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2025年7月10日木曜日

キュウシュウクチブトカメムシの幼虫

 イヌビワの葉に乗っていた美しいカメムシ幼虫。この色や光沢から未だ実物を見たことのないアオクチブトカメムシか、と思ったのですが、虫仲間に見せるとキュウシュウクチブトカメムシ Eocanthecona kyushuensis ということでした。成虫は見たことがありますが、幼虫は初めてです。はじめの3枚はいつものストロボ一発、後の2枚は少し明るい場所に移動して自然光で撮ったものですが、カメラを近づけると逃げ回ってなかなか止まらないので満足な写真は撮れずに終わりました。体長は約10mmで、終齢だと思います。
クチブトカメムシの幼虫と言えば、10年以上も前にこの公園でこの仲間の若齢と思われる幼虫を撮っています(こちら)。図鑑やネット画像などいろいろあたってみたのですが、今のところ不明のままです。






(2025.06.27・明石公園)

2025年7月6日日曜日

不明ヨコバイ幼虫

 この幼虫は以前のブログにも一度掲載しているのですが、いまだに正体が分かりません。9年前の個体はコナラについていて、今回はアベマキなのでブナ科を好む種のようです。前回の個体は体長が約3mmで翅芽も発達しているのでおそらく終齢と思われ、今回は約2.6mmで3齢か4齢くらいでしょうか。かなり特徴のある外見ですが、このあたりで見かけるヨコバイの中では、候補になりそうな成虫の姿が思い浮かびません。そのうち身元が判明することを期待して、今回も不明のままで出しておきます。





(2025.06.27・明石公園)


2025年7月4日金曜日

ヒメグンバイの羽化

 グンバイムシが続きますが、今回はアベマキの葉裏で羽化していたヒメグンバイ Uhlerites debilis です。特に説明することもありませんが、羽化後はやがてこちらのような体色になります。








(2025.06.27・明石公園)





2025年7月3日木曜日

アワダチソウグンバイの孵化・その他

 この時期、表面の一部が白っぽく変色したセイタカアワダチソウの葉を裏がえすと、たいていこのアワダチソウグンバイ Corythucha marmorata に寄生されています。夏の間はこの葉の裏だけで世代を繰り返すので、成虫や各齢の幼虫から卵まで、全ての成長段階を同時に観察することもできるのですが、それにはルーペが欠かせません。この日もそうやって眺めていると、ちょうど卵から孵化してくる幼虫が見つかりました。

残念ながらすでにほぼ全身が出てきていましたが、グンバイムシの孵化は以前にトサカグンバイで見ただけなので、見つけられただけでも幸せです。


小さくてもカメムシなので、孵化幼虫は卵殻の“蓋”を開けて出てきます。


無事に抜け出しました。

この幼虫たちもまだ1齢と思われます。体長は0.5から0.6mmくらいですが、すでに食事を始めていてお腹が緑色になっています。

これは産卵中の♀と思われましたが・・・。

撮影しようとするとお尻を上がて立ち去ってしまいました。

脱皮してきた幼虫。3齢くらいでしょうか、体長は1mm足らずになっています。

(2025.06.21/25・明石公園)


2025年6月12日木曜日

アブラムシを捕えたハモリダニの一種

 赤いダニと言えばときどき建物の壁などの上を歩き回っているのが見られるタカラダニ類がよく知られていますが、葉っぱの裏にいる赤い奴は、大きさは同じくらいですが大抵このハモリダニの仲間(ハモリダニ科・ Anystidae)です。捕食性で、葉につくいろいろな小昆虫などを餌にしているので、調べたわけではありませんがおそらくそれが名前の由来でしょう。今回はアキニレの葉の裏でアブラムシを捕えていました。普段はかなり逃げ足が速いのですが、食事中はやはり獲物を捨てて行くのが惜しいのか、葉を裏がえしてレンズを近づけても逃げないことが多いようです。アブラムシの方は触角の配色がトゲマダラアブラムシの仲間に似ている気がしますが、全く見当はずれかも知れません。ダニの体長は1mmほどです。




(2025.05.31・明石公園)



2025年5月24日土曜日

ヒメカゲロウ科の幼虫

 クストガリキジラミに寄生されて黒く変色したクスノキの葉を見つけたので、羽化するところでも見られないかと何枚か裏がえしてみましたが、もうその時期は終わったようで、脱皮殻しか残っていません。かわりにヒメカゲロウ類と思われる幼虫が見つかりました。からだに白いワックスをくっつけているところを見ると、やはりキジラミの幼虫や羽化成虫を狙っていたんでしょうか。見たところ、周りにはもう餌になりそうな生きた虫は残っていないようでした。

体長は約5mm。


(20253.05.01・明石公園)

2025年5月9日金曜日

ムネアカアワフキの交尾と産卵

 サクラの葉を見上げながらムネアカアワフキ Hindoloides bipunctata を探していると、ちょうど交尾中のペアがいました。




図鑑やネット情報によると赤い部分が小楯板だけなのが♂で、それが前胸背まで拡がっているのが♀ということなので、画面右が♀でしょう。体のサイズも♀の方が大きいようです。ただし赤い部分については、多くの個体の中には中途半端で判別の難しいものも結構見つかります。

