若いガマの穂(詳しい方に訊くとヒメガマだそうです)に小さな甲虫が集まっていました。苞の隙間にも入りこんで、交尾中のペアも多く、また♀は花穂に産卵しているように見えます。
キスイムシ科と見当をつけてネット検索すると一発でそれらしいのが出てきました。ガマにつくガマキスイ Telmatophilus orientalis Sasaji,1987. です。ところが確認のために開いた保育社の甲虫図鑑にはその名がありません。1985年の発行時にはまだ記載されていなかったのです。しかしキスイムシ科の属の検索表にはTelmatophilus 属への言及があり、函館から記録されているT.typhae という種が紹介されていました。
図鑑の検索表には Telmatophilus 属(Telmatophilinae 亜科)は「跗節第2、第3節は下前方に葉片状に伸長する」とあります。ちょっとわかりにくい説明ですが、多数のボツ写真の中に跗節の様子が分かるカットがあって、それを見て納得しました(最後の写真)。九大の目録には同属からT. orientalis とT. typhae の2種しか載っていないので、これで同定はほぼ間違いないと思います。こういうこともあるので、毎度大量に生産されるピンボケ写真もすぐに捨ててしまうわけにはいきません。
♀は腹端を花穂に差し込んでいるように見えます。
(2023.06.10・明石公園)
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