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2026年10月19日月曜日

ミカンコナジラミに産卵するツヤコバチ科の一種(?Encarsia sp.)

 カキの葉の裏に点々と付着しているミカンコナジラミ Dialeurodes citri の幼虫をルーペで眺めていて、ちょうどその幼虫に産卵している寄生バチを見つけました。



ハチはミコンコナジラミ幼虫の頭部側に産卵管を突き刺していて、角度を変えながら何枚か撮る間その姿勢でいてくれました。以前にやはりミカンコナジラミ幼虫に産卵している(らしい)場面を撮影したもの(こちら)と同種かもしれません。ツヤコバチ科 Encarsia 属の一種と思われます。同属の寄生の様子はBABAさんやHepotaさんのところにも紹介されています。
 Encarsia 属はその多くがコナジラミやカイガラムシに寄生することが知られていて、チャトゲコナジラミに寄生するシルベストリコバチ E. smithi、オンシツコナジラミに寄生するオンシツツヤコバチ E. formosa など、生物農薬として用いられているものも少なくないようです。Wikipedia によるとミカンコナジラミには E. lahorensis という種が用いられるそうですが、国内に分布しているのかどうか分かりません。


産卵後ひと休みしているところ。体長は約0.8mmです。

同じ木の別の葉についていたミカンコナジラミの幼虫。体長約1.2mmです。


これは約1mm。

これはひときわ薄っぺらで眼もほとんど点にしか見えません。成長段階の違いでしょうか。体長約1.3mmです。

成虫もいました。近くに蛹殻が残っています。

すでに白い粉(ワックス)を吹いているので、羽化してからだいぶ時間が経っているのかも知れません。羽化直後はこちらのように翅が透き通っているはずです。翅端まで1.5mmほどです。

(2026.10.10・明石公園)


2026年10月8日木曜日

ヒメコバチに寄生されたホソバシャチホコ幼虫・その後

 先日の、ヒメコバチの寄生を受けた可哀そうなホソバシャチホコ幼虫を十日後に見に行きました。

寄主幼虫は吸いつくされて見る影もありません。ただ、帰宅後写真を見比べてみて、前回は上向きに定位していたのが下を向いていることに気づきました。確かに生きてはいましたが、それだけの余力が残っていたとは驚きです。

この日はこちらのような、 ヒメコバチ幼虫が寄主を吸いつくしてその下に潜り込み、蛹化を始めた段階を予想していたのですが、見に来るのがちょっと遅かったようです。

寄主の残骸を持ち上げてみると、ヒメコバチの蛹の抜け殻が多数残っていました。右上には羽化に失敗したらしい Euplectrus sp.の成虫も見えますが、実は撮影時には気づいていませんでした。

抜け殻の他に、羽化せずに死んでしまったらしき蛹もいくつも残っていました。またそれらの間に白い幼虫が何匹か蠢いていました。肉食の双翅目幼虫のようで、ヒメコバチの蛹を攻撃していたのではないかと思いますが、単に寄主の残骸を食べていただけなのかも知れません。

(2026.10.03・明石公園)


2026年10月2日金曜日

蛾の卵に産卵する Telenomus sp.(タマゴクロバチ亜科)

 アカマツの葉に、きれいに並んだ卵が5個。と、その列の端に黒いゴミのようなものがくっついています。もしや、と思ってルーペを近づけると、嬉しいことに産卵中の寄生バチでした。


卵は長径が約2mmで、ネット上の数少ない情報を参照するとマツカレハの可能性が高そうですが、かなりあやふやです。

ハチはタマゴクロバチ(ハラビロクロバチ科、タマゴクロバチ亜科)の一種です。この仲間は以前のブログに何度も出していて、詳しい方からいろいろ教えていただいたのですが、今回の種はこちらやこちらと同じ、Telenomus 属で間違いないでしょう。体長は、産卵姿勢からは正確に見積もりにくいのですが、1から1.2mmくらいです。





