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2025年7月8日火曜日

ヒメハナゾウムシ(アカメガシワの花外蜜腺)

 アカメガシワの葉の付け根で何やらごそごそ動いていると思ったら、花外蜜腺に集まったヒメハナゾウムシ Anthonomus (Anthonomus) minor でした。


吻の先まで2mmばかりの微小なゾウムシです。名前通り花の上で見かけることの多い種で、花外蜜腺に来ているのは初めて見ました。

周囲の葉にも数匹づつ集まって蜜を吸っています。





花外蜜腺で見かける昆虫と言えばほとんどがアリで、連中が集まっていると他の虫が寄り付かない感じですが、たまたまこの木にはほとんど来ていなかったようで、こんな小さなゾウムシがのんびりと蜜を吸っていたのもそのおかげかも知れません。

(2025.06.27・明石公園)


2025年6月30日月曜日

ガロアケシカミキリ

 体長4mmちょっとのガロアケシカミキリExocentrus galloisi です。知らぬ間に服の袖にとまっていたのを手近のサクラの葉にのせて撮りました。これまでにも何度か撮影していますが、ブログに出すのは初めてだと思います。小さくて地味なカミキリムシですが、アラゲケシカミキリ属という(和)属名の通り、まっすぐ立った長い剛毛が疎らに並んでいるのが特徴的です。






(2025.06.25 明石公園)

2025年6月23日月曜日

ヒラタハナムグリの交尾

 木立の中の薄暗い場所に、最近になって伐採されたヤマモモの幹がそのまま転がされています。何か来ていないかと立ち寄ってみると、垂直になった切断面からなにやらとび出していました。

ヒラタハナムグリです。

穴からほぼ全身を乗り出して、お尻の先だけで支えられている格好です。以前にもこんな状況を見たことがありました。

穴の中を覗き込むと、やはりもう一匹。

交尾中なのでした。お腹の大きさからみて、穴の中にいる方が♀でしょう。


各種の花の上で普通に見られるヒラタハナムグリですが、それらはすべて♂だそうで、♀には訪花性がなく、朽木の中や枯れ木の樹皮下で過ごしていて飛ぶこともほとんど無いということです。2例見ただけでは何とも言えませんが、このような交尾スタイルもこの虫では普通なのかも知れません。

(2025.06.19・明石公園)


2025年6月22日日曜日

イノコヅチカメノコハムシの終齢幼虫

 昨年の記事と同じ場所のイノコヅチに、今年もイノコヅチカメノコハムシ Cassida japana が集まってきていました。しばらく前から成虫や幼虫を見かけていたのですが、この日はお尻の先に脱皮殻を4つ付けた終齢(5齢)幼虫ばかりでした。体長は5mm前後です。

葉の上で、こんな風にお尻を立てているものも多いのですが、葉に触れたりして警戒させるとたいていすぐに葉面に降ろしてしまいます。この個体は協力的でした。

上と同じ個体。

これは葉裏にいた別個体。


せっせと葉を齧っていました。

真上から。


(2025.06.17・明石公園)

2025年6月14日土曜日

ヤマトケシマキムシ?

 サクラの葉の裏に小さな影が見えたので、ゴミかなと思いながら念のため引き寄せてルーペで覗くと、小さいながられっきとした甲虫した。体長約1.6mmで、私の老眼ではどっちを向いているのかも分かりません。その場では科名すら思い浮かびませんでしたが、後で撮影画像を見るとなんとなく見覚えがあるので、過去の記事を探すと2度も(2015.04.162016.02.19)出していました。どちらも疑問符付きでヤマトケシマキムシ Melanophthalma japonica (ヒメマキムシ科)としています。それから約10年も経っているのでもう少し確かな情報が得られるかと、改めてネット上を探してみましたが見つからず、今回も疑問符付きのタイトルになりました。不確実ながらもこの種ではないかとした理由については前の二つの記事に書いています。




(2025.05.31・明石公園)


2025年6月8日日曜日

ヒメマルカツオブシムシのペア

 個人的には、このサイズの甲虫の中ではかなり写真映りが良いほうだと思っているヒメマルカツオブシムシ Anthrenus verbasci です。ヒメジョオンの花の上で交尾していました。三毛猫みたいな配色もいいのですが、密生した鱗毛のおかげで多くのテントウやハムシのような強い光沢がないので、フラッシュ一発の横着な撮影でもあまりボロが出ないところも気に入っています。
今回のペアは♂の方が大柄で、以前の記事とは対照的です。雌雄差よりも個体変異の方が大きいということでしょうね。


