2019年8月31日土曜日

ムネアカオオアリ

コナラの樹液に来ていたムネアカオオアリです。

いつもの平地の公園にはいませんが、少し山に入ると普通に見かけるアリです。

体長約11mm。

背面に刻まれた細かな皺が指紋のように見えます。

よく見ると頭部にも。


(2019.08.07・摩耶山)

2019年8月30日金曜日

ヒメイトカメムシ

猛暑のさなか、キリの幼木の巨大な葉の上は何組もの交尾中のヒメイトカメムシ Metacanthus pulchellus で賑わっていました。

お腹の大きな方が♀でしょうか。カメラを近づけると差し渡し40cmもある葉の上を逃げて行くので、動きはゆっくりなのですが追いかけるのに苦労します。


逃げる途中で横やりが入ります。これも大きなお腹をしているので♀に見えますが、♂を奪いに来たんでしょうか。

さらにもう一匹。なかなか油断の出来ない世界です。

(2019.08.03・学が丘北公園)

2019年8月29日木曜日

ヒラタアシバエ科の一種

以前にも掲載した、ヒラタアシバエ科の一種です。

僅か艶4mm足らずの体長ですが、ツヤ消しブラックの体と大きくて真っ赤な複眼の取り合わせは非常に目立ちます。葉の上を落ち着きなく動き回るハエで、あまり遠くには逃げないんですが、なかなかじっくり撮らせてはくれません。

BABAさんがこれとよく似た種の見事な深度合成画像を掲載されていて、“Lindneromyia sp.♂”としておられます。はっきり認められる違いは無さそうなので、同種かも知れません。

正面像を撮りたくてだいぶ粘ったのですが、これが精いっぱい。

代わりに後ろから。

そして横から。

次は同じ場所にいた同科の別種。こちらは♀のようで、やはりBABAさんが別の記事で掲載されていたものと同じ種ではないかと思います。


ひょっとしたら上の目の赤い♂と同種ではないかと考えたのですが、こちらははるかに小さくて体長約2.2mm。やはり別種でしょうか。

(2019.08.03・学が丘北公園)

2019年8月28日水曜日

キベリクビボソハムシ

ヤマノイモの葉の上にいたキベリクビボソハムシ Lema adamsii です。

前翅の斑紋の変異が大きい種で、これは黒色部が最も広いタイプです。体長約5mm。

普通種だと思いますが撮影したのは久しぶり、おそらくデジカメでは初めてなのでじっくり撮りたかったのですが、すぐに逃げられてしまいました。

(2019.08.03・学が丘北公園)

2019年8月27日火曜日

オオヒラタシデムシ幼虫

オオヒラタシデムシは以前はこのあたりでもごく普通の種で、ミミズの死骸に何匹も群がっているところなど珍しくもない光景だと思っていたのですが、このところめっきり姿を見かけなくなりました。これに限らず、ほんの数年前には普通に見られた種で最近ほとんど目にしなくなったものがたくさんあって、数え上げると気が滅入ります。

で、これは久しぶりに見たオオヒラタシデムシの幼虫。体長約15mmで、まだ終齢ではないでしょう。

眼は4個の単眼が集まっているようです。


革製品のような質感がいいですね。

(2019.08.03・学が丘北公園)

2019年8月26日月曜日

モンチビツトガ

これはモンチビツトガ Microchilo inexpectellus だと思います。足元からとび出して、苔むしたムクノキの幹にとまりました。

下唇鬚の先から翅端まで約7mm、前翅長は5mmくらいです。

同属でよく似たチビツトガ M. inouei とは内横線や外横線の形で見分けられるそうです。


小さくて地味な蛾ですが、細部を拡大して見るとそれなりに面白さがあります。

(2019.08.02・明石公園)



2019年8月25日日曜日

マクラギヤスデの子どもたち

白いヤスデの子どもがたくさん。腐朽の始まった伐採木の樹皮を剥がすと現れました。

体長は1.2~1.3mmくらい。体節の数は8個のようです。
(2019.08.27追記:BITTZUさんからコメントをいただきました。脚が3対なので初齢幼体かも知れないということです)


多くは毛の先に多数の水滴をつけていましたが、猛暑のせいか、外気に当たると急速に消えてしまいました。

眼はあるんでしょうか。

上の小さな連中は多分これの幼体でしょう。同じ場所にいたマクラギヤスデ。体長約18mmです。


(2019.08.03・学が丘北公園)

2019年8月24日土曜日

マダラアシゾウムシ

樹液に来ているのをときどき見かける大型のゾウムシですが、旧ブログでは出していなかったと思います。コナラの幹で見つけました。

マダラアシゾウムシ Ectatorhinus adamsii 。ごつごつした岩のような装甲が魅力です。

口吻を除いた体長は約14mm。
以前読んだ岩田 久二雄さんの著書に、頑丈な体を持つ虫は動作が鈍いというような意味のことが書かれていましたが、これなどその典型でしょう。



(2019.07.25・舞子墓園)

2019年8月23日金曜日

トビイロリンガ

サクラの葉の裏を見上げながら歩いていると、初めて見る派手な色彩の蛾が目に入りました。

とても特徴的な色彩と模様なので名前はすぐに分かりました。コブガ科のトビイロリンガ Siglophora ferreilutea です。

頭上高い位置だったので、飛ばれるのを覚悟でそっと枝を引き下ろしましたが、おとなしくついてきてくれました。

これは♂だったようで、北隆館の大図鑑には「♂の前翅前縁はふくらみ、中央部には渦巻状になった毛塊をもつ」とあります。

あまり意味はありませんが、顔面です。

横顔も。

(2019.08.02・明石公園)

2019年8月22日木曜日

ナシグンバイ・産卵?

サクラの葉裏に点々と、黒いタールの滴のようなナシグンバイの産卵痕が散らばっていて、その上に一匹の成虫がうずくまっています。

この時期よく見かける光景で、産卵中の♀ではないかと思います。似たような光景は以前にも掲載していますが、いつも撮影しようと葉を手で持つとすぐに立ち去ってしまうのでなかなか現場を押さえることが出来ません。

これは別の葉ですが、腹端が葉面に接していて産卵中のように見えます。

しかし、腹端が翅で遮られないように葉面すれすれから狙ったもので、逆に手前の葉面が邪魔をして肝心の部分がよく見えません。

そして案の定、それ以上撮れないうちに腹部を上げて立ち去ってしまいました。

これが産卵痕ですが、噴火口のように見えるのが生みこまれた卵の「蓋」の部分です。


蓋の直径は概ね0.1mmくらい。孵化の際にはこの部分がこのようにぱっくりと口を開けるようです。孵化の瞬間は未だ目撃したことがありませんが、いつか撮影できればと期待しています。

(2019.08.02・明石公園)

2019年8月21日水曜日

チャトゲコナジラミ1齢幼虫とシルベストリコバチ

チャチゲコナジラミ Aleurocanthus camelliae に寄生されたヒサカキの葉を覗いてみました。

7年前の記事とほぼ同じ状態で、大きな黒い蛹殻や小さな卵殻はすべて抜け殻で、その間に微小な1齢幼虫が散在しています。

1齢幼虫は体長0.3mm足らず。

背面から2対の長く湾曲した棘のような毛が伸びています。何の役に立つんでしょうか。

蛹や卵の抜け殻の間を小さなハチが歩き廻っています。チャトゲコナジラミの天敵のシルベストリコバチ Encarsia smithi だろうと思います。

体長は0.67mmくらいです。適当な成長段階の寄主が見つからないのか、しばらく見ていましたが産卵行動は見られませんでした。


(2019.07.25・舞子墓園)