伐採木の樹皮下をめくると大きな甲虫が3匹現れました。お馴染みのユミアシゴミムシダマシ Promethis valgipes です。あらためて検索してみると最近はサトユミアシゴミムシダマシという和名が多く使われているようですが、いつ頃からなんでしょうか。それはさておき、こんな街なかの公園でも普通に見られる数少ない大型甲虫の一つです。
2021年1月28日木曜日
ユミアシゴミムシダマシ
この個体で体長約24mm。
一つ覚えですが、やっぱり顔も撮っておきました。ゴミムシダマシの仲間には愛嬌のある顔がたくさんあります。
1枚目の右上でひっくり返っていた個体です。保育社の甲虫図鑑によれば♂の後胸腹板中央に円形赤褐色の叢毛がある、ということなのでこれは♂でしょう。
3匹目ですが、これも♂ですね。
この角度から見ることはあまりないので、1枚。
(2021.01.21・学が丘北公園)
2021年1月25日月曜日
イタチムシの一種(Chaetonotus sp.)
イタチムシの一種は以前のココログや、このブログでも一度動画を掲載していますが、これはまた別の種のようで、体の背面・側面から生えた多数の太くて長い刺が目立ちます。日本で見られる様々なイタチムシ(鈴木隆仁・タクサ 日本動物分類学会誌)という記事には日本産8属の検索表が掲載されていますが、それを辿ると(イタチムシ目の約半数の種を含む)Chaetonotus 属で間違いないと思います。
いつもは動きが早くて追いかけるのに苦労するのですが、今回はわりあい落ち着いていて助かりました。
横向きになると背側の長い刺、腹側の繊毛が見えます。
腹面を向けていて、多数の繊毛と頭部の円い口が見えます。
数枚のピントの浅い写真では確認できない部分がどうしても残りますが、その点動画は、解像度は落ちても焦点が連続的に移動するので全体像が分かりやすくなります。
2021.01.05・明石公園 桜堀にて採集/2021.01.12・撮影)
2021年1月24日日曜日
トゲトゲの殻を持ったカラヒゲムシの一種(Trachelomonas sp.)
カラヒゲムシ(トラケロモナス Trachelomonas)の仲間には、殻の表面が滑らかなものと細かな凹凸や刺に覆われたものがあります。以前に掲載したのは滑らかなタイプでしたが、今回は殻の表面が細かい刺で覆われたタイプです。ほぼ球形、殻径は20µmほどで、このタイプでは小さな方でしょう。殻に開いた小さな穴から出した鞭毛を打ち振って泳いでいるところを撮影しましたが、静止画ではピントが浅くて鞭毛が断片的にしか写りません。最後の動画の方が分かりやすいと思います。
動画です。
(2021.01.05・明石公園 桜堀にて採集/2021.01.12・撮影)
2021年1月23日土曜日
キネトキルム(Cinetochilum sp.)
先日のアスピディスカよりひとまわり小さい繊毛虫で、キネトキルム Cinetochilum の一種だと思います。動きは速いですが、わりあい狭い範囲を行ったり来たりしていてくれたので撮影は楽でした。ただこの大きさになるとあまり細部までは見えません。
細胞の左上に見える楕円形が細胞口のようです。
腹側の細胞表面にピントを合わせると数本の縦筋と多数の繊毛が見えます。
(2021.01.05・明石公園 桜堀にて採集/2021.01.12・撮影)
2021年1月22日金曜日
キマワリ幼虫の冬虫夏草
昨日のオオスズメバチと同じ伐採木の樹皮下で見つけた冬虫夏草。宿主は体長約20mmのキマワリの幼虫です。
冬虫夏草は頭から生えています。
腹部末端節は特徴的なお皿状です。
(2021.01.21・学が丘北公園)
2021年1月21日木曜日
2021年1月20日水曜日
リトノタス(Litonotus sp.)
この繊毛虫はリトノタス Litonotus の一種だと思います。
細胞は左右に扁平な形で、この写真では前端を上に向けていて、右が腹側です。
腹側の前半と後端にトリコシスト(毛胞)が並んでいます。2個の大核も見えますが、ネット上の画像でよく見られるように細胞の長軸に対して前後ではなく左右に配置しているようです。
後端近くに収縮胞が見えますが、2個の大核とともにこれも Litonotus 属の特徴だそうです。
動画です。
(2021.01.05・明石公園 桜堀にて採集/2021.01.12・撮影)
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