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2025年6月16日月曜日

マイマイガ終齢幼虫

 今年はマイマイガ Lymantria dispar の幼虫が多いようだと思っていたら、アカメガシワの葉にちょっと見たことがないくらい大きな奴が乗っていました。体長は80mm弱。図鑑やネット情報でも終齢で60mm前後とされているので、平均よりかなり大きいことは間違いないでしょう。鮮やかな模様や密生した剛毛の束に思わず見とれてしまいました。ちなみに、孵化したばかりの1齢幼虫はこちらに載せています。
マイマイガは10年に一度くらい大発生すると言われていますが、それが数年続いた後、ウィルスや病原菌の流行によって突然終息することが多いようです。このあたりでは2013年に大発生後の大量死が見られました。今年は、少なくともこのあたりではまだそれほど増えているようには見えませんが、ひょっとしたら来年あたりの大発生の兆候かも知れません?






頭部の特徴的なハの字型の黒紋。密生した毛の間から単眼が光っているのが見えます。

(2025.06.07・明石公園)


2025年6月15日日曜日

カノコガを捕えたササグモ

 あまりに普通種なのでカメラを向けることもほとんどないササグモ Oxyopes sertatus ですが、ちょうど大物を捕まえていたので撮ってみました。お腹の大きな♀です。


(2025.06.07・明石公園)


2025年6月1日日曜日

鳥の糞を吸うチャバネセセリ

 イタドリの葉の上で、鳥の糞を吸っていたチャバネセセリ Pelopidas mathias です。セセリチョウの仲間では、乾いた糞に自分の排泄物(おしっこ)をかけて液状にしてから口吻で吸う、いわゆる吸い戻し行動がよく見られます。下の写真でも腹端を下に向けているのが分かりますが、そよ風に葉が揺れて、実際におしっこをかけるところまでは確認できませんでした。以前のブログにイチモンジセセリの同じ行動を出していますが、その時の1枚にはちょうどお尻から水滴が出た瞬間が写っています。


(2025.05.27・明石公園)


2025年5月20日火曜日

アラカシの葉巻の中のムラサキシジミ幼虫

 先のマガリケムシヒキの産卵を見たのと同じ日に、やはり同じFさんがアラカシの新葉が細長く巻かれているのに気づいて拡げてみると、中にはムラサキシジミ Narathura japonica の幼虫が潜んでいました。葉巻の中に身を隠したまま食事をしているようです。周囲には同じような葉巻がいくつもぶら下がっていて、さらに何匹かの幼虫が見つかり、その分泌物を求めてアリも来ていました。また巻かれて垂れ下がった葉は、葉柄近くの主脈に嚙み切られたような傷があります。ある種のオトシブミ類と同様に、葉を萎びさせて柔らかくするためでしょう。だいぶ食べられてすでに空き家になった葉巻もありました。おそらくこの公園の中でも毎年どこかで見られる光景なのでしょうが、教えてもらわなければいつまでも気づかずに終わったかも知れません。日ごろ虫が少なくなったと嘆いていても、注意してさえいればまだまだ新たな発見があるようです。

巻かれたというより、葉が萎びて自然に丸まったようにも見えます。

葉巻の中にいた幼虫。

アリも来ていました。これはシリアゲアリ類のようです。

主脈を噛み切った後がよく見えます。中の幼虫の影も。

この葉巻はすでに用済みのようで、空き家になっています。

(2025.05.08・明石公園)


2025年5月17日土曜日

ホシミスジの若齢幼虫

 これも虫仲間のNさんに居場所を教えてもらった、ホシミスジ Neptis pryeri の幼虫です。長年この公園に通っていて、成虫なら何度か撮っていますが、幼虫についてはユキヤナギにつくというくらいの知識しかなく、実物を見たこともありませんでした。
その幼虫がいたのはユキヤナギではなく同属のコデマリでしたが、計3匹が別々の枝の先端近くで、それぞれぶら下がった小さな枯葉にくっついていました。体長は10mm前後で、まだ若齢と思われます。色と言い形と言いほとんど枯葉と一体化していて、目の前で指差してもらってもすぐには分かりませんでした。予備知識を持ってその気で探さないとまず見つけることは出来ない気がします。

こうして見るとまるでミノムシです。

反対側から。体長約8mmです。

これはやや大きな別個体。

顔面を撮りたくて枝をひねくり回していると枯葉を離れて移動し始めました。

やっと顔が見えました。

これでようやく全体像が分かります。

糞をしました。


最後に顔面アップ。

もう一枚。

(2025.05.08・明石公園)


2025年5月10日土曜日

羽化直後のブドウスカシクロバ

 朝の9時を過ぎたころでしたが、カラスノエンドウの葉につかまって翅を伸ばしつつある蛾がいました。タケノホソクロバによく似ていますが、帰宅後調べてみると同じマダラガ科のブドウスカシクロバ Illiberis tenuis のようです。ブドウの害虫とされていますが、同じ場所にはエビヅルも生えているので、それを食べて育ったものでしょう。年1化で、繭で越冬するそうです。撮りはじめて数分後、やおら翅を持ち上げて背側で合わせると、鱗粉で青く輝く腹部が現れてちょっと感動しました。







(2025.05.03・明石公園)

2025年5月7日水曜日

フタナミトビヒメシャク

 トウネズミモチの葉の上にとまっていた蛾で、フタナミトビヒメシャク Pylargosceles steganioides だと思います。ネット情報によると春型(1化)と夏型(2化)で見かけがかなり異なり、夏型では斑紋が不鮮明になるそうですが、これはもちろん春型ですね。また♂では触角が櫛歯状になるらしいのですが、下の写真ではよく見えません。幼虫はいろいろな植物を食べるようで、ネット上でも多数の画像が見られますが、顔面の模様に特徴があるようです。見たことがあるような、無いような。芋虫毛虫の写真も撮ってはいるのですが、ほとんどは名前も調べず放置しているので、探せばその中にあるかもしれません。前翅長約12mmです。



