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2025年2月24日月曜日

ホソコバネナガカメムシ

 ヤツデの枯葉の中にいたホソコバネナガカメムシ Macropes obnubilus です。メダケやササ類に寄生するそうですが、その類の植物には日頃から注意を払っていないせいか、ほとんど見かけることがありません。以前にも撮った記憶はありますが、ブログでは初登場だと思います。体長は約4.9mmです。





最後にひっくり返してお腹を撮らせてもらいました。

(2025.02.14・学が丘北公園)



2025年2月10日月曜日

クロハナカメムシとツヤヒメハナカメムシ

 冬場のケヤキの樹皮下では常連のカメムシ、クロハナカメムシ Anthocoris japonicus とツヤヒメハナカメムシ Orius nagaii です。後者は以前ヒメハナカメムシ属の一種として出していたものと同じだと思いますが、日本産ヒメハナカメムシ類の分類と同定の検索表により、この種としました。判別点は、前胸の四隅に剛毛がないこと、前胸背・小楯板の毛が明らかなこと、頭部前葉は淡色、前胸背は毛が少なく,点刻も疎で光沢が強いこと、などです。両種とも捕食性で、後者では真冬の樹皮下でアブラムシを捕えているのを見たこともあります(こちら)。

体長(翅端まで)は右のクロハナカメムシが3.6mm、左のツヤヒメハナカメムシが2.2mmくらいです。





(2025.01.31・神戸市西区伊川)



2025年2月1日土曜日

タイワンツヤカスミカメ

 ケヤキの樹皮下から出てきた、タイワンツヤカスミカメ Deraeocoris apicatus です。このカスミカメは旧ブログで2011年にはじめて掲載していて、その時は斑紋に違いがあるもののカワヤナギツヤカスミカメ D. claspericapilatus かな、としていたのですが、その後、acleris さんの記事で10年ぶりに正体が判明しました。近年侵入してきた台湾原産の外来種だそうです。3年前の冬にも記事を出していますが、このあたりではすでに普通種で、この冬も樹皮下などで何度も見かけました。
寝床を追い出されてしばらくケヤキの幹を歩いていましたが、やがて立ち止まり前脚で触角の手入れを始めました。






(2025.01.17・明石公園)

2025年1月31日金曜日

チマダラヒメヨコバイ

 美しい外見にもかかわらず少々どぎつい和名をつけられたチマダラヒメヨコバイ Tautoneura mori です。ムクノキの樹皮のくぼみにいました。翅端まで2.5mmほどの小さなヨコバイです。普通種で、3年前の冬にもヤツデの枯葉の中で集団で越冬しているのを見つけました。暖かい季節にはクワの葉に集まっているのがよく見られて、こちらの記事には羽化の様子を出しています。



(2025.01.17・明石公園)




2025年1月9日木曜日

カモドキサシガメの幼虫

 昨年末にアケビコノハを見つけたヤツデの株でその数日後、まだ何か潜んでいないかと再び枯葉をひっくり返していると、こんなものが見つかりました。林の中の薄暗い場所なので最初何者か分かりませんでしたが、ルーペで覗いてみるとなかなかお目にかかれないカモドキサシガメの一種の幼虫です。幼虫の外見は図鑑にも載っていないので種名は分かりませんが、ほぼ1年前の冬にやはりヤツデの枯葉の中でヒメマダラカモドキサシガメ Empicoris minutus を撮っているので、この幼虫も同種の可能性が高いと思います。体長は約3.8mmです。









(2024.12.24・明石公園)

2025年1月1日水曜日

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。


写真は、年末に撮ったオオキンカメムシです。
今年もよろしくお願いいたします。

(2024.12.20・舞子墓園)



2024年12月24日火曜日

トウネズミモチのミカンコナジラミ幼虫

 トウネズミモチの葉裏にぽつぽつとミカンコナジラミ Dialeurodes citri の幼虫がついていました。柑橘類の害虫なのでこんな和名をつけられていますが、他にも多くの樹木に寄生するようで、近所の公園ではこのトウネズミモチやクチナシでよく見つかります。写真はすべて同じ倍率で、体長は1.2から1.6mmくらいです。平べったい体つきなので角度をうまく合わせればほぼ全体にピントが合うはずなんですが、手持ち撮影ではなかなかうまくいきません。






(2024.12.20・舞子墓園)

