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2024年3月18日月曜日

クロヒバリモドキ 成虫と幼虫

 南に面した石垣のたもとを歩いていると、足元の枯草の中からたくさんのコモリグモが逃げ出してきて、石の面を上っていきます。それに混じって、このクロヒバリモドキ Trigonidium cicindeloides の成虫や幼虫の姿もありました。
実は2、3年前までこの虫の名前も、この公園にいることも知らなかったのですが、直翅目大好きの虫仲間から教えられて初めて存在を知ったという次第です。♂が鳴かないコオロギの仲間で、同じく鳴かない、よく似た同属のキアシヒバリモドキ T. japonicumとは前・中脚の脛節が黒くなることで区別できるようです。

これは♂成虫です。翅に発音器がないので産卵管が無いことを除けば一見♀と見分けがつきません。

これが♀。

同じ個体です。

♀幼虫。

♂幼虫。

上と同じ個体。

やや若齢の♂幼虫。


(2024.03.14)

2023年12月6日水曜日

産卵場所を探す?ヒメクダマキモドキ

 モチノキの幹を、♀のヒメクダマキモドキがのろのろと歩いていました。

産卵管の付け根のあたりから何かのぞいています。

卵でした。ヒメクダマキモドキの卵はこんなふうに樹皮の下に産み付けられていることが多いのですが、モチノキの幹は滑らかで割れ目もないので、適当な産卵場所を探しあぐねているうちに早々と卵が顔を出してしまったのかも知れません。
どこか産卵できそうな場所は、と探すとすぐ近くに樹皮の荒れたアラカシの木があったので、捕まえてそちらの幹に移してみました。

するとまもなくこんな姿勢をとったのでいよいよ産卵かと期待しましたが・・・。

やはり適当な割れ目がないのか産卵には至らず、再び卵をお尻にくっつけたまま歩き始めました。

それでは、ともう一度捕まえて、今度はちょっと離れた場所にあるアキニレまで運んで行きました。この幹なら卵を安置できる場所はいくらでもありそうに思えたのですが、いつまでも歩き回るばかり。とうとう頭上高く上って行ってしまったので、あきらめて引き揚げました。

(2023.12.03・明石公園)

2023年11月8日水曜日

アオマツムシ♀

トウネズミモチの葉に乗っていた♀のアオマツムシ Truljalia hibinonis です。季節のわりには高い気温が続いていましたが、まだ朝だったせいか大人しくしていてくれたので顔面も撮らせてもらいました。
今秋の最盛期はもう過ぎたと思いますが、近年はこの虫の鳴き声もあまり聞けなくなりました。非常に大きくてよく通る声で、以前は騒々しい街中の街路樹からもよく聞こえてきたものですが。もともと土着ではなくこの半世紀ほどの間に分布を拡げてきた種ですが、やはり他の多くの昆虫と同様ここ10年20年で個体数が大きく減ってきているのかも知れません。




♂はこちらこちらに出していますが、♀は発声器官を持たないのですっきり滑らかな翅です。

(2023.11.02・明石公園)

2023年10月7日土曜日

カネタタキとアズチグモ

 クワの葉の裏に妙な格好でぶら下がったカネタタキがいると思えば、アズチグモに捕まっていました。




ついでに同じ日見た、カネタタキのカップルです。

こちらはトウネズミモチの葉の間で、無事に過ごしていました(♂の右後脚がありませんが)。

(2023.09.24・明石公園)

2023年9月29日金曜日

羽化直後のクビキリギス

 羽化したばかりのクビキリギス Euconocephalus thunbergi を見つけました。

脱皮殻のかたわらで、草の茎につかまってじっとしていました。産卵管が見えるので♀ですね。本当は羽化の最中を見たいのですが、早起きが苦手な身には難しそうです。ちょうど出会った直翅目に詳しい虫撮り仲間が、この連中は羽化の後脱皮殻を食べてしまうことが多いと教えてくれたので、しばらく立ち話で時間を潰してから再度様子を見に行くと、

その言葉通り、やおら体の向きを変えて脱皮殻を食べ始めました。

(2023.09.24・明石公園)

2023年9月26日火曜日

ヒメクダマキモドキの産卵管

 アラカシの葉の上にいたヒメクダマキモドキ Phaulula macilenta です。

薄い翅の下から産卵管が透けて見えるので♀ですね。

今回はサービスで産卵管を出して見せてくれました。体と不釣り合いなほど大きくて立派です。この産卵管で樹皮の隙間などにこんな卵を産むのですが、残念ながら産卵シーンは見たことがありません。

