シュードマイクロソラックス Pseudomicrothorax(属)という長い名前の付いた繊毛虫の一種です。頭に“Pseud”の付いた学名は和名で言えばニセ〇〇〇とか〇〇〇モドキといったものにあたるようで、この場合も本家の Microthorax 属が存在しますが、いつも頼りの「淡水微生物図鑑」には“Pseud”付きしか載っていません。多分こちらの方がポピュラーなんでしょう。この属はユレモを専門に捕食するそうですが、食事の現場は見られませんでした。写真は長径30µmほどの小型種です。
2022年8月19日金曜日
2022年3月24日木曜日
アニソネマの一種(オナガヒラタヒゲムシ,Anisonema sp.)
2本の鞭毛を持った鞭毛虫、アニソネマ(Anisonema)の一種です。以前のブログに出したものよりやや大型ですが形はほとんど同じに見えます。2本の鞭毛のうち細くて短い方は常に前方に伸びて活発に運動していますが、太くて長い方は後方に引きずっていて(後曳鞭毛)能動的な動きは無いようです。
2021年11月29日月曜日
エピスティリスとエリヒゲムシ
エピスティリス Epistylis は群体性のツリガネムシで、こちらのようにケンミジンコなどに付着しているものもよく見かけますが、今回のものはこちらの記事と同じようにどこにも付着せずに水中を漂っていました。おそらく同じ種ではないかと思います。いくつかの群体を見ていると、柄に多数のエリヒゲムシ(襟鞭毛虫・エリヒゲムシ目 Choanoflagellida)の一種を付けたものがいました。以前のブログで普通のツリガネムシ(Vorticella sp.)の柄に付いていたものを紹介していますが、今回の方がやや小型のようです。
2021年8月24日火曜日
ミドリムシの一種(Euglena spirogyra)
比較的大型のミドリムシで、いつもの「淡水微生物図鑑」その他で調べると Euglena spirogyra という種に該当するようです。細胞表面が小さな粒々で覆われていて、内部には大きなリング状のパラミロン粒が2個確認できます。
この日は多数見つけましたが、どの個体にも鞭毛が見えません。見えない程度の短い鞭毛をもつ種なのかと思っていたところ、そのうちに1匹だけ、長い鞭毛をしきりに振り回しているものが見つかりました。しかし撮影を続けるうちに突然根元から鞭毛を切り離してしまったので、他の鞭毛の見えないものも本来はそれを持っていたのだろうと思います。プレパラートに封入するといった、何らかの環境の悪化を受けて切り離してしまうのかも知れません。
2021年8月21日土曜日
2021年7月19日月曜日
ミドリムシの一種(Euglena sp.)
昨年出したものと同じ場所で採集したミドリムシです。格好もよく似ていますが今回の方がやや大きく、細胞内の葉緑体やパラミロン粒などの粒子の様子もかなり違うので別種ではないかと思います。
2021年5月21日金曜日
ミドリムシの一種 Euglena mutabilis
この細長いミドリムシは Euglena mutabilis という種だと思います。池で採集したサンプルを実体顕微鏡で眺めていると、シャーレの底でのたくっているのが沢山見つかりました。動きは緩慢で、水中に浮かび上がって泳ぐということもしないようです。鞭毛はあるのか無いのか、注意して見ていましたが確認できませんでした。
2021年1月24日日曜日
トゲトゲの殻を持ったカラヒゲムシの一種(Trachelomonas sp.)
カラヒゲムシ(トラケロモナス Trachelomonas)の仲間には、殻の表面が滑らかなものと細かな凹凸や刺に覆われたものがあります。以前に掲載したのは滑らかなタイプでしたが、今回は殻の表面が細かい刺で覆われたタイプです。ほぼ球形、殻径は20µmほどで、このタイプでは小さな方でしょう。殻に開いた小さな穴から出した鞭毛を打ち振って泳いでいるところを撮影しましたが、静止画ではピントが浅くて鞭毛が断片的にしか写りません。最後の動画の方が分かりやすいと思います。
2021年1月23日土曜日
キネトキルム(Cinetochilum sp.)
先日のアスピディスカよりひとまわり小さい繊毛虫で、キネトキルム Cinetochilum の一種だと思います。動きは速いですが、わりあい狭い範囲を行ったり来たりしていてくれたので撮影は楽でした。ただこの大きさになるとあまり細部までは見えません。
2020年12月18日金曜日
エリヒゲムシの一種(Sphaeroeca sp.)
円い細胞が球状に集まった群体で、はじめウログレナの仲間かと思ったのですが、黄色っぽいウログレナと違ってほとんど無色で目立ちません。シャーレの中をワムシやミジンコ類に混じってたくさん浮遊しているになかなか気づかなかったくらいです。最初長短3本の鞭毛を持っているように見えましたが、倍率を上げて見ると短い2本に見えたのは鞭毛ではなくエリヒゲムシ類の「襟」らしいと分かりました。
その線で探してみると plingfactory:life in water というサイトで Sphaeroeca volvox の画像が見つかりました。群体や細胞の形、鞭毛や襟の状態などほぼ同じで、この仲間に間違いないでしょう。いつも参照している原生生物情報サーバでは、スファエロエカ属 Sphaeroeca(襟鞭毛虫目・コドノシガ科) は「群体を形成。自由遊泳。群体は球状で表面に細胞が集まる。」とあります。
2020年9月11日金曜日
カラヒゲムシの一種(Trachelomonas sp.)
球形の殻を持ったカラヒゲムシ(トラケロモナス属)の一種です。いつもの「淡水微生物図鑑」には10種余りが掲載されていますが、その中でこのように滑らかな球形の殻を持っているのは Trachelomonas volvocina という種だけです。野外で最も頻繁に遭遇する種、とされているので可能性は高いと思いますが、他によく似た種が無いとも限らないのでタイトルはカラヒゲムシの一種としておきました。
シャーレの中で光に集まってくるのを実体顕微鏡で眺めると微小な粒々が盛んに動きまわるのが見えますが、バーガラスの下の狭い空間に閉じ込めると段々と不活発になり、やがて動きを止めてしまいます。
カラヒゲムシはミドリムシの仲間で、種によってさまざまな形の殻(ロリカ)を持っていますが中の細胞は基本的にはミドリムシと同じなんだそうです。