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2026年8月2日日曜日

オビデオゾウムシ(深度合成)

 センダンの葉の、縁が細長く巻き上がっているのを何気なく広げてみると、小さなゾウムシが何匹も隠れていました。オビデオゾウムシ Orsophagus trifasciatus です。この種は10年ほど前にやはりセンダンの葉で見つけたことがあって、センダンの葉捲の中で見つかるらしいということもその時に調べていたのですが、すっかり忘れていました。いくつかの葉捲の中からたくさん出てきたものの、開いた途端逃げ回るのでその場で撮影するのはあきらめ、2、3匹採集して帰りました。
その後あらためてネット情報を探してみると、「夢の中の虫」というブログでこのゾウムシについて詳しく調べられた記事を見つけました(2023.02.09,2023.02.10)。それによるとセンダンの葉捲というのはセンダンコクロキジラミの寄生によって形成されるものだそうです。その中に入っているゾウムシはいわゆる居候ということでしょうか。このセンダンコクロキジラミはたまに見かけるのですが、大抵は他の植物上で、センダンでは一度くらいしか見たことがありません。今回見つけた葉巻もすでに古くなったもののようで、キジラミの姿はありませんでした。ただ、上記「夢の中の虫」の管理人さんはこの「葉捲って何やろか?」と疑問を呈しておられるので、今回その実物の写真を撮っておかなかったのを悔やんでいます。




ここまで3枚は同じ個体ですが、口吻が横を向いてしまいました。以下3枚は別個体です。




(2026.07.24・明石公園にて採集)


2026年7月29日水曜日

トサカグンバイ(深度合成)

 私の好きな小さな虫の中でもグンバイムシ類はとりわけ面白い姿をしていて、これで体長が1cmもあればさぞ見事だろうといつも思っています。これまでに何種かを深度合成で撮影していましたが、このトサカグンバイ Stephanitis takeyai はまだちゃんと撮っていなかったので、寄主のネジキの多い場所を訪れた機会に成虫を何匹か採集して帰りました。この仲間としては大型で、ステンドガラスのような翅が光の当たり具合によって虹色に輝く美しい虫です。

まず♀です。

♀の腹面。

♂はやや細身に見えます。

♂の腹面。腹端の形の他に、腹部の大きさもかなり違います。

♀の胸部背面の膨らみ。

これは♂。

♀の翅。

♀の側面。

上と同じ。

最後は♀の顔面です。
これまでに掲載したグンバイムシの深度合成画像は、ヘクソカズラグンバイプラタナスグンバイアワダチソウグンバイヤナギグンバイの4種です。

(2026.07.12・三木山森林公園にて採集)


2026年6月19日金曜日

ヒメホコリタケシバンムシ(深度合成)

 先日掲載したケジロヒョウホンムシと同じ時に、同じヒョウホンムシ科の小甲虫をやはりサクラの葉裏から採集していました。ヒメホコリタケシバンムシ Caenocara rufitarse だと思います。ほとんど半球型の体形で、一見やはり葉裏でよく見つかる黒いヒメテントウのようですが、触角を見るとテントウムシ類のそれとは全く似ていません。最初に見つけた1匹はその場で撮ろうとしたのですがやはり逃げ足が速すぎてうまく撮れず、次に見つけたのを1匹持ち帰って冷凍庫に放り込みました。
さて撮影のために冷凍庫から取り出すと、脚は折りたたまれ、特徴的な触角も胸部と腹部の間に引き込まれて見えません。どうにか触角を引き出すことは出来ましたが、脚の方はあきらめました。和名の通り、ホコリタケ類に集まるそうです。




(2026.06.11・明石公園)

2026年6月15日月曜日

ケジロヒョウホンムシ(深度合成)

