ラベル 緑藻類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 緑藻類 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2023年6月21日水曜日

ホシガタモの一種

 これは単細胞の緑藻類で、ホシガタモの一種です。ホシガタモ属(Staurastrum スタウラストルム)には様々な形の多数の種が含まれていていますが、どれも細胞中央の括れをはさんで両側が同じ形をしていて、それぞれを半細胞と呼ぶそうです。写真は各半細胞から3本の突起が放射状に伸びている種ですが、そのままでは全体にピントが合わないので、カバーガラスで押さえてやや潰れた状態で撮影しました。


(2023.04.19・明石公園の池で採集)

2023年6月19日月曜日

ミカヅキモ2種(深度合成)

 大型のミカヅキモ Closterium 2種です。どちらも20枚前後撮影して深度合成しました。1枚目はこちらと同じでしょう。細胞の形や大きさ、葉緑体全体に散らばった多数のピレノイド(丸い粒々に見えます)から Closterium ehrenbergii だと思いますが、この種にはいくつもの変種が存在するようで、そのうちどれに該当するのか分かりません。2枚目は C. acerosum あたりと考えていますが、同じような形の種は他にもあって、違いがよく分かりません。こちらと似ていますが、長さと太さの比率がかなり異なるので、別種かも知れません。



(2023.05.19・明石公園の池で採集)

2023年5月24日水曜日

細長いミカヅキモ closterium aciculare

 非常に細長く、優美な形のミカヅキモです。これまであまり見た覚えがないのですが、この日のサンプルには多量に含まれていました。Closterium aciculare だと思います。


別個体ですが、蛍光撮影も試みました。B励起、自家蛍光のみで、葉緑体が赤く発光しています。輪郭を出すために弱く暗視野光を入れています。

(2023.04.19・明石公園の池にて採集)

2023年5月5日金曜日

はじめての蛍光撮影

 最近オークションで手に入れた顕微鏡に落射蛍光装置がついていました。
それが目当てで買ったのではなく、特に蛍光観察に興味があったわけでもないのですが、折角ついているものだから使わない手はありません。予備知識もほとんどありませんが、ネットであれこれ調べてみると蛍光試薬を使わなくても、植物細胞などの自家蛍光の観察だけでも結構楽しめそうなので、試してみることにしました。
装置にはまだ寿命のありそうな水銀ランプと大きな電源も含まれていましたが、水銀ランプは取り扱いが面倒そうです。もともと本格的な蛍光観察に挑戦するつもりもないので、さっさとLEDに交換することにしました。

4個の蛍光キューブのうち1個はフィルターが剥離していましたが、残りの3個は使えそうです。で、それぞれの励起波長に対応する単色LEDをネット通販で取り寄せ、細長いヒートシンクに並べて取り付けました。すべて3Wで、それぞれUV、B、G励起用です。

水銀ランプを取り外したランプハウスにセットしたところです。使用するLEDをヒートシンクを上下にスライドさせて光路に入れ、スイッチで切り替えられるようにしました。ひとまずこれで使えそうです。

手はじめに冷蔵庫からレタスの葉をひと切れ失敬してきて、剥がした表皮を覗いてみました。その昔、親に買ってもらった顕微鏡ではじめて見たものの一つがツユクサの葉の気孔だったことを思い出します。これは対物25XでUV励起。

同じく対物25XでB励起。孔辺細胞の葉緑体が点々と赤く光っています。それにしても、こういう画像のホワイトバランスはどう設定すればいいんでしょうか。視野が全体に赤っぽくなるのでとりあえずタングステンに設定しましたが、前のUV励起の画像はそれではほぼ青一色になるので、スライダーをかなり動かしています。

これもB励起で、対物100X。予想はしていましたが、照明の暗いのには難儀します。部屋の明かりを消してピント合わせもPCのモニタが頼りですが、露出時間は長くなり、接眼レンズからの逆入光の影響も出るので、双眼部に覆いを被せて撮影しました。

アオミドロも撮ってみました。対物40x、B励起で、14枚の深度合成です。

同じくアオミドロですが、輪郭を出すために弱く暗視野光を入れてみました。対物25X、B励起、18枚の深度合成です。

アオコの一種、ミクロキスティス。対物40X、G励起です。

同じく、UV励起。

対物25X、B励起で、ボルボックスの娘細胞です。娘細胞は小刻みに動いていることが多いのですが、これは動きのないものを探して撮影しました。
新しいおもちゃはまだ分からないことばかりですが、いろいろ勉強して楽しく遊べるようなりたいと思います。

2022年7月5日火曜日

クンショウモの一種(Pediastrum sp.)

