いつもの海岸で採れたヤムシです。以前のブログに掲載したものと同じイソヤムシ属 Spadella の一種で、おそらくSpadella cephaloptera だろうと思っています。前回も7月に採集しているので、今頃が出現期なのでしょう。図鑑によればこの仲間は本来底生性ですが、時に浮遊するということです。ヤムシの仲間は細長い上にこちらのように無色透明なものが多く、実体顕微鏡で眺めていても動かなければつい見逃してしまうくらいですが、この種は体が太くて不透明なのでよく目立ちます。カバーガラスで封じても元気に動き回りますが、静止したところを狙って18カットほどスタック撮影しました。
2022年7月17日日曜日
2022年3月15日火曜日
ホウキムシ類のアクチノトロカ幼生(Actinotrocha larva)初期?
久しぶりに見たホウキムシのアクチノトロカ(Actinotrocha)幼生です。以前のブログで何度か(2018.01.15,2012.03.13など)出していますが、今回のもの一応それらしい形にはなっているものの、かなり小型で触手もあまり発達していないので、初期段階と思われます。
(2022.02.15・西舞子海岸にて採集)
2022年3月2日水曜日
2022年2月23日水曜日
コリケウスの一種(Corycaeus sp.)
メガネケンミジンコという和名を持つコリケウス Corycaeus の一種です。以前このブログに掲載して Corycaeus affinis という種名を教えていただいたものと同種かも知れませんが、こちらの方が後体部が太短いようです。断続的に激しく動いていましたが、その合間を縫ってピントを送りながら連写モードでスタック撮影しました。
2022年1月2日日曜日
滑走運動をするイカダケイソウ(Bacillaria sp.)
「南京玉すだれ 」に例えられる滑走運動で知られるイカダケイソウ(Bacillaria)の一種です。今回は海で採集したものですが淡水性の種もあり、以前のブログでも2度(2013.07.09,2019.06.13)出していますが、後の方は淡水で採集したものです。クサリケイソウという和名も使われています。こういうものを撮影するときは動きを抑えないよういつも水の量を多目にとっているのですが、少し多過ぎたようで、ピントが一部にしか合いません。
2022年1月1日土曜日
コアミケイソウの一種(Coscinodiscus ?wailesii)
これは冬の間、近所の海でネットを引くと大量に入ってくることが多いコアミケイソウ(コシノディスカス Coscinodiscus)の一種で、以前から播磨灘で時折大発生して海苔養殖などに被害を与える Coscinodiscus wailesii という種だと思います。
2021年12月31日金曜日
プレウロシグマ(メガネケイソウ)
海の珪藻、プレウロシグマ Pleurosigma の一種です。ゆっくりと動いていましたが、止まったところを見計らってスタック撮影しました。
2021年12月30日木曜日
MWS バルバドス産放散虫標本
以前から是非1枚我が家にも、と願っていたミクロワールドサービスさんのバルバドス産放散虫プレパラートを、先日の年末セールで初めて購入することができました。「ニセ散布スライド」というものですが、化石放散虫の骨格がびっしりと敷き詰められたとても美しい標本で、特に中低倍率の暗視野では素晴らしい眺めです。見ているだけでも楽しいものですが、ここ2、3日はMWSさんの「本日の画像」をお手本にあれこれ照明を工夫しながらせっせと撮影していました。なかなかなお手本のようにはいきませんが、普段生きた物ばかり相手にしていると時間に追われる場面が多いので、こんなふうにじっくり腰を据えて撮影出来るというのもいいものです。次に作例を何枚かお見せしますが、なにしろ封入されている数が膨大なので、楽しみは尽きません。
2021年12月9日木曜日
キートセロス属2種(Chaetoceros spp.)
代表的な海の浮遊珪藻、キートセロス(キートケロス、ツノケイソウ)属の2種です。以前のブログでも同じようなものを出していますが、今回は深度合成しました。それぞれ暗視野と偏斜照明で撮影しましたが、きれいに仕上げるのは難しいですね。
2021年12月8日水曜日
リゾソレニア属2種(Rhizosolenia spp.)
2021年12月6日月曜日
叉肢が美しいオイトナ属の一種(Oithona sp.)
2021年12月4日土曜日
スチコロンケ(の殻?)
スチコロンケ(Sticholonche zanclea)は現在では放散虫に含められるそうです。以前にも掲載していますが、ピントの浅い画像で全体像を見せるのには大変都合の悪い形をしています。今回は採集したサンプルの中に内容物がほとんど抜けて殻だけになったようなものを見つけたので、バラバラにならない程度にカバーガラスで軽く押しつぶし、深度合成撮影をしてみました。
2021年12月1日水曜日
オヨギソコミジンコの一種(Microsetella sp.)
近所の海で普通に採れる細長いカイアシ類で、オヨギソコミジンコ (Microsetella 属)の一種だと思います。多数の種があるのだろうと思いますが岩国市立ミクロ生物館監修の「日本の海産プランクトン図鑑」で紹介されている Microsetella norvegica の画像がよく似ていて、本州中南部では秋に多くなる、という点も一致するのでこの種かも知れません。
カバーガラスの下に閉じ込めるとしばらくは暴れまわっていましたが、やがて動きを止めたので明・暗視野で深度合成撮影しました。内蔵(消化管)だけは撮影中も盛んに前後に動いていましたが、画像にはあまり影響しなかったようです。
2021年11月23日火曜日
リゾソレニアの一種(Rhizosolenia ?robusta)
大型の珪藻ですが、船型というか、ミカンの皮かタマネギの一片のような独特の形をしていて、初めて見た時はもっと大きな珪藻の破片かと思いました。実体顕微鏡暗視野ではきれいな青色に光って見えます。リゾソレニア(ツツガタケイソウ)の一種で、手持ちの図鑑やネット上の画像を調べた限りでは Rhizosolenia robusta という種に一致しますが、近縁の別種なのかもしれません。厚みがあってごく一部にしかピントが合わないので深度合成してみましたが、そのためかえって立体像が想像し難くなったようでもあります。
写真は2つの細胞をそれぞれ暗視野と明視野で撮ったものですが、最初のものは(船の形に例えるなら)船底をスライドガラスにつけた状態、2番目はやや横倒しになった状態ということになります。