 以前のブログにはじめてこの小さな甲虫を出した時はどのグループに属するのかすら分からず、とりあえず“ハムシの一種?”としていたところ、匿名の方からケジロヒョウホンムシ Hanumanus senilis という種名を教えていただきました。ヒョウホンムシ科の一種で、この仲間は名前通り昆虫などの標本や乾燥食品などを食害するそうですが、この時期、サクラの葉の裏にとまっているのをよく見かけます。しかしわずかな刺激ですぐに落下するし、落ちるのを受け止めて葉に乗せても一瞬“死に真似”をしたあと一目散に駆け出すのでなかなか撮影できません。それで今回は1匹採集してかえり、いつものように深度合成撮影をしました。

少しでも形を整えようと悪戦苦闘の結果ゴミだらけになってしまいました。

前胸背から上翅にかけて、長短の毛の組み合わせが独特です。



(2026.06.11・明石公園にて採集)


2026年6月6日土曜日

アベマキ葉裏の繭から羽化したゾウムシ

 昨日の記事の、アラカシの葉裏についていた繭を持ち帰ってから6日目、羽化が始まりました。
繭を作った虫の正体さえ分かればよいと思って容器に入れたまま放置していたのですが、この日の朝ふとルーペで覗いてみると、ちょうど繭の一端がきれいな円形の蓋状に噛み切られていて、隙間から中の虫が見えています。やがて蓋を押し開けて出てきたのは体長2mm半ほどのゾウムシでした。
このゾウムシ、以前にも見たことがあると思って調べると、同種と思われるものを6年前に出していました。その記事では種名を「マダラケシツブゾウムシ?」としていたのですが、これはマメダオシやアメリカネナシカズラに寄生して虫こぶを作る種です。今回同じものがアベマキについた繭から出てきたことで、別種であることがはっきりしました。
そこであらためて甲虫図鑑やネット情報にあたってみたのですが、うまく当てはまる種が見つかりません。体形や上翅の斑紋はアカタマゾウムシ Stereonychus thoracicus に似ていると思ったのですが、これはヤチダモに寄生する種で、体長も5~5.5mmと倍以上あって全くの別種です。ただこの種の属する Stereonychus はすべて脚の爪が1本ということですが、下の写真から分かるように今回繭から出てきたゾウムシも爪が1本です。多くの甲虫と同様ゾウムシでも通常爪は1対なので、それが1本ということは候補がかなり絞れそうな気がしますが、 Stereonychus 属以外の1本爪ゾウムシがどれくらいいるのかもよく分かりません。ただ外見も似ていることから、Stereonychus の可能性もあるのではないかと想像しています。







「一本爪」であることが見てとれます。

深度合成でも撮っておきました。



口吻が腹面に引き込まれ、触角もそれに隠れて見えませんが、うまく引き出すことが出来ませんでした。


(2026.05.30・自宅)



2026年2月9日月曜日

アカメガシワの葉

 虫撮りの成果も上がらないので、ちょっと季節が合いませんがたまには植物でも。
数年前の4月に撮影したアカメガシワ Mallotus japonicus の葉の星状毛です。




それぞれ少しづつピントをずらしながら撮影した数十枚の写真を、専用ソフトで重ね合わせた深度合成画像です。

間もなく春になればこんな若葉がいたるところで見られます。これまでしげしげとご覧なったことのない方は、ぜひ一度虫眼鏡、できれば10倍以上のものでじっくり眺めてみて下さい。


