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2025年10月25日土曜日

ルリシジミの幼虫

 このところまた更新を怠けていて、2週間以上前に撮ったものを今頃出しています。先日のウラギンシジミの幼虫の時と同じ虫仲間に、今度はルリシジミの幼虫の居場所を教えてもらいました。


ルリシジミの幼虫はいろんな植物の花や蕾を食べるそうですが、マメ科は特に好まれるようで、この日見たのもハギでした。葉の裏でじっとしていたこの幼虫は体長約9mmです。体表は細かな毛におおわれていて、触り心地がよさそうです。

緑色のこの幼虫は食事中でしょうか。体長は同じく約9mm。多数のアミメアリが集まっています。シジミチョウ類の幼虫はアリに餌としての甘露を与えるだけでなく、それに含まれる化学物質にはアリを長くとどまらせ、より攻撃的にするという効果があるそうです(こちら)。


これも大きさは同じくらいですが、ややピンクがかった体色です。ネット記事などでは周囲の色に体色を合わせて擬態するとか、食べたものの色に左右されるとか言われていますが、どちらにしても結果は同じかもしれませんね。

(2025.10.07・明石公園)


2025年10月21日火曜日

オオスカシバの幼虫たち

 クチナシにオオスカシバの幼虫が沢山集まっている、との情報をいつもの虫仲間からいただいて、早速見に行きました。なるほど、お尻から角を生やした大小のイモムシがせっせと葉を齧っています。大きいものでは体長60mmを超えていて、おそらく終齢でしょう。一番小さいのが20mmくらいでしたが、見つけられなかっただけでもっと小さいのもいたかも知れません。オオスカシバの幼虫には褐色型も出現するそうですが、私の穴だらけの記憶ではこれまで見た覚えがありません。この日もすべて緑色型でした。

20mmくらいの若齢幼虫。体のわりに尾角は立派です。

約30mm。

約50mm。

これは終齢でしょう。体長は60mmを超えて丸々と太っています。

葉を齧る中齢幼虫。

(2025.10.07・明石公園)


2025年10月16日木曜日

イチモンジセセリ・求愛行動?

 2匹のイチモンジセセリが追いかけっこをしていました。
片方が葉にとまるともう片方も同じ葉に飛んできて、するとはじめの1匹は即座に近くの別の葉に飛び移り、2匹目が後を追う、ということを繰り返しています。そのうちそれにも飽きたのか、逃げ回っていた♀(多分)が動きを止め、そのすぐ後ろに♂(多分)が頭を♀の翅にくっつけるようにしてとまりました。♂は一瞬翅をはばたかせて♀に突進するような動作を何度も繰り返しますが、♀の反応はありません。結局♀にその気がなかったのか、やがて2匹ともどこかへ飛んでいってしまいました。






(2025.10.07・明石公園)

2025年10月14日火曜日

ウラギンシジミの幼虫

 1か月近くの前の撮影ですが、クズの花についていたウラギンシジミの幼虫です。これも、いつもの虫仲間が見つけたものを撮らせてもらいました。色合いが見事にクズの花に同化していて、こんな場所にこんなものがいると分かった上で探すのでなければちょっと見つけられそうにありません。体長は約20mmで、終齢だと思います。

ピンボケで写っているアリはシベリアカタアリです。

(2025.09.20・明石公園)

2025年10月6日月曜日

ヒメエグリバ

 これはヒメエグリバ Oraesia emarginata で合っていると思いますが、その名で出てくるネット上の画像には翅の色や濃淡に大きなばらつきがあってちょっと戸惑います。ただそんな画像をよく見ると、翅に何本も走る横線の位置や曲がり具合、リング状の紋などはどれもよく一致していて、確かに同じ種だと納得できました。
幼虫の食草はアオツヅラフジで、以前のブログに出しています。



(2025.09.30・明石公園)



2025年9月27日土曜日

クチバスズメの幼虫

 アラカシの葉に、大きなイモムシがぶら下がっていました。一見してスズメガ類であることは分かりますが、何スズメか見当がつきません。そこで詳しい虫仲間に写真を見てもらうと、アラカシであればクチバスズメ Marumba sperchius だろうと。その通りでした。体長は85mmほどもあって、おそらく終齢と思われます。せっかくなので各部アップで撮らせてもらいました。体表は小さな突起で覆われていますが、地肌は透明感のあるきれいな緑色で、とても滑らかそうに見えます。





気門の開口部の両側には細かな毛が密生しています。閉まっているように見えますが、葉っぱの気孔のように自由に開け閉めができるんでしょうか。

(2025.09.19・明石公園)

2025年9月25日木曜日

寄生されたモンクロギンシャチホコの幼虫

 頭上のサクラの葉で見つけたモンクロギンシャチホコ Wilemanus bidentatus の若齢幼虫です。近づいて見ると、可哀そうなことにたくさんの寄生者にとりつかれていました。おそらく先日の記事と同じ、ヒメコバチ科の Euplectrus 属だと思います。


