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2025年9月12日金曜日

クスグンバイと産卵痕

 昨日の記事と同じように見えますが、今回はクスグンバイ Stephanitis fasciicarina です。和名通りクスノキの葉に寄生するグンバイムシですが、クスノキはどこにでもあるのに意外に多くは見かけません。産卵痕を見たのもこれが初めてです。ヒメグンバイと違って、こちらは主脈そのものではなくその両側に卵を産みこんでいました。




以下は他の葉にいた別個体です。




(2025.09.02・明石公園)

2025年9月11日木曜日

卵を守る(?)ヒメグンバイ

 以前のブログでも出したことがあるのですが、夏から秋にかけて、アベマキやコナラの葉の裏でこんな光景がよく見られます。多数の卵が産みこまれた主脈の傍らでヒメグンバイ成虫が1匹、じっとしているだけなのですが、この成虫はおそらく卵を産んだ♀で、幼虫が孵化してくるまでの間卵を守っているのではないかと勝手に推測しています。飼育観察したわけでもないので確かな根拠もありませんが、カメムシの仲間ではツノカメムシ類のように産卵後の卵や孵化幼虫を守る種も知られているので、グンバイムシでそのような習性が見られても不思議ではない気がします。少なくとも、成虫がそばにいればこのような寄生者を遠ざける効果はあるかも知れません。

主脈に付着した黒いタール状の物質の中に噴火口のように開いているのが産みこまれた卵の上端で、幼虫はこの噴火口の中の「蓋」を持ち上げて孵化してきます。残念ながら孵化の瞬間はまだ見たことがありませんが、産卵場面は昨年初めて撮影することが出来ました。





(2025.07.30,09.02・明石公園)



2025年9月6日土曜日

木柵に産卵するアブラゼミ

 産卵中のアブラゼミを見つけました。
場所は伐採された木の枝を使った古い木柵で、セミはその側面に産卵管を刺しています。じりじりと前進しながら何度か産卵しているようでしたが、産卵管が体の陰になって見えにくく、何とかうまく撮れないかと四苦八苦しているうちに飛んでいってしまいました。




(20253.08.09・明石公園)


2025年9月5日金曜日

ビワキジラミ

 ビワの大きな葉を裏がえすと、見慣れないキジラミが1匹、主脈の陰にくっついていました。とりあえず撮影してから周囲の葉を調べてみましたが他には見つかりません。ビワの葉でキジラミを見た記憶がなかったので、他の植物から偶然移ってきたものかと思いながら撮影したのですが、帰宅してからビワ/キジラミで検索してみると、新顔のビワ害虫としてビワキジラミ Cacopsylla biwa に関する記事がたくさん出てきました(こちらなど)。2012年徳島県で初めて発見され、2014年に新種記載された種で、画像を見比べてもこの種で間違いなさそうです。兵庫県でも2017年でも確認されています。この公園ではビワの木は少ないのですが、今度は幼虫を見つけないといけません。

体長約2.3mm、翅端まで約2.6mmです。この写真では分かりづらいですが、腹端を見ると♂のようです。



(2025.08.28・明石公園)


2025年8月31日日曜日

フタテンカメムシの幼虫

 虫仲間に教えられ、初めてフタテンカメムシ Laprius gastricus を撮影できたのが昨年の秋でしたが、今回はやはり同じ虫仲間に前回見逃した幼虫の居場所まで案内してもらいました。

ススキの根方にいたのを、葉の先の方に移して撮っています。


体長は約10mm。翅芽の発達具合からおそらく終齢(5齢)だと思います。

しばらく大人しくしていたのでお顔も。

引き続き、二人でススキの葉をかき分けていると孵化したばかりと思われる幼虫も見つかりました。葉裏に卵の殻が4つ、幼虫も4匹いたのですが1匹は離れてしまいました。色合いは終齢と同じですね。


(2025.08.24・明石公園)


2025年8月30日土曜日

死んだヒメグンバイ

 ヒメグンバイに寄生されたアベマキの葉を、何か面白い場面でも見られないかと何枚も裏がえしていると、こんなものが目にとまりました。

この成虫はすでに死んでいるのですが、翅から脚、触角にまでタールのような黒い滴が付着しています。

周囲に散らばっているのと同じヒメグンバイの排泄物だと思いますが、それが死骸に大量に付着しているのは偶然とは思えません。仲間の死骸にわざわざ排泄物をひっかける、そのことに何か理由があるんでしょうか。

外傷もなさそうで、口吻を葉面に刺したまま死んでいるところを見ると死因は何らかの病気かもしれません。

口直しに、別の葉裏の生きている成虫・幼虫、それに脱皮殻です。

(2025.08.19・明石公園)