 先日出したヒトヅノクンショウモと同じく64細胞のクンショウモですが、これは外周細胞のツノが2本づつあります。また細胞間に隙間もないので、いつもの淡水微生物図鑑に載っている種の中ではサメハダクンショウモ Pediastrum boryanum か和名無しの P. integrum のどちらかになりそうですが、2種の違いがよく分かりません。ただ過去に観察して前者だと思っているもの(こちら)は和名の由来である細胞表面の顆粒がもっと目立っていたので、今回の種は違うような気がします。

いつも完全な形の群体を撮影したいと思うのですが、今回も珪藻のかけらが付着してどうしても取れず、1個の細胞は中身が抜けています。また外周の細胞列が一か所乱れています。

外周細胞の突起から細い粘液糸が伸びています。

(2022.06.30・神戸市西区伊川にて採集)

2022年6月14日火曜日

64細胞のヒトヅノクンショウモ

いつもの公園の池のサンプルではクンショウモもよく見つかりますが、細胞数が32個かそれ以下のものばかりで、64個のものはなかなか見つかりません。今回のヒトヅノクンショウモ Pediastrum simplex はかなり探してようやく見つけたもので、中身の抜けてしまった細胞や矮小な細胞まで数えて一応64個になります。位相差っぽい画像ですが、自作の反射式暗視野コンデンサによる輪帯照明です。

128細胞のクンショウモは未だに見たことがありません。

(2022.06.11・明石公園の池にて採集)

2022年1月12日水曜日

真冬のボルボックス

 正月三が日も済んで、いつもの公園の池で水を濾すとボルボックス(Volvox sp.)が大量に採れました。

この池では20年も前から採集していますが、2019年以前にはボルボックスはかなり珍しいもので、時折少数が見つかる程度でした。それが2年ほど前から度々大量に発生するようになったのですが、その理由の見当がつきません。今回は有性群体は見当たりませんでした。

優雅に泳いでいる姿を撮ろうとしていたのですが、照明を当てると中心部めがけて周囲から集まって来て、こんな過密状態になってしまいました。

(2022.01.07・明石公園 剛の池にて採集)

2021年12月26日日曜日

フクロワムシ属の一種・♂(Asplanchna sp.)(改題)

* 2022.01.01・追記 *

初めて見る種のフクロワムシだと思っていたのですが、わちーさんより、これはフクロワムシの雄であることを教えていただきました。種はサンプル内の雌を確認して類推するしかないそうです。同じ池でよく見つかるこちらと同じ種なのかも知れません。ネットで検索してみると A.priodonta の雄の画像が見つかりました(こちらこちら)。詳しくは分かりませんが、毛束のようなものは lateral antenna(側触角?)に dorsal antennae(背触角?)と呼ばれるもので、それぞれ一対あるようです。また肛門と考えた部分はペニスの出入りする孔のようです。

先日記事に出したたくさんのプレオドリナを眺めていると、その間を見慣れないフクロワムシの一種が泳ぎ回っていました。体長はよく見かけるもの(多分 A.priodonta)の半分くらいで肛門らしきものがあり、また体の中央付近の両側に毛束のようなものが見えます。足や趾は見当たらないのでフクロワムシ属 Asplanchna に間違いないと思いますが、手持ちの図鑑やネット上の画像には今のところ似たものが見つかりません。


フクロワムシの仲間としてはかなり小型です。


後端(右下)に横向きの開口部(肛門?)が見えます。

薄くて見えにくいですが、体の中央付近から毛束が伸びています。

左上の黒い線は撮影中に蒸発で減った水と空気の境界です。

動画です。


(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集)