モンクロギンシャチホコ幼虫は体長約13mmです。生きていますが、ほとんど動きません。




寄生者は、この丸まった状態で0.7mmくらいの長さです。これらの幼虫は成長すると、やがてこちらのように、吸いつくされた寄主の亡骸の下に潜り込んで粗い繭を紡ぎ、蛹化するものと思われます。

同じ日別の木で見かけた、終齢と思われる幼虫。体長約35mmです。ここまでくれば 、無事に蛹化できるでしょうか。

(2025.09.15・明石公園)

2025年9月4日木曜日

寄生を受けた蛾の卵とナガコバチ科の一種

 先日、蛾の卵に産卵しているタマゴコバチを撮影したネズミモチのすぐ近くのトウネズミモチで、こんな卵を見つけました。

卵は長径約1.9mmで、先日のものと同じ大型の蛾(シモフリスズメ?)のものと思われます。内部にイモムシ型の幼虫が透けて見えますが、卵殻にはいくつか小さな穴が開いているので、これはおそらく寄生者でしょう。ただ大きさからみてタマゴコバチではなさそうです。

これとよく似た状態の卵は以前にも見たことがあります。自宅に持ち帰るとやがて幼虫は蛹になり、ナガコバチ科の一種が羽化してきました(こちらの記事)。この寄生者もおそらくそれに近い種と思われます。

同じ日の帰りに様子を見に行くと、卵の周りをナガコバチが1匹歩き回っていました。動き回るのでうまく撮れませんでしたが、10年前の記事のものとよく似ています。すでに寄生された卵に用はないように思いますが、そのことを確認していたのかも知れません。

(2025.08.28・明石公園)

2025年9月1日月曜日

セスジスズメ

 昨日の記事のフタテンカメムシを探してススキをかき分けていた時、地上近くで休んでいるセスジスズメ Theretra oldenlandiae を見つけました。幼虫はこの公園でもときどき見かけるのですが、成虫を見るのは多分数年ぶりです。過去に見たのも多くは街中で、夜の間に灯りに惹かれて飛んできたのが帰りそびれた、といった個体でした。ブログに出すのも初めてだと思います。幼虫はこちらこちらに出しています。


見事に機能的なデザインですが、スズメガ類は昆虫の中でも特に飛翔能力に優れているそうです。体長36mm、前翅長35mmくらいです。

真横から撮ろうとしたのですが、手前の葉がレンズにかぶってしまいました。

(2025.08.24・明石公園)

2025年8月29日金曜日

蛾の卵に産卵するタマゴコバチ科の一種

ネズミモチの葉の上にきれいな緑色の卵が乗っていました。虫の卵と見れば寄生バチが来ていないか探してみるのが習慣になっているので、今回もルーペを近づけてみると、いました。小さな黄色いハチが卵の周囲を歩き回っています。
卵は高さが1.5mm、長径2mmくらいの楕円体です。この場所ではシモフリスズメの幼虫を何度か見ているので、大きさを見ても同種の可能性が高いでしょう。ハチは体長約0.6mm、タマゴコバチ科(タマゴヤドリコバチ科) Trichogrammatidae で間違いないと思います。ネット上ではよく似たハチの画像がキイロタマゴバチ Trichogramma dendrolimi として多く見られますが、なにぶん微小な種なので生態写真での同定は無理でしょう。
ハチはときどき立ち止まっては腹端を卵につけるという動作をくりかえしながら歩き回っていましたが、やがて葉面に近い場所に目標を定めたようで、産卵を始めました。
タマゴコバチ類の産卵行動を見るのは初めてですが、寄主の卵から羽化して出てくる場面は何度か見たことがあります(こちらこちら)。





ここでようやく腰を落ち着けて産卵を始めました。

卵に刺さった産卵管が見えます。



20分ほど産卵管を刺したままの姿勢を保っていましたが、

もう少し大きく撮ろうとレンズを交換している間に産卵管を収めてしまいました。

同じハチの仲間とはいえオオスズメバチの触角のひと節に納まるくらいの大きさですが、それでもちゃんとハチとしてのすべての構造を備えているのが驚きです。

(2025.08.19・明石公園)


2025年8月25日月曜日

カシコスカシバ

 歩いている足元から飛び立ったのが見慣れぬハチのようだったので、少し先の草の葉にとまったのを見に行くと、ハチではなくカシコスカシバ Synanthedon quercus でした。このあたりで見られる数少ないスカシバガ科の仲間の一つです。ずっと以前はこの公園でもアラカシの幹に産卵に来た♀をたまに見かけたものですが、もう長い間お目にかかる機会がありませんでした。またこんな風にじっとしているところを間近に見るのも初めてですが、とても美しい蛾です。


頭から尾毛の先まで約16mmです。



(2025.08.03・明石公園)