普段から探していてもこういう場面にはなかなか行き会えないので、なるだけ刺激を与えないように慎重に撮りはじめたのですが、ハチは全く動じる気配もなく、最後には高倍率で撮るために枝から葉を抜き取っても産卵姿勢を続けていました。その間、ときどき体の方向を変えながらも腹端は同じ場所に付けたままでしたが、産卵にはこんなに時間がかかるものなんでしょうか。

(2026.10.01・舞子墓園)


2026年10月1日木曜日

アブラムシを捕えたヨツボシテントウ幼虫

 コナラの葉の上でヨツボシテントウ Phymatosternus lewisii の幼虫を見つけました。前回は木の幹を歩いていただけでしたが、今回はアブラムシを捕えていました。

楕円形のお皿を伏せたような扁平な体形で、体長は2.5mmくらいなのでまだ若齢と思われます。

この幼虫は、こちらのように獲物の脚に噛みついてそこから体液を吸い取るという面白い習性があるのですが、この角度ではよく分かりません。

今食われているのは手前の黒っぽいアブラムシで、色の薄い方はすでに吸い殻になっているようです。

獲物の隙間から、なんとか口元が見えました。アブラムシの左前脚をしっかり咥えています。

獲物のアブラムシはインドトゲマダラアブラムシ(カバイロトゲマダラアブラムシ)Tuberculatus indicus だと思います。周りの葉の上にも数匹づつついていて、アミメアリが甘露を貰いに来ていました。


(2026.10.01・舞子墓園)



2026年9月28日月曜日

ヒメコバチに寄生されたホソバシャチホコ幼虫

 芋虫毛虫が平気な方でも、こういう光景は敬遠されるかもしれません。

アラカシの葉の裏にいたホソバシャチホコ Fentonia ocypete の幼虫ですが、寄生バチの幼虫を一杯くっつけています。

この状態で体長25mmほどですが、頭部の大きさから見てすでに終齢かも知れません。


寄生者の方は、おそらくヒメコバチ科 Euplectrus 属の一種と思われます。Euplectrus は多くの鱗翅目幼虫に外部寄生する寄生バチですが、このあたりでもかなり繫栄しているようで、夏場にはこの仲間に寄生された蛾の幼虫が木の葉の裏などでよく見つかります(こちらやこちら)。幼虫が成熟するとこちらのように寄主の腹側に回り、粗い繭を紡いで蛹化します。そして体長2~3mmの小さなハチが羽化してきます(こちら)。

寄生された幼虫は移動こそしませんがまだ生きていて、撮影中ときどき頭を動かしていました。

(2026.09.23・明石公園)


2026年9月11日金曜日

ミカドトックリバチ

 どこからか飛んできたトックリバチが目の前のエノキの葉にとまりました。見ればイモムシを捕えています。蛾の幼虫でしょう。
この場所ではムモントックリバチやその巣をときどき見かけますが、黄色い斑紋の位置からこれはミカドトックリバチ Eumenes micado だと思います。ハチは大顎で獲物の頭部のすぐ後ろをくわえていましたが、その腹部に針を刺すような動作もしていました。イモムシが暴れないよう、ダメ押しの麻酔だったのかもしれません。間もなく獲物とともに飛んで行ってしまいました。
風で葉が揺れてフラッシュの欲しい状況でしたが、咄嗟のことで準備が出来ず、撮った写真はどれも少々ブレてしまいました。




この数日前に、クサギの葉裏に作られたトックリバチの巣を見ています。

形を見ると同種の可能性もあると思います。まだ口が閉じられていないので、獲物を捕らえたハチが帰ってこないかと期待してしばらく見張っていましたが、駄目でした。

(2026.09.05/巣は09.01・明石公園)


