2020年6月19日金曜日

アマクサキジラミ

クサギの葉裏にとまっていた綺麗な緑色の虫にレンズを向けてみると、昨年9月に初めて見たアマクサキジラミ Cacopsylla amakusensis でした。これは80年も前に記載されて以来数えるほどしか採集例がなく、その幼虫もホストも未確認のままだったのを、2014年にBABAさんがモッコクで繁殖しているのを発見し、その謎が一挙に解決されたといういわくつきの珍種です。

私にとっては2匹目の貴重な成虫だったのですが、1回シャッターを切った後倍率が高すぎることに気づきカメラの調整をしている間に逃げられてしまったのでした。それでも辛うじて特徴的な白い顔面が見えます。尾端の形は♀でしょう。
慌てて周囲を見回すとホストのモッコクが1本、しかし枝が高すぎて何も見えません。そこでもっと手頃な木が数本ある場所へ探しに出かけました。

そして手の届く範囲の新葉を探すと、多くはありませんが幼虫が見つかりました。大量のワックスを出していて、BABAさんの撮影されたものと見比べるとアマクサキジラミの幼虫に間違いなさそうです。

ある種の愛玩犬の巻き毛みたいです。

同じ個体を後ろから。
しかしこの日は他の成虫は見つからず。少し時期が早いのかと思い、3日後に同じ場所を覗いてみました。

数本の木を探し回って見つけた成虫は2匹だけ、うち1匹は撮る前に飛んでいき、残った1匹は♂のようです。


顔面が白くないのはまだ成熟していないからだそうです。

ちらほらと幼虫の姿も。

どの幼虫も長い綿毛のようなワックスと、排泄物の大きな球をお尻に付けています。

今回見た限りでは個体数は多くなさそうですが、こういう珍種がこの場所で繁殖していることが分かったことは嬉しい限りです。

(2020.06.09/12・明石公園)


2020年6月18日木曜日

ウチワヒゲムシ(Phacus.sp)

ウチワヒゲムシ(Phacus属)はミドリムシの仲間の鞭毛虫ですが、細胞はミドリムシのように変形しません。形が扁平なので撮影には好都合なはずですが、活発に泳ぎ始めると追いかけるのは難しく、水の層を薄くして動きを制限するとすぐに弱って鞭毛の動きも止まってしまうので、私には苦手な被写体のひとつです。



動画では鞭毛の動きがよく見えます。


(2020.06.02・明石公園の水溜まりにて採集)



2020年6月15日月曜日

アオオビハエトリ

獲物はかなりの大物ですが、クロオオアリあたりでしょうか。



(2020.06.12・明石公園)

2020年6月13日土曜日

オナガバチの一種(Megarhyssa sp.)・♀の脱出を待つ♂たちと産卵する♀

昨年久しぶりににその姿を見た大型のオナガバチ(Megarhyssa sp.)が、前回と同じ木に集まっていました。

多数の♂が輪になって触角で盛んに樹皮をたたいていて、中の一匹が腹端を差し出しています。

♀の誕生の瞬間が見られるかと期待して見守っていましたが、しばらくすると興奮していた♂たちの騒ぎが少し静まり、その場を去っていく♂もいます。♀が顔を出すまでまだかなりの時間がかかりそうな気配だし、以前にはこういう状態から♀を見ることなく♂たちが解散してしまったこともあります。結局最後まで見届けることなく引き揚げました。

動画です。


近くで産卵中の雌もいました。

産卵管が付け根まで差し込まれています。

ちょうど産卵を終えたのか、こちらを警戒したのか、産卵管を抜き始めました。

長いので抜くのも大変。

こうして見ていると、オナガバチ類では産卵管が長く伸びるにつれそれを扱うために腹部も伸びてきたのではないかという気がします。

このMegarhyssa sp.は未だ記載されていないようですが、寄主はヒラアシキバチ Tremex longicollis だと思われます。

(2020.05.28・明石公園)

以前のブログに掲載した同種の記事です。

      産卵:2011.06.122013.07.012019.07.03
♀の脱出:2010.06.102012.06.26



2020年6月11日木曜日

ストリアメーバ(Striamoeba sp.)

これはストリアメーバの一種(Striamoeba sp.)だと思います。比較的移動速度は速いのですが、あまり外形が変化しないアメーバです。以前のブログにも同じものを出していますが、画像は少しだけ良くなりました。



(2020.06.02・明石公園の水溜まりで採集)


2020年6月10日水曜日

ナガタマムシ属の一種( Agrilus sp.)

日光で葉脈の透けて見えるイヌビワの葉に、動きまわるいくつもの小さな影が映っています。そっと枝を引き下ろしてみるとナガタマムシの仲間ですが、動きが活発でその場での撮影はあきらめ、持ち帰って深度合成撮影に供しました。
以前同じ時期に撮影したものと同種なのではないかと思います。Agrilus 属は手元の原色日本甲虫図鑑Ⅲにも60種以上掲載されていますが、斑紋などこれといった特徴も無く、同定は素人の手に負えそうにありません。












(2020.05.28・明石公園)


2020年6月9日火曜日

海水の繊毛虫の一種

近所の海岸で採取した海水を実体顕微鏡で眺めていると、小型の繊毛虫がシャーレの底を這うようにくるくる回っていたので拾い上げてみました。

珪藻を食べているようです。

特徴的な形ですが、手持ちの図鑑やネット情報に当たってみても正体が分からず。

これはやや大型の細胞。倍率は同じです。


横向きになったのを見るとかなり平べったい体型です。



(2020.04.24・西舞子海岸にて採集)