2026年2月1日日曜日

ヒゲブトホソアリモドキ

 先日のモモブトトビイロサシガメの記事の1枚目に、ピンボケで小さく写っていたアリモドキの一種です。
この日、木切れや石ころを裏返すと何度も出てきたのですが、肉眼ではアリにしか見えません。ルーペで見てやっと甲虫であることは分かったのですが、アリと同じようにひたすら歩き続けてほとんど立ち止まらず、カメラの視野に捉えるのも一苦労です。ほとんどピントを合わせることも出来ないので、スタック撮影用に2匹ばかり採集して帰りました。
保育社の甲虫図鑑で調べると、大きさや体形、斑紋がヒゲブトホソアリモドキ Anthicus monstrosicornis によく似ています。また“頭部後縁が中央で湾入する”という特徴も写真で確認できるのですが、“♂の触角第5~6節が強く内方にひろがる”というのは採集した2個体ともに認められません。ただ“砂浜で発見されるが少ない”ともあるので、同種の♀である可能性がありそうですが、決めるには図鑑よりもう少し解像度の良い画像を見たいところです。
ネット検索では各地の採集記録は出てくるのですが、生体も標本も写真がほとんどありません。ようやく探し出したのは iNaturalist に投稿されたこちらだけでした。中国大陸での記録ですが、かなり鮮明な画像で触角第5~6節の特徴がはっきり確認でき、同定に間違いはなさそうです。そしてその画像を今回撮影したものと比較すると、上記の触角第5~6節以外にはほとんど違いがないので、こちらの方は同じ Anthicus monstrosicornis の♀と考えて良いと思います。

これが現場で撮った一番ましな写真です。

以下、深度合成画像です。




次は同時に採集したやや小型の個体です。


触角は普通で、こちらも♀のようです。

(20256.01.21・明石市藤江)


2025年7月12日土曜日

ミツヒダアリモドキ(深度合成)

 ミツヒダアリモドキ Nitorus trigibber は以前のブログで2度出していますが、あらためて確認するとどちらも明石公園で撮ったものでした。これまでに数えるほどしか撮っていない種ですが、何しろ小さいので目に留まらないだけで、ビーティングでもすれば結構落ちてくるのかもしれません。サクラの葉裏で見つけたのですが、逃げ回って撮らせてくれないので今回は持ち帰ってスタック撮影してみました。相変わらず展脚がちゃんと出来ませんが、脚の数が減る前にあきらめました。
姿がアリに似ているからアリモドキですが、写真を見るとそれほど似ているようには見えません。アリとは違って立派な翅を持っているので、その分腹部が大きく見えるせいでしょうか。ただ、木の葉の裏についているのをシルエットで見ると確かにアリと見間違えそうです。






(2025.06.23・明石公園にて採集)


2025年3月30日日曜日

アカアシノミゾウムシとヤドリノミゾウムシ(深度合成)

 冬場のケヤキの樹皮めくりではアカアシノミゾウムシ Orchestes sanguinipes とヤドリノミゾウムシ O. hustacheiという、大変良く似た小さなゾウムシが一緒に見つかることがあります。実際、自分でも最初の頃はすべて同じ種だと思っていました。体色と大きさに違いで見分けられるようなのですが、保育社の甲虫図鑑を見ても、ネット上の記事を拾い読みしてみてもそれ以外の外見上の違いについては言及がありません。そこで先日、散歩がてらに心当たりのあるケヤキで両種を採集してきて、何か明確な違いが見つからないか、深度合成画像で見比べてみることにしました。
しかし例によってこのサイズの甲虫は扱いが難しく、折りたたまれた脚を拡げることがどうしてもできません。図鑑の画像などではどれもきれいに展脚されていて、しかるべき方法でやればできることなんでしょうが、私の技術では標本を傷つけずに展脚することはほぼ不可能なようです。あきらめてそのまま撮影しました。よく似た両種の違いを見つけてやろうと意気込んではじめた割には、重要な部分の多くが写真では見えないというまったく不満足な結果に終わってしまいましたが、とりあえず出来上がった画像を並べておきます。

まず、アカアシノミゾウムシ。体色変異の多い種ですが、これは触角と脚および上翅が赤褐色で他が黒色のタイプです。






次がヤドリノミゾウムシ。こちらの種は体色が安定しているようです。時間の都合で顔面の拡大は省略しましたが、本種の深度合成画像は以前の記事にも出しています。




以上の画像を見る限りでは、体色と大きさのほかにアカアシの方が若干細身のように見えますが、それ以外にははっきりした違いは確認できないようです。

(2025.03.20 神戸市西区伊川にて採集)