2022年1月27日木曜日

フロントニアの収縮胞と放射状水管

何度も登場しているフロントニア(Frontonia,クチサケミズケムシ)の一種です。

自分の体長ほどもあるミカヅキモを二つも飲み込んでいます。赤くて丸いのはナベカムリの仲間でしょうか。

背側には一つの収縮胞 contractile vacuole とその周囲に伸びる放射状水管 radial canal が見えます。教科書に載っているゾウリムシの図で二つのヒマワリの花のように描かれているのと同じものですが、フロントニアでは一つだけです。

放射状水管はゾウリムシの図では花芯を取り巻く花弁のように見える部分ですが、フロントニアでは細長くタコの脚のように細長くのたくって伸びています。

収縮胞は閉じるときにいくつかに分裂するように見えます。

放射状水管を含む収縮胞系は細胞内から余分な水を回収して排出し、細胞内の浸透圧を調整する機能を担っているそうです。しかしそんなことを知らなくても、見ていてとても面白い構造であることには間違いありません。

これは腹側で、裂け目のような細胞口が見えます。

動画も撮りましたが、さかんに動きまわるので残念ながら収縮胞や水管の消長はよく分かりません。代わりに、飲み込んだミカヅキモを排出するところが見られます。


(2022.01.13・明石公園 桜堀にて採集)

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