(2023.09.16・明石公園)


2023年8月2日水曜日

アオマツムシの幼虫

 イタドリの葉の上にいたアオマツムシ Truljalia hibinonis の幼虫です。
レンズを近づけるとうろうろと逃げ回るのですが、あまり遠くにも行かず、ときどき立ち止まっては触角のお手入れをしていました。





(2023.07.24・舞子墓園)


2023年7月5日水曜日

ササキリの幼虫

 雨上がりで水滴の残るツユクサの上に、ササキリの小さな幼虫がたくさんいました。



近づくとすぐに後ろ向きになってしまいます。

やっと前から撮れたと思うと、前脚で触角のお手入れをはじめました。まず前脚で引き寄せて、

口器の間を通します。

ところで今回初めて気づいたのですが、この虫には頭のてっぺん、触角の付け根の間に小さな角があるんですね。幼虫だけかと思って昨年撮った成虫の顔を見ると、目立たなくなってはいますがちゃんとついていました。


(2023.07.02・明石公園)


2023年4月3日月曜日

ヒメギス幼虫

 河川敷の草むらでヒメギス Eobiana engelhardti subtropica の幼虫を見つけました。

体長は約5mm。何齢でしょうか。

同じ個体です。

同じ場所に数匹いて、これは別個体。体長は同じくらいですが触角が短いですね。先のが♂でこっちが♀でしょうか。

産卵管の有無で見分けられればいいのですが、そもそも何齢頃から♀の産卵管が見えるようになるのか勉強不足で分かりません。

(2023.03.31・神戸市西区伊川)

2023年1月31日火曜日

アカハネオンブバッタの幼虫

 平年並みに寒い日でしたが、一緒に歩いていた虫仲間が案内してくれた日当たりのよい草むらを探すと、小さなバッタの幼虫が何匹もとび出してきました。このあたりでも近年急速に増えてきたアカハネオンブバッタ Atractomorpha sinensis sinensis で、従来のオンブバッタ A. lata と違って成虫でも幼虫でも越冬しているようです。緑色型と褐色型を1匹づつ撮影しました。体長は1センチ強です。



(2023.01.31・明石公園)

2022年11月16日水曜日

ササキリ♀

 アラカシの葉に乗っていた♀のササキリです。さすがに気温が下がってきたせいか、逃げずに撮らせてくれました。♀は10年前にも一度出していますが、その時のものは茶色っぽい体色で、今回は普通の緑色系です。

長い触角です。

体長約18mm、翅端まで25mm。

正面から撮ろうとすると葉の裏にまわってしまいました。

(2022.11.16・明石公園)

2022年11月3日木曜日

オンブバッタ雌雄

 この季節、草叢を歩いていると足元からいくらでもとび出してくるオンブバッタですが、最近はアカハネオンブバッタ Atractomorpha sinensis という、一見見分けのつかないほどよく似た南方種がこのあたりにも分布を拡げてきて、すでにかなりの割合で在来種と置き代わっているそうです。普段からバッタ類に全く注意を払っていなかった私は虫取り仲間に教えられて初めてそのような事情を知ったのでした。この日は何も収穫の無いまま歩き回った末、そのアカハネでもいいだろうという気になってあちこちでペアになっているそれらしきバッタを何組か撮ってみたのですが、帰宅して写真をよく調べると全て無印のオンブバッタ Atractomorpha lata なのでした。アカハネは在来種と違ってよく飛ぶそうなので、こちらが近づくといち早く逃げてしまったのかも知れません。

緑色の♀に茶色の♂のペア。

そこに突然、もう1匹の♂が闖入してきました。

♀は2匹をおんぶしたまま歩き回ります。

やはり先取権が強いのか、やがて後から来た♂は向きを変えて降りていきます。

元通り。

(2022.10.27・明石公園)

2022年9月27日火曜日

カネタタキの雌雄

 河川敷の藪の中で、重なり合った葉の間にカネタタキ Ornebius kanetataki の雌雄が隠れていました。この虫はこういう狭い隙間でつがいになるのが好みのようで、同じような情景は何度か(こちらこちら)見ています。

上が♀、下が♂です。


♀はじっとしていましたが、オスは時々隙間から出てきて♀を窺ったり、

小さな翅を立ててチン、チンとか細く鳴いたりしていました。

鳴く虫が鳴いているところを撮るのは難しいですね。

スマホ写真ですが、こんな場所です。虫は矢印の先に見えています。植物はよく分かりませんが、クララでしょうか。

(2022.09.26 神戸市西区伊川)