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2024年11月12日火曜日

ササの葉のヒメハダニカブリケシハネカクシ

 スゴモリハダニ(Stigmaeopsis 属)に寄生されて独特の白い筋が入ったササの葉を、日の光に透かしてルーペで眺めていると、大きな黒い影が視野を横切っていきます。追いかけてよく見ると、ハダニ食いのヒメハダニカブリケシハネカクシ Oligota kashmirica でした。体長1.2mmばかりのハネカクシで、ササの葉で見たのは初めてです。お尻を上げた姿勢で葉面を歩き回るのを、捕食行動を期待してしばらく見ていましたが、それらしい場面を撮れたのは一度だけでした。レンズに追い回されて食事どころではなかったのかもしれません。撮影後、まわりの同じような白い斑入りのササの葉を調べるとかなり高い確率で見つかりました。

天幕の外に出てきていたハダニを捕らえたようです。

あとはひたすら歩き回るばかりでした。



(2024.10.10・明石公園)

2022年11月2日水曜日

イトダニ科(Uropodidae)の一種

 落ち葉の中から拾い上げた枯れ枝に、赤いダニがたくさんくっついていました。こちらと同じ、イトダニ科(Uropodidae)の一種です。以前BABAさんがブログに掲載されたこのダニの美しい深度合成画像を見て、ああいう画像を自分も一度撮っておきたいと思っていたので、フィルムケースに数匹放り込んで帰りました。

これはやや大きめで甲が高く、体色の暗い個体。腹面です。脚がきれいにしまい込まれています。ゴミだらけですが、これでもかなり掃除したつもりです。

同じ個体の前半部。

こちらはやや小型で甲が低く、体色の明るい個体。背面です。一見何もないつるつるの滑らかな甲羅に見えますが、ごく細かな毛が疎らに生えています。

同じ個体の腹面。中央付近の構造が最初の個体とだいぶ違いますが、雌雄の違いか発育段階の違いか、あるいは別種なのか勉強不足で分かりません。

同じ個体。

もう1枚。

(2022.10.27・明石公園にて採集)

2022年1月30日日曜日

ケヤキ樹皮下の黄色いハダニ

 冬場にケヤキの樹皮下でよく見かけるハダニです。同種と思われるものがフッカーSさんの東京23区の虫2に掲載されていて、トウヨウハダニ属(アケハダニ属、Eotetranychus)の一種ではないかとされています。体長は0.30~0.33mmくらいです。







(2022.01.25・明石公園)

2021年12月25日土曜日

コナダニ科の一種?・交尾中

 落ち葉めくりをしていると妙な形のダニが歩いていました。


と思えば交尾中のペアでした。コナダニ科の一種だと思います。大きい方が体長0.9mmくらいで、こちらが♀でしょうか。以前のブログに出したものに似ています。

白っぽい菌類(?)を食べているのか、鋏角をもぞもぞと動かしていました。




他にも2組ほどのペアがいました。

♀(?)の腹部にうっすら透けて見えるのは卵でしょうか。

(2021.12.09・明石公園)


2021年9月23日木曜日

ジュズダニ科の一種・幼体?

濡れ落ち葉の上を 歩いていた足の長いダニ。ジュズダニ科(Damaeidae)の一種だと思います。体長約0.3mmで、幼体でしょうか。小さすぎて、どこにピントが合っているのかわからないような写真ばかりです。






(2021.09.21・明石公園)

2021年7月24日土曜日

モンキゴミムシダマシとトゲダニの一種

サクラの幹にびっしりと生えたキノコ(カワウソタケ?)にたくさんのヒメオビオオキノが集まっていて、それに交じってモンキゴミムシダマシ Diaperis lewisi lewisi の姿がちらほら見えました。

食べ物に顔を埋めている♀(多分)に交尾を迫る♂です。

腹端から交尾器を伸ばして♀の上に覆いかぶさる動作を何度も繰り返しますが、♀が拒否するのかなかなか交尾には至りません。

交尾器の先には鉤爪のようなものが見えます。

ちょっとピントを外しましたが、鉤爪が伸びているのが見えます。交尾を確実に成功させるための仕組みでしょうか。


片側3本の脚を上げたまま辛抱強くチャンスを窺う♂の姿勢は以前に見た時(こちらこちら)と同じです。そしてその前胸背板にはたくさんのダニが・・・。

トゲダニ科の一種だと思いますが、始終ごそごそと動き回っていました。体長は大きいもので0.5mm足らずです。

(2021.07.17・明石公園)

2021年6月3日木曜日

タケスゴモリハダニ?

白い斑入りのササを見つけたので、ちょっと覗いてみました。

以前のブログでも一度掲載していますが、これはスゴモリハダニの仲間の仕業です。ネット上ではタケスゴモリハダニ Stigmaeopsis celarius に関する情報が多く、画像を見る限りよく似ていますが、スゴモリハダニ属(Stigmaeopsis)には他にもタケ・ササ類につく種があるようなので、同属の別種かも知れません。

葉を裏返してみるとダニが吐いた糸で天幕が張られていて、中がよく見えません。

反対側から光をあててみると小さなダニが歩き回っているのが見えます。

上の画像では大型の個体が顎体部を除いて体長約0.43mm、小型の個体が0.32mmです。それぞれ♀と♂ではなかと思いますが確かではありません。



あちこちに見える丸い物体が卵でしょう。直径約0.13mm。

上と同じ場所ですが、真横から照明するといかにも卵らしく写りました。

(2021.06.01・明石公園)

2021年5月18日火曜日

コナラの葉のヤノイスアブラムシとハモリダニの一種

 コナラの葉裏を見上げると、ヤノイスアブラムシ Neothoracaphis yanonis の姿がちらほらと目につくようになりました。

一次寄主のイスノキの虫こぶ(イスノキハタマフシ)を脱出し二次寄主のコナラに移ってきたばかりの有翅胎生雌虫でしょう。


早速あたりを徘徊しているハモリダニの餌食になっているものもいました。


こちらもハモリダニの一種だと思いますが、随分体形が違います。別種でしょうか。

(2021.05.14・舞子墓園)

2021年4月11日日曜日

クモスケダニ科の一種(Eremobelba sp.)

 先日のイレコダニと同じ、積み上げられて腐朽の進んだ伐採木の樹皮の下にいたダニです。
以前掲載したヤマトクモスケダニ Eremobelba japonica によく似ていますが別種のようで、サイズもひと回り小型です。日本産土壌動物検索図鑑によれば日本産のクモスケダニ科は1属3種というこですが、図版では“背毛は縮れ毛。背面に亀甲模様なし”と“背毛は直毛。背面に亀甲模様あり”の二つのタイプが示されています。ヤマトクモスケダニは前者で、今回の種は後者のタイプのようですが、種名は分からないので Eremobelba sp. としておきます。

体長は約0.4mm。探すと結構たくさん見つかりますが、カメラの視野に導入するのがひと苦労です。

これは別個体ですが、背面の網目模様がはっきり見えます。

三角形に尖った学前体部はヤマトクモスケダニによく似ています。

背毛は縮れていません。

長く湾曲した胴感毛。

小さなマルトビムシが通りかかりました。

(2021.04.08・学が丘北公園)