりあえずタングステンに設定しましたが、前のUV励起の画像はそれではほぼ青一色になるので、スライダーをかなり動かしています。

これもB励起で、対物100X。予想はしていましたが、照明の暗いのには難儀します。部屋の明かりを消してピント合わせもPCのモニタが頼りですが、露出時間は長くなり、接眼レンズからの逆入光の影響も出るので、双眼部に覆いを被せて撮影しました。

アオミドロも撮ってみました。対物40x、B励起で、14枚の深度合成です。

同じくアオミドロですが、輪郭を出すために弱く暗視野光を入れてみました。対物25X、B励起、18枚の深度合成です。

アオコの一種、ミクロキスティス。対物40X、G励起です。

同じく、UV励起。

対物25X、B励起で、ボルボックスの娘細胞です。娘細胞は小刻みに動いていることが多いのですが、これは動きのないものを探して撮影しました。
新しいおもちゃはまだ分からないことばかりですが、いろいろ勉強して楽しく遊べるようなりたいと思います。