2021年12月22日水曜日

プレオドリナ 細胞分裂・精子束・娘群体

 12月15日の記事の続きです。
シャーレに入れたまま一晩置いたプレオドリナ(Pleodorina sp.)を翌日検鏡してみると、さらに多くの群体で細胞分裂が進行していました。分裂の様々な段階の生殖細胞から脱出を待つばかりの娘群体まで、それに有性生殖に関わる精子束(精子の集合体)らしきものが見られます。この仲間は充分な栄養がある時には無性生殖で増殖し、栄養不足の条件では有性生殖に移行するそうです。無性生殖では群体内の生殖細胞が分裂して娘群体を形成し、有性生殖時には生殖細胞は雌性配偶子と雄性配偶子(精子束)に分化するということですが、見ているものがどのような段階にあるのか、勉強不足でよく分かりません。精子束が生じているのはやはり採集後丸一日以上シャーレの中に放置したおかげで栄養条件が悪化したことによるのかも知れません。

2個、4個に分裂している生殖細胞。左下の小さな細胞は非生殖細胞。

さらに分裂が進んだ生殖細胞と精子束(多数の鞭毛が見える)。

この群体ではすでに娘群体が成熟しています。

親群体から脱出する娘群体。ねぜか最後の段階で離れきれず、いつまでも繋がったまま回っていました。

この群体では成熟した娘群体と精子束が混在しています。

こちらでは生殖細胞はすべて精子束になったようです。

生まれて間もない娘群体。

この段階では群体内の細胞の大きさにほとんど差がありません。

泳いでいた精子束。かなりの速さです。

動画です。1分35秒あたりで精子束が群体を離れて泳ぎ出すのが見られます。


(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集・翌日撮影)

2021年12月15日水曜日

プレオドリナ・娘群体の脱出

 前回の記事から約一か月半後、同じ池ではやはり多数のプレオドリナ(Pleodorina sp.)が採集できました。ただ今回は分裂中の細胞や脱出間近の娘群体を持った群体も多く、親群体から娘群体が出ていく場面も見られました。

画面中央や右上の群体では生殖細胞の分裂が進んでいて、画面下方では生まれたばかりの娘群体も見えます。

この群体ではすでに娘群体が成熟しています。


小さな栄養細胞は分裂しません。

娘群体の細胞にも眼点が見えます。

すでに大半の娘群体が脱出した後の群体。
脱出の場面は次の動画で。


撮影中に都合4個の娘群体が脱出しましたが、次はこいつだろうとピントを合わせて待っていると別のところから出てきたりして、なかなか上手く撮れません。

(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集)

2021年12月13日月曜日

プレオドリナ(Pleodorina sp.)

2か月も前に撮影したものですが、以前のブログで一度出している、ボルボックスの仲間のプレオドリナ Pleodorina です。よく似たユードリナなどと違ってあまり多いものではないという印象があったので、いつも採集している池で大量に採れたのにちょっと驚きました。

ユードリナと違って、群体を構成する細胞には大きさが異なる2種類があります。

鞭毛が見えるように露出オーバーで撮りました。

小型の栄養細胞は分裂せず、大型の生殖細胞から新たな群体が生じます。

たくさんの中に、ちょうど分裂中の細胞を持った群体を見つけました。

生殖細胞が4個から16個に分裂しています。

動画です。
ワムシ類その他も登場します。


(2021.10.11・明石公園 桜堀にて採集)

2021年9月8日水曜日

青く輝くミカヅキモの外被

 ミカヅキモ(Closterium)の多い池の水を少量の泥と一緒に汲んできて実体顕微鏡の暗視野で眺めていると、きれいな緑色のミカヅキモに混じってその殻というか、中身が抜けてしまって外被だけ残ったものが鮮やかな青色に輝いているのが目に入ります。この色は構造色で、生きているミカヅキモでも光の具合によって表面が青く光りますが、明視野照明では見えません。その脱け殻を二つ三つスライドガラスにとって撮影してみました。


モワレが出ているのは左右2枚の外被が重なっているためだと思います。


以下は偏斜照明ですが、外被に多数の平行な条線が走っているのが見えます。


条線の間隔は0.5~0.6µmくらいで、これが構造色を発しているのでしょう。

(2021.09.07・明石公園の池にて採集)

2021年7月13日火曜日

キレコミクンショウモ

 キレコミクンショウモ Stauridium tetras はひと月ほど前にも掲載しましたが、その後もう少し分かりやすい写真が撮れたので再掲。各細胞に1個づつのピレノイドがよく見えます。


細胞数8の群体です。


これは16個。

これも16個。ネット上の画像を探すと4細胞の群体は出てきますが16個を超えるものは見当たらないようです。

(2021.05.23・姫路市 姫山公園の池にて採集/06.04・撮影)