キリの幼木の大きな葉を裏返すと、このタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis がたくさんついていました。
このカメムシを初めて見たのは約5年前で、やはりキリの葉の裏でした。この公園には大きく成長したキリの木は少ないのですが、幼木はいたるところに生えてきます。その葉では必ずと言って良いほどヒメイトカメムシが群れているのですが、タバコカスミカメが見つかる場所は限られていて、この日見つけたのも5年前に初めて見た場所の近くでした。
今回は交尾中のペアも多く、またヒメイトカメムシの死骸を吸汁しているものもいました。タバコカスミカメはアザミウマやコナジラミなどの農業害虫を捕食するため生物農薬としての利用が進められているようです。キリの葉に集まっているのは、粘つく腺毛に捕まった微小昆虫が目当てなのかも知れません。関係があるのかどうかわかりませんが、農林省のサイトを見ると、このカメムシが好むゴマとクレオメを増殖に利用する方法が紹介されていて、調べてみるとどちらの植物にも葉に粘着性の腺毛が存在するようです。
2024年9月25日水曜日
キリの葉のタバコカスミカメ
2024年9月19日木曜日
タケノホソクロバの卵と若齢幼虫
ササの葉を捲っていると、きれいに並んだ小さな卵が見つかりました。
2024年9月13日金曜日
お尻の先に排泄物をくっつけて運ぶアザミウマの幼虫たち
2024年9月10日火曜日
シンジュキノカワガの幼虫
初めて見たシンジュキノカワガ Eligma narcissus の幼虫です。
以前この公園で幼虫を見つけたという話を虫仲間から聞いていたのですが、この日もそのご当人の案内で探しに来たシンジュの幼木で見つかりました。複数の木で大小数匹、大きいもので体長5センチほどあります。
シンジュキノカワガは全国で見つかっているようですが、それらはすべて原産地の中国大陸から偶然飛来した成虫が食樹のシンジュ(ニワウルシ)を見つけて産卵・繁殖したもので、暖かい間に2~3世代は発生するものの、日本の冬は越せずに全滅するということです。
冬はまだ先なので、この日見つけた幼虫たちが成虫になる時間はたっぷりあると思いますが、その次の世代はどうなんでしょうか。温暖化が進んでこのあたりでも一昔前に比べると冬らしい寒さの日がずいぶん少なくなっているように感じますが、この蛾も実はどこかで冬を越しているという報告がそのうち聞かれるのではないかという気もします。
2024年9月8日日曜日
2024年9月5日木曜日
キイトトンボ
普段トンボやチョウを追いかけるということはまずしないのですが、たまたま目の前にとまったので撮らせてもらいました。キイトトンボ Ceriagrion melanurum です。
このように腹部が鮮やかな黄色で先端背面が黒いのは♂だそうです。2024年9月4日水曜日
キマダラカメムシの産卵と孵化幼虫
3年前にもほぼ同じものを出していますが、サクラの葉裏で産卵していたキマダラカメムシ Erthesina fullo です。1か月近く前に撮った写真です。
2024年9月1日日曜日
ヒラアシキバチ♂の羽化
エノキの立ち枯れに、ヨコヅナサシガメの幼虫が集まっていました。昨年8月にヒラアシキバチ Tremex longicollis の産卵、この7月にはそれに寄生するオナガバチ類の産卵を見てきたのと同じ木です。今年のヒラアシキバチの産卵は時期を逃して見られませんでしたが、幹に突き刺さったままの産卵管の残骸を見ると、かなりの数が産卵に集まってきていたようです。
幹には今年のものと思われる脱出口が多数開いていてますが、中を覗き込むとかなり高い割合で脱出できずに死んだキバチの頭が見えます。穴が開いた途端、脱出する間もなくサシガメ幼虫に襲われたものでしょう。まだあちこちで口吻を差し込んでいる幼虫が見られました。
その中で、まだ穴の開いていない場所にサシガメ幼虫が集まっているのを見つけました。おそらく樹皮のすぐ下に脱出間近のキバチがいるのを嗅ぎつけてそれを待ち構えているものと思われます。以前にも同じ状況を見たことがあったので、邪魔なサシガメたちを追い払い、キバチが出てくるのを待つことにしました。
過去の経験からそれほど時間はかからないだろうと楽観していたのが結局3時間以上、懲りずに何度も集まってくるサシガメ幼虫を追い払いながら枯木の前に立ち尽くすことになりましたが、その甲斐あって出てきたのはかなり稀といわれる♂個体でした。
ヒラアシキバチは単為生殖とされていて、以前にも脱出した♀がそのまま同じ枯木で産卵するのを見たことがあります。ごくまれに出現する♂は繁殖には貢献しないだろうということですが、今回の♂も、同じ木で育った♀は既に羽化・産卵を済ませているはずなので、相手を見つけることは難しいと思われます。