細長い甲虫が2匹、コナラの根方を歩きまわっていました。
この公園では数年前からナラ枯れが発生し、たくさんの立派なコナラの木が被害に会って伐採され、今でも園内各所に燻蒸処理された後の残骸が積み上げられています。
このナラ枯れを齎す張本人であるカシノナガキクイムシ Platypus quercivorus はまだ見ていなかったので、この2匹がそれではないかと思って採集して帰りましたが、深度合成画像を撮影して図鑑やネット情報で確認したところこれに間違いないようです。2匹とも♀でした。
採集時には2匹とも土埃にまみれ、かなり時間をかけて掃除をしたつもりですがゴミがたくさん残ってしまいました。
腹面です。この個体は残念ながら中脚の附節が左右とも欠損しています。
1枚目の写真の部分拡大ですが、前胸背板に数個の円い穴が見えます。これはマイカンギア(菌嚢)と呼ばれる器官で♀だけに見られ、この穴で共生菌を運ぶと言われています。その共生菌がこの虫の食糧であり、ナラ枯れを引き起こす要因にもなるそうです。
同じ個体です。
同時に採集したもう一匹は、なぜか翅を拡げた状態で死んでいました。
最後はナラ枯れによる伐採が始まった頃の公園内の様子(2016.02.05)です。
この時の被害で、二抱えもありそうな大木も含めて公園内のコナラはほとんど一掃されてしまいました。それから約4年、ナラ枯れは近所の他の公園でも見られますがこれほどの大規模な被害には至っていないようです。
上と同じ日、コナラの幹に開いた虫孔。
(2020.09.22・学が丘北公園にて採集)
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