(2025.04.30・明石公園)


2025年5月2日金曜日

コナラの葉裏で繭を紡ぐ不明幼虫

 昨日の記事に続き三木山森林公園で見たガの幼虫です。
コナラの葉に黒っぽい影が見えるので裏がえしてみるとみると、繭を紡ぎはじめたばかりと思われる毛虫でした。ずいぶんずんぐりとした体形で、体長は1cmほどですが、これは蛹化に備えて平常時よりかなり前後に縮んだ状態なのではないかと思います。この体が長く伸びたところを想像しながら手持ちの図鑑やネット上の画像を探しましたが、今のところ一致するものが見つかりません。そのうちどこからか助け船が現れることを期待して、不明幼虫として出しておきます。



体のわりには小さな頭部です。

(2025.04.27・三木山森林公園)

2025年5月1日木曜日

ヒメヤママユの中齢幼虫

 先月に続いて、三木山森林公園での観察会に参加してきました。
このきれいな毛虫はネジキの葉裏についていたのですが、初めて見るものなのでなんだろうと思っていると同行の方が即座に「ヒメヤママユ(Caligula japonica)の幼虫です」と教えてくれました。成虫にもお目にかかったことはありませんが幼虫も初めてです。帰宅後調べてみるとかなり広食性の蛾のようなので、ネジキについていても不思議はないでしょう。これは2齢か3齢で、終齢ではほぼ緑一色になるようです。フラッシュの調子が悪くて何度も撮り直しをしている間に枝の方へ移動してしまいました。体長は約22mmです。




毛虫の毛や棘は色や形の面白いものが多く、ついアップで撮りたくなります。触ってみる気にはなりませんが。

(2025.04.27・三木山森林公園)

2025年4月20日日曜日

クロコノマチョウ・越冬明け

 越冬明けのクロコノマチョウ Melanitis phedima です。薄暗い木の下から飛び出してきて、ちょど日の当たる場所にとまってくれたのは好都合でしたが、2、3枚撮ったところで間が悪く人が通りかかり逃げていきました。翅の色が明るいので♀かとも思いますが、翅がだいぶ傷んでいるせいもあって今一つはっきりしません。秋に撮った♂はこちらに出しています。幼虫はこちらのようになかなか魅力的な姿をしていますが、この近辺ではまだ見たことがありません。


(2025.04.17・明石公園)

2025年3月13日木曜日

ケヤキ樹皮から出てきたエルモンドクガ(?)幼虫

* 2025.03.14・追記とタイトル変更 *

当日もご一緒した方より、ケヤキを食樹とし幼虫越冬という条件からエルモンドクガ Arctornis l-nigrum ussuricum ではないかというご指摘がありました。恥ずかしながら初めて聞く種名です。早速検索してみましたが、幼虫の画像はネット上にも数えるほどしかない上にどれも活動中の、もっと体の伸びた状態なので似ているようではありますが今一つはっきりしません。その中で「南四国の蛾」というサイトの「蛾の生態図鑑」に掲載されている画像を見ると、幼虫の地肌や頭部の模様が写っていて、それが下の画像とよく一致しました。やはりご指摘の通り、この種の可能性が高そうです。当初「不明幼虫」としていたタイトルには、ひとまず疑問符付きで種名を掲げておきます。

 いつもの虫仲間のお誘いで車に同乗させていただき、三木市の三木山森林公園での観察会に参加してきました。これはその時、同行の誰かがケヤキの樹皮下で見つけた幼虫です。見事に全身毛だらけ、と言うより棘だらけの毛虫で、調べればすぐに身元は割れるだろうと写真だけ撮らせてもらったのですが、帰宅してからいつもの幼虫図鑑はじめネット上の画像を探してみても意外に似たものが見つかりません。越冬状態のためか体が前後にだいぶ圧縮されているようにも見え、そのせいで余計に分かりにくいのかもしれません。科の見当もつきませんが、そのうちどなたかに教えていただけることを期待して出しておきます。

ちょっと前ピンになってしまいました。左が頭です。

長い毛の下から辛うじてお顔が見えますが、これも前ピンですね。

こっちがお尻。

このような重装備は主に寄生者対策だと思いますが、曲者ぞろいの昆虫界にはこんな槍ぶすまをかき分けて寄生卵を産み付けていく奴もいるんでしょうね、おそらく。


(2025.03.09・三木山森林公園)


2025年2月3日月曜日

ヘーネアオハガタヨトウ

 ムクノキの幹にとまっていた、かなり地味なガです。目に留まったのが不思議なくらい薄暗い場所で、ファインダーもよく見えず1枚撮るごとにモニタを確認しながらの撮影でした。名前調べは難航しましたが、ヘーネアオハガタヨトウ Nyctycia hoenei で間違いないと思います。晩秋に出現する種だそうです。和名が変わっていますが、“ヘーネ”は種小名から来ているようで、命名者か採集者のお名前でしょうか。寡聞にして知りませんが、他にもこの名を和名に持つ種があるのかもしれません。ついでに頭に何もつかない“アオハガタヨトウ”はどんなガだろうかと調べてみると、“アオハガタヨトウ”は出てきますが“アオハガタヨトウ”は存在しないようです。例によって鱗粉のアップを撮ってみましたが、ほとんど平らな場所がないのでごく部分的にしかピントが合いません。頭から翅端まで約16mmです。








(2025.01.17・明石公園)