ニッポンオナガコバチ Macrodasyceras japonicum の産卵は一昨年9月に初めて見ていて、昨年は時期を逃してしまいましたが、今年はちょうど間に合いました。前回と同じで、過去に何度も羽化を観察している同じクロガネモチの木です。
何しろ小さいのでなかなか目にとまりませんが、目を凝らしてよく探すとかなり多数の♀が産卵していました。
♂の姿もちらほら見えましたが、こちらはメスと違って落ち着きなく動き回るので上手く撮れません。
♂は産卵中のメスには関心が無さそうで、むしろ実の中から♀が出てくるのを待っているような様子でした。撮影時には気が付きませんでしたが、この写真の実には脱出口らしきものが見えます。このハチの羽化には早すぎると思われますが、どうなんでしょうか。あらためて全ての写真を確認しましたが、このような穴は他に見つかりませんでした。
一昨年の記事にも書きましたが、9月に産卵する♀は12月に羽化して冬の間葉裏などでよく見つかる個体と比べるとかなり小型です。比較のために撮影倍率を揃えて並べてみました。
上が今年の1月に葉裏で越冬していた個体、下が今回産卵に来ていた個体で、体長はかなり違いますが産卵管の長さはほぼ変わりません。それぞれのグループ内でも個体差はありますが平均すると明らかな差があります。世代が違うことは確かだと思いますが、冬を越した♀がどこに産卵するのか、つまり9月に産卵する♀たちがどこで育ったのか、見当がつきません。
(2021.09.07・明石公園)
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