後ろから。

これは別の葉にいた個体で、どちらとも言い難い色合いです。♂だろうか♀だろうかと考えながらファインダーを眺めていると、体を起こした瞬間産卵管が見えました。産卵中だったと気づいたときにはすでに終わっていて、撮れたのはこのピンボケ1枚です。

移動を始めたのを2度目のチャンスを期待してしばらく追いかけていると、やがて葉柄の、花外蜜腺のあたりに腹端を付けました。角度が悪くてよく見えません。

やがて腰を上げた時に、ようやく産卵管が見えました。意外に短いです。

その後、他にも産卵中の♀がいないかと探し回って何とか撮れたのがこの1枚。やはりタイミングを逃して産卵管はすでにしまい込まれていますが、葉脈に産みこまれたばかりの卵が見えます。
サクラの枝先でよく見つかる貝殻状の物体がこのムネアカアワフキの幼虫巣だということは最近になって教えてもらったのですが、葉に産卵しているのはちょっと意外でした。孵化後しばらくは葉から吸汁するのか、あるいはすぐに枝先に移動するんでしょうか。孵化直後の幼虫を見たいものです。

(2025.05.01・明石公園)


2025年4月30日水曜日

クヌギトゲマダラアブラムシとツヤコバチの一種

 コナラのひこばえの、まだ柔らかい新葉を裏返してみると、白いアブラムシがたくさんついていました。他の葉を探すと黄色い有翅成虫も見つかり、背面に並んだ突起などの特徴から、クヌギトゲマダラアブラムシ Tuberculatus capitatus のようです。しばらく撮影していると、幼虫の周りを小さな黄色いハチが歩き回っているのに気がつきました。ツヤコバチの一種で、アブラムシに寄生する仲間でしょう。しきりに産卵の機会を狙っているように見えましたが、カメラで追い回したせいか産卵には至らず、やがて見失ってしまいました。アブラムシに寄生する黄色いツヤコバチは以前のブログでも2度出しています。こちらこちらですが、前者によく似ているようで、あるいは同種かも知れません。

小さな幼虫は白っぽく半透明の体です。1齢から2齢くらいでしょうか。

体長約0.8-1.0mmくらいです。

体長2mmほどの大型の有翅幼虫もいました。

有翅成虫もちらほら見られました。体長約2.6mm、翅端まで3.8mmです。

幼虫を狙っているツヤコバチ。体長約1mm、翅端まで約1.3mm。


広い葉の上を歩いては何匹もの幼虫を物色していましたが、期待した産卵場面は見せてくれませんでした。

(2025.04.25・明石公園)





2025年4月27日日曜日

ニッケイトガリキジラミ・羽化の季節

 アラカシのカシトガリキジラミにひと月ばかり遅れて、ヤブニッケイのニッケイトガリキジラミ Trioza vinnamomi が羽化の最盛期をむかえていました。カシトガリの場合は葉裏に寄生した幼虫が終齢まで成長しても葉の表側にはほとんど変化がなく、裏がえしてみないと存在がわかりませんが、こちらの方は寄生された葉には表面にいぼ状の突起、ニッケイハミャクイボフシという虫こぶが生じ、さらに幼虫の成長につれて葉の全体が丸まってくるので一目でわかります(こちらの記事)。この日はあちこちのヤブニッケイで羽化直後の成虫が多数見られましたが、残念ながらちょうど羽化の最中というのは見つかりませんでした。
羽化した成虫は間もなくヤブニッケイの新葉に産卵し、葉の表面には小さな虫こぶができはじめます(こちら)。


画面中央上寄りに羽化前の終齢幼虫(ピンぼけですが)が見えます。また下半分に4つほど見えている白い円盤はヤブニッケイシロカイガラムシの♀成虫だと思います。



ここに出していないものも含めて、この日撮った写真を調べるとなぜか♀ばかりでした。

(2025.04.22・明石公園)

2025年4月13日日曜日

ヤノイスアブラムシの幹母幼虫

 いつも見ているイスノキの、ようやく開いてきた新葉を探してみると、あちこちに小さな膨らみができていました。ヤノイスアブラムシ Neothoracaphis yanonis の寄生によって生じるイスノキハタマフシという虫こぶの初期段階です。ほとんどの膨らみではすでにアブラムシは内部に隠れしまっていますが、1匹だけまだ姿を見せていました。この春に孵化して、やがて幹母となる幼虫です。



体長は約0.35mm。アブラムシが吸汁することによって周囲の葉の組織が盛り上がり、やがてドーム状の閉じられた部屋が出来上がります。成長した幹母はその中で産卵を始めることになります。

顕微鏡写真風に透過光で撮ってみました。

これはすでに閉じられた虫こぶです。

幼虫の脱皮殻が残っていました。

ヤノイスアブラムシは世代によって寄主植物を変える移住性アブラムシで、一次寄主のイスノキと二次寄主のコナラを行き来しています。コナラ上の成虫や幼虫、イスノキの虫こぶ内の様子など、過去に何度も投稿していますが、それらはこちらの記事の最後にリンクを貼っておきました。興味のある方はご覧ください。

(2025.04.08・明石公園)