(2025.05.31・明石公園)

2025年6月7日土曜日

キバラルリクビボソハムシの幼虫・その後

 5月中旬に孵化していたキバラルリクビボソハムシの幼虫の、2週間後の様子です。大きいものは後体部が半球状に膨らんだ特徴的な体形で、体長7mm近くまで成長していました。成虫のサイズを考えるとこれくらいで終齢でしょうか。孵化幼虫のように背中に糞を載せている個体はもういませんでしたが、中齢と思われる体長3mmくらいの個体の中には、代わりに頭部の脱皮殻を背負っているものがいました。

体長3.2~3.5mmくらいの中齢幼虫。

背中に頭部の脱皮殻をのせています。

こちらの3匹は4mmから5mmくらい。

画面上の個体は体長7mmちかく。なかなかのボリュームです。

(2025.05.27・明石公園)

2025年5月22日木曜日

ヒメコブハムシの交尾と産卵

 去年初めて見たヒメコブハムシ Chlamisus diminutus が今年も同じ場所のイタドリに来ていました。実は 昨日の記事のオオズアリもこのハムシを探しているときに見かけたものです。前回は見つけられなかった交尾シーンもようやく撮ることができ、また産卵中の♀もいました。この場所のイタドリは、夏が終わる頃には他の雑草とともにきれいに刈り払われていたので今年も来るかどうか心配していましたが、無事に帰ってきたようです。同属のムシクソハムシは成虫で越冬するそうですが、この種も同じなんでしょう。ただ最近まで食草も不明だったようですから、まだ確認されていないのかも知れません。

交尾スタイルは同属のムシクソハムシとほとんど同じですが、♂は脚も触角もすべてたたんで、♀と繋がった交尾器だけで支えられています。




♀が歩きはじめると♂もくっついたままついていきます。

1匹のメスが卵に糞の上塗りをしている最中だったのですが、撮ろうとすると離れてしまいました。こちらを警戒して中断してしまったのかも知れませんが、仕事はほぼ終わっているようです。茎の表面が広く齧られているのが見えますが、去年の観察でも成虫幼虫ともに葉よりも茎の表皮を食料としているように見えました。

糞ケースの色は、メスが食べた茎の赤い表皮の色そのままです。
孵化後、幼虫はこの糞ケースの一端から顔を出して摂食をはじめ、こちらのように成長につれて自分の糞を付け足してケースを大きくしていきます。

(2025.05.13・明石公園)


2025年5月19日月曜日

キバラルリクビボソハムシ 卵・孵化幼虫・成虫

 食痕が目立つツユクサがあったので、以前から撮影したいと思っていたキバラルリクビボソハムシ Lema concinnipennis の幼虫を期待して適当に葉を裏がえしていくと、何枚かの葉裏にハムシのものらしき黄色い卵が産み付けられていました。周りを探すと成虫も数匹見つかったので、卵もこのハムシのもので間違いなさそうです。まだ幼虫の姿はありませんが、一端に眼点のような斑点の現れているものもあって、孵化が近いと思われました。
数日後に訪れると、いくつかの卵塊は孵化していて小さな幼虫が摂食を始めています。まだ生まれたばかりと思われますが、すでに少量ながら自分の糞を背中に乗せているものもいました。また孵化直前と思われる卵では、卵殻を通して孵化直前の幼虫の姿がはっきり見えています。周囲ではまだ何組かの成虫が交尾していたので、産卵はまだしばらく続くのでしょう。まだ実物を見たことがありませんが、幼虫の成長につれて背中の荷物も大きくなっていくようです。少し日を置いてまた見に来なければなりません。

卵は数個から十数個をかためて産み付けられていました。1個の長さは約1mm。

こちらの卵では一端に赤い点がいくつか見えて、やや進んだ発生段階だと思いますが、なぜかどれも少し凹んでいます。

5日後。いくつかの卵塊はすでに孵化していました。

孵化幼虫の体長は約1.2~1.5mm。

葉の表側の表皮を残して食べています。

孵化間近の卵。

大あごの形が見えます。

交尾中の雌雄。和名の由来の、黄色い腹部が見えます。

両方の顔面にピントを合わせたいのですが、なかなかうまく行きません。

別のペアです。

(2025.05.08/13・明石公園)