2026年9月1日火曜日

キイロハバチの幼虫

 センニンソウの蔓に、薄緑色の体に白い粉を吹いたようなきれいなイモムシがたくさんついていました。体長2センチほどで、顔を見るとハバチの幼虫です。センニンソウを食べるハバチで検索するとすぐに分かりました。キイロハバチ Monophadnus nigritarsis です。幼虫はあまり見た記憶がありませんでしたが、調べてみると2年前の6月に産卵中の成虫を撮影していました。



(2026.08.29・明石公園)

2026年8月28日金曜日

コモンツチバチ

 花壇のオミナエシの花に見慣れないツチバチが来ていました。3、4匹くらいですが、せわしなく移動しながらせっせと蜜を吸っているハチと、そのハチのまわりを飛び回りながら何度もとびつこうとするのがいます。おそらく♀と交尾をしようとする♂だと思いますが、しばらく見ている間には交尾は成立しませんでした。斑紋の特徴からコモンツチバチ Scolia decorata のようです。ヒメコガネなどの幼虫に寄生するそうですが、そのヒメコガネや近縁種がこのあたりにいるのかどうかは勉強不足でわかません。





(2026.08.23・明石公園)


2026年8月21日金曜日

ハリブトシリアゲアリと謎の食痕?

 アラカシの枝先の柔らかい新葉に、ハリブトシリアゲアリが集まっています。

葉には何かの食痕のような穴が並んでいます。しかしアリが集まってるからには甘露を出すアブラムシでもいるんだろうと思いましたが、

穴があるだけで、アブラムシもカイガラムシも見当たりません。

こちらの葉でも同様です。

葉表から見た“食痕”ですが、よく見るとただの食痕ではなく何かの産卵痕、あるいは幼虫が葉肉に潜り込んだ跡のようにも見えます。もしかすると、それらの幼虫がアリの好む物質を分泌しているのではないかと、別に根拠もないのですが想像してしまいました。

(2026.08.12・明石公園)




2026年8月9日日曜日

モチノキタネオナガコバチの産卵・♀の羽化を待つ♂

 10年近く続けていたココログからこのブロガーに引っ越して、最初の記事が同じくモチノキタネオナガコバチの産卵でした。ところがそれ以来産卵風景を目にする機会がなく、これが7年ぶりの撮影です。前回の木のすぐそばにあるモチノキで、よく探すと産卵中の♀が何匹も、また♂の姿もちらほら見えましたが、なぜか前回の木では見つかりませんでした。
以前の記事にいただいたコメントによれば、モチノキタネオナガコバチは「5月下旬~6月と8月に年2回羽化し、種子の中で幼虫態で越冬する」ということです。これまでの観察でも5月上旬(2023年)や7月下旬(2015年、2019年)に♀の羽化や交尾行動を、また産卵を6月中旬(2010年、2014年)と8月上旬(2019年)に見ていますが、それぞれ越冬幼虫から羽化した第1世代と、その子供たちが羽化した第2世代ということでしょう。

お尻から後方に伸びているのは産卵管鞘で、産卵管そのものは果肉に刺さっています。


同じ個体ですが、一度産卵管を抜いてから再び突き刺そうとしています。穿孔位置を決める時はこのように産卵管と鞘が一体になっていますが、やがて穿孔がすすむにつれ鞘が離れて産卵管のみ果肉に入っていきます。

これは別個体。産卵管はほぼ目いっぱい果肉に挿入されています。同属でクロガネモチやナナメノキなどの果実に寄生するニッポンオナガコバチと外見が非常によく似ていますが、やや大型で、♀の産卵管がはるかに長いことで見分けられます。寄主の果実が大きい分、長い産卵管が必要なんでしょう。

これは♂で、間もなく羽化してきそうな♀を待っているようです。この♂は中くらいの大きさですが、ニッポンオナガコバチの♂と同様、この種のオスも大型になるほど暗色部が多くなる傾向があります。


♀は表皮の直下まで進んできていて、顔を出すタイミングを見計らっているところでしょう。

先が齧り取られたような果実に産卵していますが、幼虫は無事に育つんでしょうか。

(2026.07.30・明石公園)