2025年8月23日土曜日

ヒメグンバイ幼虫とタカラダニ

 アベマキの葉裏にひしめくヒメグンバイの幼虫たちを眺めていると、よく目立つオレンジ色の点が見えました。タカラダニの仲間(タカラダニ科)です。グンバイ幼虫の複眼のすぐ上あたりに取り付いて、脚はどこにも触れず突き刺した口吻だけで体を支えています。丸々と太って皴一つ見えないのはすでに寄主の体液を腹いっぱい吸っているせいでしょうか。それでもグンバイの方は自分も葉に口吻を刺して食事中のようでした。グンバイ幼虫の体長は約1.6mm、タカラダニは0.6mmくらいです。小さな虫ばかり探しているとこのような場面を度々見かけますが、寄主になる虫も様々で、過去の記事から探してみるとクモヨコバイキジラミアブラムシなどが被害に会っていました。タカラダニの方も、種によってそれぞれ好む獲物が異なるようです。






(2025.07.30・明石公園)



2025年8月21日木曜日

鳥の糞に集まるキマダラカメムシ幼虫たち

 キマダラカメムシはセミのように木の幹に口吻を突き刺して樹液を吸う妙なカメムシですが、鳥の糞も好物のようです。この日はサクラの葉の上に数匹の幼虫が集まって、せっせと鳥の糞を吸っていました。
ところで、以前のブログに“鳥の糞を食べるキマダラカメムシ”というタイトルで、葉の上で白く乾いた“糞”を口吻でこすり落とすようにして吸っている成虫たちの写真を出していますが、調べてみるとこの白い粉のようなものは鳥の糞ではなく尿であって、それに含まれる尿酸が結晶したものなのだそうです。この幼虫たちもひょっとしたら糞と一緒に排泄される尿酸が目当てなんでしょうか。

いつもの言い訳ですが、そよ風に葉が揺れて、かと言って手を添えるわけにもいかず、ピンボケばかり量産しました。

大小の幼虫が争うでもなく、仲良く重なり合って食事をしているのが微笑ましいですね。


(2025.07.23・明石公園)

2025年8月18日月曜日

ノコギリカメムシの幼虫

 8月に入ってから野暮用が多くて(その上猛暑も手伝って)更新が止まっていました。
撮影にもほとんど出かけていないのでこれは一か月も前に撮ったものですが、ノコギリカメムシ Megymenum gracilicorne の幼虫です。カラスウリにいたものを虫仲間に教えてもらいました。日本原色カメムシ図鑑の写真と比べると4齢と5齢のようですが、撮影倍率を控えていなかったので正確な体長は分かりません。3年前に同じ場所で撮った成虫はこちらに出しています。この公園でカラスウリの生える場所は他にもありますが、このカメムシが見つかるところは限られているようです。

これは4齢と思われます。

これは翅芽がだいぶ大きくなっていて、おそらく5齢でしょう。

後ろ姿です。

(2025.07.19・明石公園)


2025年8月2日土曜日

エビイロカメムシの幼虫と成虫

 いつもの虫仲間に居場所を教えてもらい、エビイロカメムシ Gonopsis affinis の幼虫を撮りに行きました。目当てのススキの葉の間を探すとおよそ10匹近くは見つかりましたが、どれもかなり大きくなっていて、4齢と5齢(終齢)のようです。この日は幼虫ばかりでしたが、約2週間後に同じ場所を訪れると成虫も出てきていました。

これが多分4齢。

同上。

同上の顔です。

これは終齢だと思います。

その顔。

約2週間後、成虫もいました。

(2025.07.10/23・明石公園)


2025年7月29日火曜日

ウシカメムシ孵化幼虫

 サクラの葉の裏で、孵化直後と思われるカメムシの幼虫が卵殻を囲んでいました。はじめクサギカメムシかと思ったのですがちょっと違います。この公園で見つかるカメムシで、木の葉の裏にこんな形の卵を産み付ける種はそう多くありません。キマダラでもなく、チャバネアオでもなく、もしやウシカメムシか、と思ってネット上の画像を探してみると、当たりでした。チャンネルF+というブログにウシカメムシを飼育した詳細な記録があって、そこに掲載された孵化したばかりの幼虫の写真とよく一致したのです。実は以前にも卵殻を囲んだウシカメムシの幼虫を撮影したことがあって、それを1齢幼虫だと思っていたのですが、同じブログの別の記事を拝見すると1齢ではなく2齢だったようです。

6個の卵のうち5個はすでに空ですが、幼虫は3匹しかいません。寄生されていた形跡もないので、2匹はどこかへ出かけているんでしょうか。残りの1個も孵化間近のようです。


体長は約1.4mmですが、幅はそれ以上あります。

最後に残った1個も赤い複眼や触角(?)が透けて見えています。

(2025.07.04・明石公園)

2025年7月28日月曜日

ホソヒョウタンカスミカメ(深度合成)

 先日取り上げたばかりのホソヒョウタンカスミカメ Pilophorus erraticus ですが、これはその少し前に採集した別個体です。先の記事の個体は腹部が大きくて♀ではないかと思いますが、こちらは腹部もややほっそりしていて、また腹端の構造を見ても♂のようです。





(2025.06.25・明石公園にて採集)