2024年11月25日月曜日

キクグンバイ

 普段から好んで撮っている小さな虫の中でもグンバイムシ類は特にお気に入りですが、このキクグンバイ Galeatus spinifrons は初めてです。キクの害虫として知られていて、ヨモギ類にもつくということですが、なぜかこれまで見る機会がありませんでした。
いつもの虫仲間がノジギクの花壇で見つけた1匹を撮らせてもらったのですが、1匹いたのだからまだまだ他にもいるだろうと思ってその場では数枚撮っただけで済ませたのが間違いで、後で戻ってきて探しまわっても1匹も見つかりませんでした。折から公園内の別の場所で菊花展が開かれていたので、そこから偶然飛来した個体だったのかもしれません。
翅端まで3mmばかりの小さな虫ですが、その造形には驚かされます。



(2024.11.19・明石公園)

2024年11月20日水曜日

クモヘリカメムシ 越冬前?集団

 先日も出したばかりのクモヘリカメムシですが、いつもの公園では今年は例年になく数が多かったような気がします。草むらを歩く足元から次々とび出してくるというような光景はさすがに11月に入るとあまり見られなくなりましたが、あちこちの木の葉の裏でじっとしているのが目につき、さらに写真のように多数の個体がクワの葉の間に集まっているのを見つけました。この場所でこのまま冬を越すわけではないと思いますが、これも越冬の準備かも知れません。

枝の入り組んだ場所にいたので一部しか画面に入っていませんが、全部で10匹くらいいたようです。

(2024.11.07・明石公園)


2024年11月8日金曜日

フタテンカメムシ

 いつもの虫仲間に居場所を教えられてはじめて撮影できたフタテンカメムシ Laprius gastricus です。公園の園路わきの、ススキの根際に潜んでいました。幼虫もいたということでしたが、自力で見つけたのはこの成虫1匹だけでした。聞くところによると、個体数が少なくかなり珍しいカメムシだそうです。




(2024.10.01・明石公園)


2024年11月7日木曜日

クモヘリカメムシのペア

 これと言った理由もないのですが、気がつけば一か月近くも更新をさぼっていました。

久々の投稿も一か月以上前の写真ですが、“ネコジャラシ”の上で交尾していたクモヘリカメムシです。

(2024.09.29・明石公園)


2024年10月13日日曜日

コナジラミの一種と不明ダニ

 雑草のように生えたクワの幼木の葉を裏返すと、白いコナジラミの成虫がたくさん群れていました。頭から翅端まで1mm前後の小さな虫です。種類は分かりませんが、幼虫や蛹は、例えばこんな姿をしています。


大半はすぐに飛んでいきましたが、何とか残った連中を撮影。

こんなふうに2匹が仲良く寄り添っていることが多いのですが、雌雄のペアでしょうか。ただし交尾は確認できませんでした。

この2匹は前脚に何かくっつけています。

こちらでも。

ダニのようです。体長は0.15mmくらい。

このひとは2匹もつけています。

何匹もくっつかれると歩くもの難儀なようです。なんというダニなのか見当もつきませんが、コナジラミが専門の寄生者でしょうか。

(2024.09.29・明石公園)


2024年9月25日水曜日

キリの葉のタバコカスミカメ

 キリの幼木の大きな葉を裏返すと、このタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis がたくさんついていました。
このカメムシを初めて見たのは約5年前で、やはりキリの葉の裏でした。この公園には大きく成長したキリの木は少ないのですが、幼木はいたるところに生えてきます。その葉では必ずと言って良いほどヒメイトカメムシが群れているのですが、タバコカスミカメが見つかる場所は限られていて、この日見つけたのも5年前に初めて見た場所の近くでした。
今回は交尾中のペアも多く、またヒメイトカメムシの死骸を吸汁しているものもいました。タバコカスミカメはアザミウマやコナジラミなどの農業害虫を捕食するため生物農薬としての利用が進められているようです。キリの葉に集まっているのは、粘つく腺毛に捕まった微小昆虫が目当てなのかも知れません。関係があるのかどうかわかりませんが、農林省のサイトを見ると、このカメムシが好むゴマとクレオメを増殖に利用する方法が紹介されていて、調べてみるとどちらの植物にも葉に粘着性の腺毛が存在するようです。

交尾中のペア。ヒメイトカメムシのように逃げ回らないので撮影は楽でした。

左が♀で、産卵管が見えます。

よく見ると、ヒメイトカメムシの脚の先あたりに口吻を突き刺していました。おそらくすでに死んでいたものだろうと思いますが、あるいはこんなに大きな獲物を襲うこともあるんでしょうか。


あちこち刺点を変えて吸汁しています。

ヒメイトカメムシと同様、粘着性の腺毛の間を自由に歩き回れるように特に適応しているのではないかと思います。

体長約1.5mmの幼虫。

(2024.09.17・明石公園)